今や希少な、MTで乗って「本当に」楽しい車

  • アルファ ロメオ ミト イモラ リミテッドエディション 走り|ニューモデル試乗
  • アルファ ロメオ ミト イモラ リミテッドエディション インパネ|ニューモデル試乗
↑ヘッドライトとテールランプにはクローム仕上げのアクセントリングを採用(左)シートは、ベースモデルではオプション設定となる最高品質のイタリア家具ブランド「ポルトローナ・フラウ」社製のレザーシートを標準装備(右)
イモラって正式名“エンツォ・エ・ディーノフェラーリサーキット”(日本で言えば豊田佐吉と喜一郎の自動車競争場って感じ)というコースのある町の名前なんだけど、イタリア人にとっての走り屋の聖地みたいな場所(富士かなあ)。サンマリノGPも開催されていたし。

そういう土地の名前をサブネームに使ったアルファだから、“好き者”には相当ぶっささる中身・内容だ。25万円高?いやいや安いよ、安い。

だって特別色コルサイエローでしょ、サテンクロームの外装パーツ(ミラーなど)でしょ、ポルトローナ・フラウ革に専用マット、18インチアルミで奥にはレッドキャリパー、ってな具合で限定150台なんだから、かなりのお買い得。

また8Cゆずりのダイナミックなエクステリアに、黄色がよく映えることと言ったら!黒や赤よりもラインに抑揚がついてだんぜんグラマラスに見える。インテリアもそう。よく見りゃそれほど大した質感じゃないんだけれど、ディテールのデザイン力とマテリアル配置の妙味、そして全体のまとめ方の上手さで、コンパクトカーとは思えないスポーツ性を演出できた。こういう上手さってイタリアンブランドならでは。

非凡な才能!安心&スリリング

  • アルファ ロメオ ミト イモラ リミテッドエディション D.N.A|ニューモデル試乗
  • アルファ ロメオ ミト イモラ リミテッドエディション ホイール|ニューモデル試乗
↑「D」を選択すると、オーバーブーストによりトルクが23.5kg-mまで増大する(左)標準の17インチに対し、18インチアロイホイールと215/40R18タイヤを装着(右)
外と中を見てコーフンしてしまった(ボクはした)貴方は、もうアルファロメオの術中にハマったも同然だ。エンジンかけたときから、やる気マンマン。アルファって本来“非凡な才能を隠し持ったフツウに使える車”だから、気づかなければそのまましれーっと乗れてしまうんだけど、内外装に刺激を受けた人なら隠された才能を引き出さずにはいられない。

シフトレバー脇、ごついシルバースイッチを。早速D(ダイナミック)にして走り出そう。最初の数転がしこそ、タイヤの性能の高さと大きさを余計に感じてしまう(タイヤがシャーシに勝ってる感じ)が、速度に乗れば全く問題ナシ。街乗りでも乗り心地の明らかな悪化はなく、基本のボディ&シャーシ性能の高さがうかがえる。

楽しいのはやっぱりツイスティな山坂道。Q2デフとDSTのお陰で、どんなに急なコーナーでもうきうき踏んで行ける。鼻先の動きはトリッキーで愉快。瞬時に内を向く動きを見越して、ブーストのかかったパワーを乗せていけば、まるでハンドルから前側、エンジンと前輪と自分が一体になったかのよう。それでいて後輪も気持ちよくついてくるから、安心&スリリング。

マニュアルで乗ってこれだけ楽しい車なんて、もう残すところホンのわずかだ!

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード イモラ リミテッドエディション
全長×全幅×全高(mm) 4070×1720×1475
車両重量(kg) 1220
エンジン種類 直4DOHCインタークーラー付きターボ
総排気量(cc) 1368
最高出力[ps/rpm] 155ps/5500rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 23.5kg-m/3000rpm
※Dモード使用時
車両本体価格 310万円
Tester/西川 淳 Photo/向後一宏