いまどき珍しい、全身でスポーツできる超元気仕様

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コンセプト

3.2LV6エンジンと強化シャーシが最大の見所

GTAというネーミングはアルファロメオ往年の名ツーリングカーに由来するものだ。GTAのAはアッレッジェリータというイタリア語で、軽量化を意味する。

1960年代当時は量産車ジュリアスプリントGTを軽量化しハイパワーエンジンを搭載していたが、甦った現代版GTAは156をベースに超ハイパワーなエンジンを積んで“相対的”に軽量化を果たした。実際には2.5L V6モデルに比べて60kg程度重くなっている。

パワーユニットはGTVやスパイダーに搭載される3L V6ユニットをロングストローク化して3.2Lとしたもの。サスペンションは材質や取り付け位置、剛性など広範囲で専用設計となっており、ブレーキも前にブレンボ製キャリパーを採用するなど、随所に見るべき強化ポイントがある。
室内&荷室空間

内外装の特別装備でノーマルとの違いを主張

ベースとなるアルファ156が同時にマイナーチェンジを果たしたのに伴って、このGTAにも新しい内外装が与えられた。加えて外装には迫力のエアロパーツが付加され、専用デザインの17インチアルミを履く。

インテリアに目を向ければ、鋭角的なサイドサポートが個性的な革張りスポーツシートや300km/hフルスケールの速度計、チタンカラーのインパネ、アルミ削り出しABCペダル(滑り止めゴム付き)など、“泣かせる”専用装備が盛りだくさんである。ちなみに、今回正式導入されたのはセダンの6MT、左ハンドル仕様のみである。本国ラインナップにはシーケンシャル制御の新セレスピードを設定したモデルや、スポーツワゴンも存在する。日本導入は現在検討されている最中だ。
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ドライブフィール

すべてを忘れさせる楽しさに満ちたアルファ

結論から言うと、“楽しい”。微細に評価していけば、いろいろとほころびが見えてくるが、些細なこと気にするこっちゃない、と思わせるだけのファントゥドライブがある。

硬めのシートに腰を下ろし、20~30mも走り出すと最初のトキメキが訪れた。ハンドルを通じてアスファルトのザラつきを感じ、野太い、けれど調音されたアルファサウンドを聞くだけでこれから向かうワインディングロードでの楽しさが想像できるのだった。峠道に繰り出せば、クイックなハンドリングと適度な電子制御、操りやすいパワーと大きさが忽然となってドライバーを刺激する。ブレーキング初期のタッチはイマイチだが、利きそのものは十分。コーナーをクリアするたびに真剣な顔と笑顔が交錯した。さすがはアルファ!楽しさを知っている。
こんな人にオススメ
最近車に刺激がないとお嘆きの方、オシャレで速い車が欲しいという方、普段も使えて時にはかっ飛ばしたい方、今ベストチョイスです。もちろん、アルファロメオファンは八方手を尽くして普段のアシ兼用の趣味車として。今年の日本販売台数はたったの250台(本国の生産台数は2000台)。急がねばなりません。
SPECIFICATIONS
グレード GTA
駆動方式 FF
トランスミッション 6MT
全長×全幅×全高(mm) 4430×1765×1400
ホイールベース(mm) 2595
車両重量(kg) 1420
乗車定員 5人
エンジン種類 V型6気筒DOHC
総排気量(cc) 3179
最高出力 184kW(250ps)/ 6200rpm
最大トルク 300N・m(30.6kg-m)/4800rpm
車両本体価格 544.0万円
写真:芳賀元昌 文:西川 淳