※この記事はカーセンサー関東版48号(2000年12月21日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

ノーマルでもスポーツカー並みの速さと楽しさをさらにプラスした

  • トヨタ アリスト VA300 トムス 走り|ニューモデル試乗
  • トヨタ アリスト VA300 トムス リアスタイル|ニューモデル試乗
↑レーシングチーム「トムス」がチューニングを施し、モデリスタよりリリースされたのがVA300トムス(左)すべてのエアロパーツが控え目のデザインだが、空力性能をきちんと追求している(右)
VA300トムスは、アリストV300ベルテックスバージョンをベースに、モデリスタがトムスと共同開発したコンプリートカーだ。 控え目でありながら機能を求めたエアロパーツや、質の高いインテリアのパーツ類などはさすがトムスであると言えよう。

トムスはこれまでもアリストベースのコンプリートカーを手がけている。今回も、足回りには高精度低フリクションダンパーと強化コイルをアドヴォックスブランド主体として、さらにサスメンバー剛性向上のためブレース類などを装着する。

330馬力のパワーは炸裂するような加速を実現

  • トヨタ アリスト VA300 トムス インパネ|ニューモデル試乗
  • トヨタ アリスト VA300 トムス エンジン|ニューモデル試乗
↑メーターパネルは専用品。インパネとドアのパネルは美しいダーク木目調となる(左)専用コンピュータで燃料噴射量、点火タイミング、ブースト圧を調整する(右)
前回と異なるのは、標準装備の電子制御4WS機構を取り払っていること。
この4WSはスタビリティには寄与するが、タイヤに横力が入った際にフラフラとした動きも生じがち。この動きが大嫌いだったが、おかげでこれが消え失せた。

走りは、18インチタイヤを履きながら穏やかなステアフィールで神経質なところも排除されている。回頭性は素直で狙ったラインに持ち込むのもラクだ。ただし、高速域ではフロント側がうねりなどであおり感が残ってしまい、姿勢の落ち着きはいまひとつ。これだけが意外な点。330psのパワーは炸裂するような加速を提供する。ワインディングでは3000rpm前後でトルクの谷間が顔を出すが、高速道路では注意していないと、とんでもない速度に達していたりする。

ハンドリングはアリストのプラットフォーム本来の資質がもたらす部分でもあるから、これ以上を即座に求めるのは贅沢だろう。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード VA300 トムス
駆動方式 FR
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4805×1800×1410
ホイールベース(mm) 2800
車両重量(kg) 1680
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直6DOHC ツインターボ
総排気量(cc) 2997
最高出力[ps/rpm] 330ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 47.5kg-m/3600rpm
10・15モード燃費(km/L) 8.8
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/75
車両本体価格 550.0万円

斉藤 慎輔の責任採点

コンセプト 4点 取り回し 3点 加速性能 5点 ブレーキ性能 3点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 4点 乗り心地 3点 環境対策 3点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 5点 操縦安定性 4点 燃費 2点
後席居住性 4点 パワー感 5点 高速安定性 4点 ステータス 5点
内装の質感 4点 トルク感 5点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 80/100
(Tester/斉藤 慎輔 Photo/桜井 健雄)