▲ノーマルでも地球上で最もワガママなスーパーカーである。ワガママ度という意味では、このスーパーヴェローチェは屋上屋を重ねている。ノーマルシリーズに飽き足らなくなったオーナーは、むやみな改造にはしる前に、まず乗るべき。ロードスターも出るから、今からならまだ間に合うかも! ▲ノーマルでも地球上で最もワガママなスーパーカーである。ワガママ度という意味では、このスーパーヴェローチェは屋上屋を重ねている。ノーマルシリーズに飽き足らなくなったオーナーは、むやみな改造にはしる前に、まず乗るべき。ロードスターも出るから、今からならまだ間に合うかも!

コペルニクス的転回性能を得た最強スーパーカー

ところはスペイン、カタロニアサーキット。F1で有名なこのGPコースで、ランボルギーニの最新兵器、アヴェンタドール LP750-4 スーパーヴェローチェの国際試乗会が開催されたわけだが……。

今まで数多のサーキット試乗会に出席した筆者もこれほど速くてファンでスリリングなテストは初めてだった。イン&アウトラップ含め5周を1セットとして計3セット乗ることができたが、セットを終えるごとにペースは早まってゆき、脳みそは痺れ、身体の節々がきしみ、汗が噴き出すほどに、SVの底力を引き出す。もう2セットも走れば、きっとDTMばりに互いをヒットしあうバトルになってしまっていたことだろう!

ベースモデルとまったく違うのは、ハンドリングのシャープさとよく粘る足回りのフィール。それを生み出した直接的な要因は、ウラカンに積まれた2つのシステム、LDS(ダイレクトステアリング)とMRS(マグネティックライド)を積み込んだこと。これに高回転域でのパワーアップと効果的なダイエットが重ね合わさって、ベースモデルとはまるでキャラの異なる、サーキットファンなマシンに仕上がっていたのだ。

とにかくフロントの食いつきが凄まじい。内への切り込み方もシャープで深かった。コーナリング中のリア回りは、路面への駆動伝達をしっかりとドライバーに伝え続けてくれる。だから、べらぼうに高いコーナリング速度であるにもかかわらず、がんがん踏んでいける。踏んでも踏み切れないくらいの懐の深さがあった。

加速そのものは、ノーマルと目立った違いはない。けれども、エグゾーストノートはよりラウドで、高回転域での伸びとパワー感が違う。フルスロットルに達したまだその先に、秘密のパワーボックスが隠されている、という感覚だ。全く別次元への進化を果たしたと言っていい。

▲ベースモデルより55㎜長いボディ、前後重量配分は43:57。軽量なハルデックス4タイプ電子制御式4WDを搭載 ▲ベースモデルより55㎜長いボディ、前後重量配分は43:57。軽量なハルデックス4タイプ電子制御式4WDを搭載
▲室内も軽量化。カーボンむき出しのフロア、シンプルなカーボンドアパネルでスパルタンなスタイル ▲室内も軽量化。カーボンむき出しのフロア、シンプルなカーボンドアパネルでスパルタンなスタイル

【SPECIFICATIONS】
■グレード:LP750-4 SUPERVELOCE ■乗車定員:2名
■エンジン種類:V12DOHC ■総排気量:6498cc
■最高出力:750/8400[ps/rpm]
■最大トルク:690/5500[n・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:7SCT
■全長×全幅×全高:4835×2030×1136(mm) ■ホイールベース:2700mm
■車両重量:1525kg

text/西川淳 photo/アウトモビリ・ランボルギーニ