ランドローバー レンジローバースポーツ|ニューモデル試乗

ジェントルな英国車ライフを送るなら3LのV6、やんちゃ度アップを狙うなら5LのV8だ。ステアリングを何度握っても飽きさせないだろう。クールなたたずまいは誰に見せてもかっこいいと賞賛されるはず。オシャレゴルファーの週末の足にどうぞ!

“ジェントル&スポーティ”なアニキとは異なる個性を発揮!

こいつはレンジローバーとは別モノだ

この車の発表は3月のNYモーターショーだった。プレスデー前夜に特設ステージの前で陣取っていると、目の前に勢いよく走り込んできた。降りてきたのはダニエル・クレイグ。そう、ジェームス・ボンドだ。その後7月に英国の貸し切り飛行場で試乗した1台だ。

さて、そんなレンジローバースポーツが日本に上陸した。まさにジェントル&スポーティなモデルだけに注目度は高い。

特徴は従来ディスカバリーと共有していたシャシーフレームをオリジナルでこしらえたこと。アルミフレームはレンジローバーと同時に設計されたものだが、75%のパーツが専用というから立派。それだけ強いこだわりを感じる。

で、そのこだわりは個性としてしっかり表現される。今回あらためてステアリングを握ってそれを確信した。「こいつはレンジローバーとは別モノ」だと。

キラーカイエンターボ

それを如実に体感できるのは5L V8スーパーチャージドのオートバイオグラフィ ダイナミック。スターターを押した直後のブリッピングからして違う。猛獣のうなり声のようなヴォン! という音が響く。走り出しもそう。低速から太いトルクがグイグイ引っ張る。ドライバーはアクセルを踏む足に力が入る。

そこからの加速はもはやSUVであることを忘れさせる。向こうの景色がビュンビュン目の前に迫ってくる感覚はド級のGTカー。思わず口元がニヤけてしまう。そりゃそうだ。考えてみれば500psを超えている。それと同時にものすごい安定感に驚く。ステアリングは正確でボディとの一体感も強い。それに乗り心地も文句なし。エアサスのセッティングは自然な乗り味を再現し、足を突っ張った感もない。

うん、これはいい。そこで頭に浮かんだのは「キラーカイエンターボ」。なるほど、こだわりはそこかもしれない。

旧型と比較してホイールベースが178mm長くなり全幅が55mm広くなった。前後のオーバーハングは短くモダンなスタイルを演出している

旧型と比較してホイールベースが178mm長くなり全幅が55mm広くなった。前後のオーバーハングは短くモダンなスタイルを演出している

5世代目となる電子制御のエアサスペンションを装着している。185mmの範囲で車高の調整が可能となる機能を搭載している

5世代目となる電子制御のエアサスペンションを装着している。185mmの範囲で車高の調整が可能となる機能を搭載している

径を小さくし厚みを増したステアリングや、高い位置に配されたセンターコンソールなど、スポーティな仕立てと演出がされている

径を小さくし厚みを増したステアリングや、高い位置に配されたセンターコンソールなど、スポーティな仕立てと演出がされている

SPECIFICATIONS

グレード Autobiography Dynamic
駆動方式 4WD
トランスミッション 8AT
全長×全幅×全高(mm) 4855×1985×1800
ホイールベース(mm) 2920
車両重量(kg) 2410
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V8DOHCスーパーチャージド
総排気量(cc) 4999
最高出力[ps/rpm] 510/6500
最大トルク[N・m/rpm] 625/2500
車両本体価格(万円) 1260
Tester/九島辰也 Photo/向後一宏