ボルボの新世代ディーゼルエンジン「D4」は乗り味、使いやすさ、経済性ともに抜群である
カテゴリー: ボルボの試乗レポート
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2015/09/09
クリーンディーゼルの大波に真っ向勝負
ボルボが大勝負に出る。日本にもようやく訪れた波に乗って主力モデルであるV40/V40 CrossCountry/S60/V60/XC60の5車種にクリーンディーゼルを一挙投入するという。これは現ラインナップの約9割を占めるものだ。近年、ボルボはパワートレインを新世代のDrive-Eに置き換えてきた。主なガソリン仕様は2L 4気筒の「T4」や「T5」で、一方でこのディーゼルは「D4」と呼ばれる。
新世代の2L 4気筒ターボディーゼル「D4」と8速ATの組み合わせは、先の5車種いずれも共通のものだ。最高出力は190馬力と目を見張るほどではないが、特筆すべきはそのトルクだ。400Nmを1750回転から発揮するわけで、V40シリーズだろうが60シリーズだろうが関係なくグイグイ走る。ちなみにいま日本に正規輸入されているCセグメントカーでクリーンディーゼルを搭載しているのは、このV40シリーズのみだ。
V40 CrossCountryとS60 R-DESIGNに続けて試乗した。車外にいればもちろんそれと分かるが、最新世代エンジンだけあってディーゼル音は低く抑えられている。40と60を比べれば、さすがに車格が上なだけあって60の方が遮音が利いている。両モデルともガソリンモデル比で約30kgの重量増に抑えられているが、40はよりツアラー志向の性格を強めていた。
一方のS60は18インチタイヤを履くスポーティな足回りのR-DESIGNだったこともあり、重さを感じさせないバランスの良さが特徴だ。ちなみにいずれもガソリン+25万円という戦略的価格で、エコカー減税により取得税&重量税は免税となる。燃費は20km/L超、燃料費の安い軽油であることもあいまって、年間1万km走行するとしてボルボの試算ではV60「T4」と「D4」のコスト差は約3年で回収できるという。この波、乗ってしまって損はないと思う。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:V40 D4 SE ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1968cc
■最高出力:190/4250[ps/rpm]
■最大トルク:400/1750-2500[n・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:8AT
■全長×全幅×全高:4370×1800×1440(mm) ■ホイールベース:2645mm
■車両重量:1540kg
■車両本体価格:399万円(税込)