小さな子供がいる夫婦などにぴったり。きっと子供が車好きになる。3ドア比で全長は165mm、ホイールベースは70mm延長。後席のレッグルームは約4cm拡大されている。大人でも普通に座れるが、背もたれの角度が少々急で長距離移動はきついかも 小さな子供がいる夫婦などにぴったり。きっと子供が車好きになる。3ドア比で全長は165mm、ホイールベースは70mm延長。後席のレッグルームは約4cm拡大されている。大人でも普通に座れるが、背もたれの角度が少々急で長距離移動はきついかも

3ドアの俊敏性はそのままに、実用性をプラス

ひとめ見てこれは売れそうだと感じる。

ミニのボディバリエーションはこれで8つ目を数える。個人的にはベーシックな3ドアの最もシンプルなONEが好みだが、実際にミニモデルの中で売れているのは、ヘッドライトは丸くないし、ミニと呼ぶことがはばかられるほどに大きな4ドアボディのクロスオーバーだという。後席に人を乗せるか否かに関わらず、後ろにもドアがあることが特に日本市場においては望まれているという証左だ。

クロスオーバーは車高が高く、4WDとディーゼルの設定をもつ、いわばミニモデルにおけるSUVだ。一方でこの5ドアは、待望のと言っていいかもしれない、正統なミニの顔をした4ドアモデルだ。グレード構成も2WD+6ATのみで1.5Lターボの“クーパー”と2Lターボの“クーパーS”というシンプルな設定。できればこちらにもディーゼルを望みたいが、いまのところ導入の予定はないという。

ホイールベースの延長に合わせ、新デザインのテールゲートとリアバンパーが採用されている ホイールベースの延長に合わせ、新デザインのテールゲートとリアバンパーが採用されている

1.5Lでもパワーに不足はない。ちなみにあのi8と同じ3気筒エンジンだ。遮音の問題なのか低速域で少々ノイズが気になるが、流れだしてしまえばそれも気にならなくなる。2L 4気筒はもちろんパワフルだ。

コックピットは3ドアと同様の仕立て。センターディスプレイにはナビシステムが標準化された コックピットは3ドアと同様の仕立て。センターディスプレイにはナビシステムが標準化された

またクロスオーバーがまだ旧世代プラットフォームなのに対し、3ドアと同様、屋台骨が新世代となった5ドアには新味が感じられる。足の印象はより俊敏性をウリにしている3ドアに近い。

惜しむらくは、試乗車のクーパーSはオプションの18インチランフラットタイヤにスポーツサスペンション付き。もちろんカッコはいいのだが……。乗り心地を重視する向きには標準の16インチの方が良いかと。

ドアトリムは前後で一体感のあるデザインに。ラゲージ容量は3ドアモデルより67L広い278L ドアトリムは前後で一体感のあるデザインに。ラゲージ容量は3ドアモデルより67L広い278L

【SPECIFICATIONS】
■グレード:COOPER S 5DOOR ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1998cc
■最高出力:192/5000[ps/rpm] ■最大トルク:280/1250-4600[N・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:6AT
■全長×全幅×全高:4015×1725×1445(mm) ■ホイールベース:2565mm
■車両重量:1320kg
■車両本体価格:350万円(税込)

text/藤野太一 photo/向後一宏