粘るアシとまろやかな乗り味を実現。荷室はワゴン並み

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コンセプト

車名変更でもポジションはコロナプレミオと同様

トヨタにとっては歴史的存在であるはずのミディアムセダン、コロナプレミオが、ついにコロナという名が冠されない「プレミオ」と新車名「アリオン」に“脱皮”して登場した。

プレミオとアリオンは、デザインの細部以外は同一である兄弟車種で、コロナ/カリーナ時代とボディやポジショニングは変わらず、きちんと「5ナンバーサイズ」をキープしている。

エクステリアも一見すると、これまで通りの3BOXセダンと何ら変わらないが、しかしインテリアには工夫がいっぱい。これまでのセダンが、ユーティリティではバン&ワゴンに及ばなかった事実を受け、車室の後半を“吹き抜け”の格好にもできるような多彩なシートアレンジを可能とする。その多用途性で、セダンの復権を図った。
室内&荷室空間

前後方向余裕の後席空間。荷室はワゴン並みの容量

前席の着座ポイントは地上高で550mmで、カローラやカムリなど、最近のトヨタの3BOXセダンの標準といえる数値だ。後席の着座位置はこれより若干高く設定される。

リクライニングも可能なこの後席に座っての驚きは、前後方向の余裕。膝の前には十分な空間があり、そして見た目にはクーペ風だが、後席の頭上や肩回りの余裕は想像以上といえるもの。

インテリアでの最大のニュースは、リアシート後方のパッケージトレイが外せること。これによって、運転席後方には仕切りのないカーゴ空間が出現する。独立トランクとしても使え、時にはワゴンのようにも“化ける”のがプレミオ/アリオンの特徴。ちなみにアリオンとは「オール・イン・ワン」からの造語であるという。
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ドライブフィール

高速での安心感と低速での快適性を両立

コーナリングで攻め気味に走っても、しっかりと踏ん張ってくれた。しかしそうでありながら、街中などでの低速走行、またちょっと表面が荒れた郊外の舗装路をゆっくりと走るといった状況でも、その乗り味に硬さが混じらない。このアシと乗り味が、プレミオ/アリオンの特徴だろう。こういうアシは、ありそうで実はあまりない。

また、すんなり気持ち良く乗れてしまうので、この“両立”に気づかないことも多いが、高速での安心感と低速での快適性が背反することなく実現されていることは、高く評価したい。エンジンでは、予算に余裕があるなら直噴2000cc+無段変速のCVT仕様が、メカ的な新鮮さも含んで魅力的。だが、1500ccでも十分なトルクがあり、これがバリュー・フォー・マネー!
こんな人にオススメ
買い物をしたときなどに、“あ、ワゴンにしとけばよかったかな!?と”ヒソカに思ったことがあるが、しかしあくまでもセダン派であるという人へ。こういう人は、自分の車がいつでもワゴンである必要はなく、そしてワゴン以外の車が気に入っているはずだから。
SPECIFICATIONS
グレード アリオンA15
駆動方式 FF
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4550×1695×1470
ホイールベース(mm) 2700
車両重量(kg) 1140
乗車定員 5人
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1496
最高出力 80kW(109ps)/6000rpm
最大トルク 141N・m(14.4kg-m)/4200rpm
車両本体価格 159.5万円
写真:芳賀元昌 文:家村浩明