性能より雰囲気で走る、狙い通り?の伊達男的セダン

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コンセプト

若年層ターゲットのスタイル重視セダン

トヨタの悩みはヤングユーザーが少ないこと。それゆえF1に参戦したり、若者向けのアルテッツァなどスポーティカーを発売したりして、若者の気持ちをグッとつかもうと努力している。

ヴェロッサはクレスタ/チェイサーの後継車。この2車はかつては若者ターゲットのセダンだったが、今ではユーザーの平均年齢は40代以上になってしまった。これではいけない、ということで今回、ヴェロッサという新車名をつけて登場させたのだ。一時はクレスタ○○○とかチェイサー××のような車名にしよう、という案もあったが、結局まったく新しいイメージの4ドアセダンを作り上げた。若者ユーザー対象だからスタイル重視で、車両価格はマークIIより安め(コストも)という車だ。
室内&荷室空間

見た目重視でも居住性にぬかりナシ

ボディサイズは全長4705mm、全幅1760mmという3ナンバーサイズ。室内の広さはフロント、リアともに大人4人が快適に過ごせる空間を確保している。フロントシートの着座位置はあまり低くなく、前方視界は良い。リアシートもリアウインドウの位置は後頭部より後ろにあり、日差しはカットされている。FRなので当然中央部は床のトンネルが高く、足は入らない。

リアのアームレストはトランクスルー。しかもトランク内にラゲージユーティリティボックスという箱が置かれ、後部座席のアームレスト部分から物の出し入れができるようになっていた。

インテリアは丸形で立体的な空気吹き出し口やアルミのスリット入りペダルが、イタリアンスポーツを思わせるデザインだ。
  • トヨタ ヴェロッサ インパネ|ニューモデル試乗
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ドライブフィール

ちょっと気になる高速走行時の安定性

ヴェロッサのエンジンバリエーションは2.5Lターボ、2.5LNA、2LNAの3タイプ。ミッションは4/5速AT、5速MTがグレードにより使い分けられている。2WD(FR)と4WDもある。ただし4WDは2L+4速ATのみの設定だ。

最もホットなのは2.5LターボのVR25。4速ATとの組み合わせもマッチしており、0→100km/hは7秒台。スポーツモデルではあるがリアサスの安定性はまだ未完成。とくに高速走行では気になった。これは早急に改良してほしい。ノンターボのV25は5速ATが装着される。この車も高速走行でのコーナリングにピシッとしたところがなかった。最後に2Lモデルも乗ったが0→100km/h加速15秒台は悲しい。エンジン音も全域でうなり音が耳障りだった。
こんな人にオススメ
マークIIをベースにはしているが、完全にスタイル、雰囲気を重視した車だ。イタリア車、イタリアにあこがれている人々には魅力的かもしれないが、車としての完成度はイマイチ。あえてオススメするなら、スタイルやデザインが気に入った人に、という感じだ。
SPECIFICATIONS
グレード VR25
駆動方式 FR
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4705 x 1760 x 1450
ホイールベース(mm) 2780
車両重量(kg) 1490
乗車定員 5人
エンジン種類 直列6気筒DOHC
総排気量(cc) 2491
最高出力 147kW(200ps)/6000rpm
最大トルク 250N・m(25.5kg-m)/3800rpm
車両本体価格 334万円
写真:奥隅圭之 文:石川真禧照