※この記事はカーセンサー関東版7号2000年2月24日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
(Tester/河口 まなぶ Photo/芳賀 元昌)

5速MTで操る軽快マシンはスペックでは語れない魅力の持ち主だ

シトロエン クサラ VTR 走り|ニューモデル試乗 シトロエン クサラ VTR リアスタイル|ニューモデル試乗
↑クサラ VTRは身近にスポーティな雰囲気を楽しめる(左)見た目もちょこっとスポーツ。で、リアに小さなスポイラーが付くのだ(右)
「ちょこっとスポーツ」、これがクサラ VTRの第一印象である。あくまでも気軽に、身近にスポーティな雰囲気を楽しめる、実に優秀な車に仕上がっている。SXとの違いはボディが3ドアとなることと、トランスミッションが5速MTとなることくらいだ。でもそれだけで随分と印象は変わる。というのも、やはり5速MTを採用しているだけに、こちらには元気の良さが素直に感じられるのだ。

同じエンジンながらも高回転まで使えるこちらでは、自分の意思を忠実に反映させることができる分、オートマの車よりもドライビングプレジャーを一層高い次元で感じることができる。

シンプルな仕上がりだが、気軽にスポーティな刺激も楽しめる

シトロエン クサラ VTR インパネ|ニューモデル試乗シトロエン クサラ VTR 前席シート|ニューモデル試乗
↑インパネは基本的にSXと共通。だが、メーターなどはスポーティな仕上げを採用(左)シートもちょこっとスポーツ。セミバケットタイプを採用しサポート性も上々(右)
乗り心地などもSXと同様であるのだが、こちらのほうがドアが少ないためか、より軽快でカジュアルな雰囲気が感じられる。確かにマニュアルは面倒臭いという意見もあるけれど、それは食わず嫌いというもの。実際に運転してみるとSXの素の魅力に、スポーティさも感じられたりして通勤の道さえ楽しいものにしてくれそう。

ワインディングなどを走っても、動きはとにかく軽快そのもの。同じプラットフォームをもつプジョー306より鼻がキビキビと入る感覚は、速度を問わずに面白い。それに国産スポーティモデルの過剰なスペックや、使わない(使えない)過剰装備の多さに疲れた人には、かえって新鮮と思えるほどのシンプルさを持ち合わせている。

シンプルな仕上がり、かつ、5速MTで少しだけスポーティな刺激もある。そんな微妙なさじ加減こそが、このクサラ VTRの最大の魅力なのだと感じる。

主要諸元のグレード 1.6 VTR
駆動方式 FF
トランスミッション 5MT
全長×全幅×全高(mm) 4165×1710×1405
ホイールベース(mm) 2540
車両重量(kg) 1110
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4SOHC
総排気量(cc) 1587
最高出力[ps/rpm] 90ps/5600rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 14.0kg-m/3000rpm
10・15モード燃費(km/L)
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/54
車両本体価格 199.0万円

コンセプト 5点
フィニッシュ 3点
前席居住性 3点
後席居住性 3点
内装の質感 3点
取り回し 3点
操作系の使い勝手 3点
ラゲージルーム 3点
パワー感 3点
トルク感 3点
加速性能 3点
乗り心地 4点
操縦安定性 3点
高速安定性 3点
しっかり感 3点
ブレーキ性能 3点
環境対策 3点
燃費 3点
ステータス 3点
コストパフォーマンス 3点
得点合計 63/100