トヨタ ランドクルーザープラド 【プレイバック試乗記】
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
タグ: フルタイム4WD
2009/04/06
※この記事はカーセンサー関東版35号(2000年9月21日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
直噴、クリーン化でジェントルになった“らしくない”ディーゼル
↑登りの発進など、負荷が増すとアクセルに対する反応が鈍くなり、ターボラグも感じる(左)フロントの押し出しに比べるとすっきりとしたリア回り。ホイールも変わった(右)
タフなクロカンモデルであるランドクルーザーシリーズのプラドがマイナーチェンジされた。5ドアロングはファミリィ性の高さ、3ドアショートは機動性が魅力だ。
注目は人気の高かったディーゼルターボがライバル同様に直噴化されたこと。従来型のOHC副室式に対し4バルブDOHCとし、25ps/0.9kg-mアップの170ps/35.9kg-mを発生。スペック、燃費ともにライバルたちに並んだ格好だ。
最上級の5ドアTZを走らせてみると、ディーゼルターボの印象が大きく変わったことに気づく。まずは発進性だが、従来はアイドリング直後からトルクの底力感が強く、時には抑え気味のアクセルを要求するほどに逞しい特性だった。
しかし試乗場所が高原だったことも影響するとも思えるが、一変しておとなしくなってしまった。ディーゼルが矢面に立たされていることもあって、黒煙などを全くといっていいほど吹かないうえに、燃料を希薄にして完全燃焼させることにより、有害物質の排出を減少させている。
1800回転から強力な加速を発揮し、振動騒音も従来型を上回る静粛性
↑オーソドックスなレイアウトのインパネは高い視認性で操作感もしっかり(左)コモンレール式とし、2段燃焼などで、低燃費化と振動騒音の低減を実現した(右)
最大トルクの発生は1800rpmから3400rpmまでの領域で、見事なまでにフラット。回転はスムーズでレスポンスも良好。振動騒音も従来型を上回る静粛性だ。ATはこの回転域をキープする設定だから、より低い回転で走らせようとしてもシフトダウンされてしまう。そのためにガソリンエンジンのようでもある。特に登りの発進など負荷が増すとアクセルに対しての反応が鈍く、ターボラグも感じる。というのも、1800rpmからの加速が強力なだけに余計気になる部分なのだ。
4WDシステムはフルタイム。元々ハンドリングを楽しむキャラではないが、重いディーゼルはその面でも緩慢な動きを見せる傾向がある。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | 5ドア TZ |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | 4AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4690×1820×1880 |
ホイールベース(mm) | 2675 |
車両重量(kg) | 2020 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4DOHCディーゼル |
総排気量(cc) | 2982 |
最高出力[ps/rpm] | 170ps/3400rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 35.9kg-m/1800-3400rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 9.8 |
ガソリン種類/容量(L) | 軽油/90 |
車両本体価格 | 361.0万円 |
根本 純の責任採点
コンセプト | 4点 | 取り回し | 3点 | 加速性能 | 3点 | ブレーキ性能 | 3点 |
フィニッシュ | 3点 | 操作系の使い勝手 | 4点 | 乗り心地 | 4点 | 環境対策 | 5点 |
前席居住性 | 4点 | ラゲージルーム | 4点 | 操縦安定性 | 2点 | 燃費 | 4点 |
後席居住性 | 4点 | パワー感 | 3点 | 高速安定性 | 3点 | ステータス | 3点 |
内装の質感 | 4点 | トルク感 | 3点 | しっかり感 | 3点 | コストパフォーマンス | 2点 |
得点合計 | 68/100 |
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