シトロエン DS5 ハイブリッド4 (南陽一浩)【海外試乗】
カテゴリー: シトロエンの試乗レポート
タグ: ハイブリッド
2013/01/24
無色透明な和式ハイブリッドや高価過ぎるドイツ・サルーン系のそれは論外という、アンチ・ハイブリッド派のお父さんに。目を見張る燃費ではないが軽油なので、最終的には安いはず。ビッグ・シトロエンと思うとアシがやや物足りないが、ミドル・シトロエンの新味と思えば、満足いく1台
「ハイブリッド性善説」に背を向けたシトロエン
6速セミATがクリープする
2013年以降、日本導入が取り沙汰されるDS5ハイブリッド4に、パリ近郊で試乗した。
驚くことに、C4でお馴染みの6速セミATがクリープする。バッテリーが空でもオルタネーターがリアの車軸に電気を常時供給するため、発進時にモーターでクリープするのだ。加速感も滑らかで、トルコンAT慣れした身にムチ打つ変速ショックはない。燃費のためハイギアード化されていることと、非ハイブリッド比+180kgとなる車重も相まって、0-100m加速は8.9秒かかる。
それでもDS5ハイブリッド4は「遅い」と思わせない。バッテリー&モーターの制御が「電気をためない方向」というか、有休をバンバン使うフランス人のような気前のよさなのだ。市街地で50km/h以下の加速でも、モーターが積極的に介入する(バッテリー残量はどんどん減る)。燃費貢献とCO2カットを狙った制御だろうが、結果的に巡航スピードにのせるためなら手数を惜しまない働きぶりだ。
和式ハイブリッドの黒子ぶりとは対照的
その分、右足を浮かせた時の回生は強く、高速道路を80kmも走ればバッテリーの目盛りはほぼフル。だが走行モードをスポーツにすると、低いギアを選びつつモーターの介入はさらに積極的になる。高速道路の合流加速で後輪の蹴り上げが感じられるほど、ここぞの時にモーターが主張して、和式ハイブリッドの黒子ぶりとは対照的。バッテリー・フル状態からEVモードで走れた距離は、街中で約3km程度だった。
惜しむらくは、約12km/Lだった燃費のことよりも、やや硬い足回り。プラットフォーム2でDセグ並みの走り味を得たとはいえ、DSシリーズのハイエンドなら、あのハイドロの柔らかい乗り心地が似つかわしい気もする。価格は4万ユーロ強より。日本では500万円弱ぐらいか。
SPECIFICATIONS
グレード | DS5 HYBRID4 | ||
駆動方式 | 4WD | ||
トランスミッション | 6SCT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4530×1871×1513 | ||
ホイールベース(mm) | 2727 | ||
車両重量(kg) | 1660 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | 直4DOHCターボ+モーター | ||
総排気量(cc) | 1997 | ||
最高出力[ps/pm] | 163/3850+37 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 300/1750-3500+200 | ||