※この記事はカーセンサー関東版34号(2000年9月14日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

内外装や安全、環境性能だけでなく走りもリファインを実施

  • トヨタ アリスト 走り|ニューモデル試乗
  • トヨタ アリスト リアスタイル|ニューモデル試乗
↑リカバリーをマイルドかつ早めに行うようになったVSC。ターボのARSも違和感が払拭された(左)テールレンズは色を変更するなどしている。外観の変更はわずかなものだ(右)
広報資料によると、今回のアリストのマイナーチェンジは、内外装のリファイン、安全、環境へのさらなる対応、仕様の追加といった具合でルーティンな内容に思える。目玉といえばNAエンジン搭載モデルのATが5速になったくらいだ。が、実際には走りのリファインも行われた。

リファインの内容は、ダンパーの減衰力特性の変更、スプリング/スタビライザーのレート変更、タイヤ変更、VSC(ビークルスタビリティコントロール)の制御変更、そしてターボエンジン搭載車ではARS(アクティブリアステア)の特性変更など、多岐にわたっている。

足回りに違和感が残るが、走りはマイルドに洗練度を増した

  • トヨタ アリスト インパネ|ニューモデル試乗
  • トヨタ アリスト エンジン|ニューモデル試乗
↑メーターは縁取りがシルバーになり、雰囲気を変更。ウッド仕様も用意された(左)エンジンは基本的に変更がない。直6はNA/ターボともパワフルでスムーズ(右)
NAに与えられた5速ATは、変速ショックを抑え滑らかなつながりを実現し、ドライバーが受ける感覚に高級車っぽさを伝えてくる。 ターボエンジンを搭載するV300も、これまでのように路面からの入力をビシバシと伝えるのではなく、いくらかマイルドなものに改められている。

VSCの制御は、以前よりも早めのリカバリーをマイルドに行うようになり、ターボ車のARSも違和感を払拭する努力が図られたと感じられる。 つまり走り味は、以前よりも洗練度を確実に増したと言えることができる。が、それでもまだ、違和感が残ることは確かだ。

体感として足回りにストローク感が乏しく、ロールが止まるような感じがあり、結果ヒョコヒョコとする印象が残る。これをしてダイレクト感がありスポーティだともいえるが、個人的にはもう少ししなやかさや懐の深さのあるサスペンションが欲しい。

とはいえ、トヨタ車の中にあってスポーティな走りが楽しめる数少ないセダンであることは間違いない。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード V300
駆動方式 2WD
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4805×1800×1435
ホイールベース(mm) 2800
車両重量(kg) 1680
乗車定員(人) 4
エンジン種類 直6DOHC+ターボ
総排気量(cc) 2997
最高出力[ps/rpm] 280ps/5600rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 46.0kg-m/3600rpm
10・15モード燃費(km/L) 8.8
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/75
車両本体価格 442.0万円

河口まなぶの責任採点

コンセプト 4点 取り回し 3点 加速性能 5点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 4点 操作系の使い勝手 3点 乗り心地 3点 環境対策 4点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 4点 操縦安定性 3点 燃費 3点
後席居住性 4点 パワー感 5点 高速安定性 3点 ステータス 4点
内装の質感 4点 トルク感 5点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 77/100
(Tester/河口 まなぶ Photo/桜井 健雄)