※この記事はカーセンサー関東版38号(2000年10月12日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

新搭載の2Lエンジンで乗りやすく、機能も走りも実用車の見本だ

  • ルノー セニック 走り|ニューモデル試乗
  • ルノー セニック リアスタイル|ニューモデル試乗
↑実用車の見本のような安定した走りを見せるセニック(左)新たにバックドアにガラスハッチが設けられた。手軽な荷物の出し入れに便利(右)
“モノスペースデザイン”が売りのルノー メガーヌ・セニックのマイナーチェンジ版が登場した。 特徴の一つは、フェイスリフト。顔回りは、“付けペン” のペン先みたいにツン! と澄ました印象だった従来型から、コケティッシュな眼差し(ヘッドライト)でいつも微笑みを絶やさない温和な表情へと一新。なかなか悪くない。

室内もホワイトメーターが採用されるなど、細部に及ぶモディファイを実施。ATレバー前に標準の「クーラーボックス」は、入れられる缶のサイズに制約があるものの、便利で使いやすそうな新装備だ。

むろん、後席を外したり畳んだり移動させたりして変幻自在な用途に対応するフレキシビリティも健在。今回はバックドアのガラスをハッチ化し、単独で開閉可能(ナンバープレート上のスイッチでロック解除)なうえ、その開口部からトノボードの開閉も可能など、使い勝手は非常によい。

明るい室内は、幸せファミリィのためのファミリィカーの典型

  • ルノー セニック インパネ|ニューモデル試乗
  • ルノー セニック エンジン|ニューモデル試乗
↑小物ポケットは、室内全体で18カ所、100Lの容量。実用性が高い(左)特別にパワフルではないが、実用領域で十二分に性能を発揮する点がいい(右)
走りは、実用前提の乗用車の見本のよう。特に新搭載された2Lエンジンは、日本の交通事情で多用する2000~3000rpmの動力性能が充実しており、実に乗りやすい。乗り味は、ごく低速で硬さを覚えるものの、ワインディング、高速を問わず、安定した走りっぷりで心地よい。ステアリングのレスポンスを含め、従来型より、より車との一体感が味わえる仕上がりとなっている。静粛性も問題なし。

ウエストラインが低く、明るい室内は、幸せなファミリィのためのファミリィカーの典型といっていいだろう。
レザーシート付きのRXT(269万円)、標準のRXE(249万円)の2グレードが用意されている。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード RXE
駆動方式 2WD
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4170×1730×1620
ホイールベース(mm) 2580
車両重量(kg) 1300
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1998
最高出力[ps/rpm] 138ps/5500rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 19.2kg-m/3750rpm
10・15モード燃費(km/L)
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/58
車両本体価格 249.0万円

島崎七生人の責任採点

コンセプト 5点 取り回し 5点 加速性能 4点 ブレーキ性能 5点
フィニッシュ 3点 操作系の使い勝手 5点 乗り心地 5点 環境対策 4点
前席居住性 5点 ラゲージルーム 5点 操縦安定性 5点 燃費 4点
後席居住性 5点 パワー感 5点 高速安定性 5点 ステータス 4点
内装の質感 3点 トルク感 5点 しっかり感 5点 コストパフォーマンス 5点
得点合計 92/100
(Tester/島崎 七生人 Photo/武田 忠廣)