ルノー コレオス 【ニューモデル】
カテゴリー: ルノーの試乗レポート
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2009/06/26
気になるお値段の日産系ルノー式SUV
↑優れた乗り心地と走破性を兼ね備えたルノー発のクロスオーバーカー(左)標準色は白、黒、濃灰のメタリック3色だが、注文色が他に5色用意される(右)
VWティグアン、アウディQ5、メルセデス・ベンツGLKなど、欧州ではC~DセグメントのSUVが花盛り。その波に乗り遅れまいとルノーが送り出したのがコレオスだ。これまでもセニックやカングーに4WDモデルが存在したが、それらはどちらかというと業務用グレード。コレオスはルノーとして実質初めてのSUVである。クーペのように傾斜したリアピラーや乗用車ライクなインテリアなどをもつこの車を、ルノーはSUVではなく「クロスオーバー」と呼ぶ。エンジンやトランスミッション、4駆システム、サスペンション形式など、基本的なプラットフォームは日産エクストレイル、デュアリスとほぼ共通である。ただしCVTやサスペンションなどのチューニングはルノー独自のもので、これは乗ってみるとすぐにわかる。
特にCVTにはエンジンの回転上昇と車速の伸びをシンクロさせようという努力の跡がうかがえる。メルセデス・ベンツA/BクラスやアウディA4などと同様の欧州車らしいリニアな味つけだ。乗り心地は直接のライバルであるティグアンと比べるとソフトでしなやか。ちょっとした段差や高速道路の「うねり」を乗り越えた際に、特にそれを実感する。
ただしルノー車の中では硬めの部類だ。これはコンチネンタル製のオールシーズンタイヤの影響も大きい。もともと欧州ではオプション扱いのハイスペックタイヤが日本で標準となる背景には、コレオスが仕向け地にかかわらず韓国のルノー・サムスンの専用ラインで全車生産されることがある。韓国色を消すために欧州標準のハンコック製ではなくコンチネンタルを採用しているのだ。ただコレオスの(韓国の?)名誉のためにつけ加えると、内外装ともクオリティは悪くない。
フランス車に対する不安を払拭するパワステとエンジンフィーリング
↑ベースグレード(受注生産!)の内装は黒ファブリック、上級はベージュ革内装となる。CVTのMTモードが右ハンドル専用なのはエライ!(左)6つのエアバッグやESPなどの安全装備でユーロNCAP5つ星を獲得(右)
少々人工的な電動パワステと裏方色の強いエンジンのフィーリングには、日産の影が見え隠れする。しかしそれゆえフランス車に対する、そこはかとない不安は払拭されるだろう。レギュラーガソリン仕様やハンズフリーのカード式キーレスなども日産とのアライアンスのおかげだ。コレオスのいま一つのトピックは、戦略的といわれたティグアンの360万円(現在は367万円)を下回る319.8万円~という価格だ。ヒーター付き本革シートやキセノンヘッドライトなどが付く中心グレードでも349.8万円。輸入車、国産車問わずSUVを検討する人には、気になる絶妙の価格設定ではないだろうか。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | コレオス | コレオスプレミアム グラスルーフ |
駆動方式 | 4WD | |
トランスミッション | CVT | |
全長×全幅×全高(mm) | 4525×1855×1695 | 4525×1855×1710 |
ホイールベース(mm) | 2690 | |
車両重量(kg) | 1660 | 1730 |
乗車定員(人) | 5 | |
エンジン種類 | 直4DOHC | |
総排気量(cc) | 2488 | |
最高出力[ps/rpm] | 170ps/6000rpm | |
最大トルク[kg-m/rpm] | 23.1kg-m/4400rpm | |
10・15モード燃費(km/L) | ― | |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛レギュラーガソリン/65 | |
車両本体価格 | 320.0万円 | 360.0万円 |
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