シトロエンらしさはDSシリーズにて…

  • シトロエン DS4 走り|ニューモデル試乗
  • シトロエン DS4 インパネ|ニューモデル試乗
クラスを上回る質感高いインテリア。廉価グレード“シック(156ps)”には、シングルクラッチ式のパドルシフト付き6速EGSを搭載。写真の上級仕様“スポーツシック(200ps)”には6速MTが設定される
どうして新型C4が、あまりにもひっそりと、あまりにもアッサリ味に(とはいえ中身は濃かったが)フルモデルチェンジしてしまったのか。その理由がDS4の登場で明らかになっただろう。

つまり、これまでのC系はコンサバデザインに徹して(シトロエンと言えども)数を稼ぎましょう、と。それじゃシトロエンファンが黙っちゃいないというわけで、飛び切りぶっ飛んだデザイン&コンセプトのモデルをシリーズ化しましょうか、と。それがすなわちDSシリーズの本性だ。

名前が表している通り、C4がベース。何とも表現のしづらい、従来のカテゴリー枠に収まらないスタイリングが魅力で、ひとめボレ以外受け付けない、らしい。X6を小さくしたようなカタチは、なんと言ってもリアドアから後ろが見どころだ。このシャープなウィンドウラインとマッシブなドア形状を出すために、リア窓は開けさせないときた!
  • シトロエン DS4 シート|ニューモデル試乗
  • シトロエン DS4 リアスタイル|ニューモデル試乗
写真はレザーが標準となるスポーツシックのシート。前席にはスポーティなバケットタイプのものが奢られる。SUVの高い車高とクーペのようなスタイルを兼ね備えたボディは全長4275×全幅1810×全高1535mm。後席のドアノブをウィンドウに隠すことで2ドアクーペかのような造形とした

ズバ抜けていいインテリア。走りは6MTで、ぜひ

何たるこだわり、無鉄砲。そこが偏屈変態=シトロエンらしさだよん、なんて無責任なことばっかりは言っていられない。最近ありがちな“顔以外気に入ったぞ!”という気持ちで乗り込めば、インテリアは極上品。デコの日焼けが気になるパノラミックウィンドウは、それでも開放感抜群で、その下のダッシュボードも格好よく、シフトレバー周りも小粋で素晴らしい!

インテリアだけ、わが家のジムニーに移植したいよ。走りの方も、すこぶる良かった。ただし200psのスポーツシック6MTの方。内外装がここまでぶっ飛んでいれば、やっぱり走りの方も少々おキレになった方がいい、というわけで、吸い込みの気分がいいマニュアルシフトを操ってのドライブは、なかなか強烈。

粘ってフラットなハンドリングなどは、目線の高いスポーツカーだ。ちんたらドン臭い2ペダルに乗っている場合じゃないって!

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード スポーツシック
全長×全幅×全高(mm) 4275×1810×1535
車両重量(kg) 1400
エンジン種類 直列4気筒DOHC+ ターボ
総排気量(cc) 1598
最高出力[ps/rpm] 200/5800
最大トルク[kg-m/rpm] 28.0/1700
車両本体価格 345.0万円
Tester/西川 淳 Photo/向後一宏