※この記事はカーセンサー関東版34号(2000年9月14日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

クーペ並みのボディ剛性でスポーティな走りを実現した

  • BMW 330i カブリオーレ 走り|ニューモデル試乗
  • BMW 330i カブリオーレ リアスタイル|ニューモデル試乗
↑新開発3Lエンジンにより、クーペよりも220kgも重いのに力不足を感じさせない走りを実現(左)Aピラーまでクーペと同デザインだが、ウエストラインからリアにかけて独自性を強調(右)
4シーターオープンカーって、ファッション性とか趣味性の印象ばかりが強いのでは?しかし、今回の330iカブリオーレは実力も十分と言えそうだ。

新開発3Lエンジンを搭載し、ボディは先代のクーペとほぼ同等の剛性を確保、走行時にオープンモデルであることを感じさせないほどだ。4シーターオープンの多くは天井のない長方形のハコ状態。走っていてもロール感を含め、どこかふんばりの利かない頼りなさがある。しかし330iカブリオーレはクローズドボディ並みのしっかり感が得られている。これにスポーツサスペンションを組み合わせることにより、安定した走りと快適な乗り心地が得られた。

シート一体型シートベルトの採用など、使い勝手も向上

  • BMW 330i カブリオーレ インテリア|ニューモデル試乗
  • BMW 330i カブリオーレ エンジン|ニューモデル試乗
↑レザーシートやウッドパネルを標準採用。右ハンドル車の導入予定もある(左)新開発3Lエンジンは完成度が高く、燃費や環境、静粛性にも優れる(右)
新開発3Lエンジンも低回転域から厚みのあるトルクを発生。しかも高回転域までトルク感が行き渡る。そのためクーペより220kgも重いのに力不足を感じさせず、積極的なドライビングが可能。オープンカーならではのスポーティな印象を走りでも実感することができる。

実用面では幌の開閉が25秒と先代モデルよりもスピードアップした。幌自体の厚みも増し、リアウインドウにはガラスを採用している。これらによりドライバーの操作性や視認性はもちろん、クローズド状態の室内をより静かで快適なものとしている。

またフロントシートは画期的なシート一体型シートベルトの採用で操作性が向上。実用的スペースを保つリアシートへのアクセスもフロントシートに採用された電動スライドスイッチでスムーズになった。 330iカブリオーレは開放感ある爽快なドライブが可能なだけでなく、実用性もしっかりと確保されている。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード 330iカブリオレ
駆動方式 2WD
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4490×1755×1370
ホイールベース(mm) 2725
車両重量(kg) 1680
乗車定員(人) 4
エンジン種類 直6DOHC
総排気量(cc) 2979
最高出力[ps/rpm] 231ps/5900rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 30.6kg-m/3500rpm
10・15モード燃費(km/L) 9.2
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/63
車両本体価格 640.0万円

飯田裕子の責任採点

コンセプト 5点 取り回し 3点 加速性能 4点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 5点 乗り心地 5点 環境対策 3点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 3点 操縦安定性 5点 燃費 3点
後席居住性 3点 パワー感 4点 高速安定性 4点 ステータス 5点
内装の質感 4点 トルク感 5点 しっかり感 5点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 83/100
(Tester/飯田 裕子 Photo/奥隅 圭之)