斬新なデザインに包まれた熟成パワーユニット

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バンパー、フロントグリルのデザインを変更。またディスチャージヘッドランプ&LEDクリアランプの採用で、“夜の顔”も大きく印象が変わった
値ごろ感のあるクラウン級の4ドアセダンとして初代マークXが登場してから8年。H21年に発売された2代目(現行型)は、初代(旧型)の面影を残しながらシャープに見せるプレスラインにより軽快さと高級感を獲得。今回のビッグマイナーチェンジでは、さらに外観の印象を大きく変えてきた。

とはいえ外板パネルには手を着けず、バンパーとライトレンズの変更のみでこの変貌ぶりだ。デザイングループの底力を感じる。またボディカラーも注目だ。新色のダークレッドとブルーは、ボディの陰影を強調させ、キャラクターラインをはっきり浮き出させている。

H15年登場の通称ゼロクラウンからプラットフォームを引き継いだ恩恵は大きく、乗り心地や静粛性は新車価格300万円以下の車(2.5L)としては格別。トランク収納の広さもゴルフバッグ神話をもつ日本人の要求を満たしている。長年使われたプラットフォームはトヨタの最新シャシー哲学とは異なるため、スポット溶接を増やしボディ剛性を向上させたという。

古さを感じさせない良質なプラットフォーム

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内装材やフロントピラー内の制振材を増やし静粛性をアップしている
レギュラー仕様の2.5LV6ユニットは十分成熟されスムーズで申し分ない。長年連れ添ったAT、6速スーパーECTとのマッチングはこれ以上ない領域である。1.5tを超える車重でも必要にして十分なポテンシャルだ。今回、サスペンション周辺の取り付け剛性を向上したことでリアのマルチリンクが良く動くようになった。ストロークもありゆったりと心地よい。

しかし最近のソリッドなモデルから乗り替えると特にリアのボディバイブレーションは否めない。マークXのオプションパーツにはボディ剛性アップ用のパーツが多いことからも、パーツメーカーはウイークポイントを良くわかっているようだ。とはいえ、それは乗り比べなければわからないことで、基本が良質なだけに要求も高くなってしまうのだろう。

SPECIFICATIONS

グレード 250G“Fパッケージ” PREMIUM Four PREMIUM
駆動方式 FR 4WD FR
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4750×1795×1435 4750×1795×1445 4750×1795×1435
ホイールベース(mm) 2850
車両重量(kg) 1510 1570 1550
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 2499 3456
最高出力[kW(ps)rpm] 149(203)/6400 234(318)/6400
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 243(24.8)/4800 380(38.7)/4800
JC08モード燃費(km/L) 11.8 10.6 10.0
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/71 プレミアム/71
車両本体価格(万円) 244.0 315.1 390.0
Tester/松本英雄  Photo/篠原晃一