日本. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)は、バージニア・インターナショナル・レースウェイにて8月23日に開催されたUSSCの第8戦オーク・ツリー・グランプリのGTLMクラスにおいて、ニック・タンディ(イギリス)/パトリック・ピレ(フランス)組が、スポーツカーのアイコンである911の第7世代をベースとした470 PSを発生するポルシェ911 RSRで優勝しました。


911 RSRはUSCCのGTLMクラスにおけるマニュファクチュアラー部門で4連勝を飾り、タイトルディフェンダーとしてのリードを広げました。ル・マンで総合優勝に輝いたニック・タンディとUSSCでタンディとチームを組むパトリック・ピレは、ボーマンビルおよびロードアメリカに続く3連勝目を挙げ、ピレがドライバー部門のトップに立ちました。


さらにポルシェ ノースアメリカ・チームのもう1台の911 RSRをドライブするアール・バンバー(ニュージーランド)/イェルク・ベルクマイスター(ドイツ)組が2位に入賞し、ポルシェはシーズン3回目となる1-2フィニッシュを達成し、チーム部門においてもポイントリーダーとなりました。


また、ワトキンスグレン同様、パトリック・ピレ/ニック・タンディがドライブする911 RSRが、最速かつ最も環境的にクリーンで効率的なGTLM車両に授与される「DEKRAグリーン・チャレンジ・アワード」も獲得し、最高の総合効率を誇るGTカーとして認められました。参戦しているすべてのGTカーの中で、ポルシェ911 RSRの排気量は最小となっています。世界中の顧客は、ロードゴーイングバージョンである911 GT3の卓越したパフォーマンス/燃費比を絶賛しています。


ニック・タンディは、ノースカロライナ州との州境に近いバージニア州ののどかな地域にある1周5.263 kmのバージニア・インターナショナル・レースウェイでのレースをポールポジションからスタートしました。イギリス人であるタンディは、ポルシェ モービル1 スーパーカップおよびポルシェ カレラカップ ドイツでレーシングドライバーとしての経験を積み、今年のル・マンでは、これまでのキャリアで最高の成功となる総合優勝を果たしました。また、タンディは、2014年から開催されているチュードル・ユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップにおいて決勝でフロントロー-を3回獲得した最初のGTドライバーとなりました。前日の予選のトップタイムでライバル達にショックを与えたタンディは決勝で素晴らしいスタートを切り、1周目で後続を大きく引き離しました。パトリック・ピレに911 RSRを託す前には、圧倒的なスタート・トゥー・フィニッシュ優勝の基礎を固めました。このコンビが92周でフラッグを受けたときには、後続に27秒以上の差をつけていました。


ポルシェ ノースアメリカが投入したもう1台のカーナンバー912をつけた911 RSRにとって、レース序盤の展開はそれほどスムーズではありませんでした。イェルク・ベルクマイスターは予選では、ポールポジションを獲得したニック・タンディに0.1秒以内のタイムを叩き出し、決勝のスタートではチームメートとともにフロントローに並んだものの、スタート直後にポジションを諦めざるを得なくなりました。ベルクマイスターのチームメートで、もうひとりのル・マン勝者であるアール・バンバーは911 RSRのステアリングを握ると、集団の中でスリリングな追い上げを見せ観衆を沸かせました。ピットストップ後、5位でコースに戻るとバンバーはライバルを1台、また1台と抜き去り、最後には巧みなオーバーテークによって2位のポジションを確保しました。レース終盤の30分間、ライバルによる執拗なプッシュを退け続けたカスタマーチームのファルケンタイヤ911 RSRをドライブしたウォルフ・ヘンツラー(ドイツ)/ブライアン・セラーズ(米国)組は、7位でフィニッシュしました。ワトキンスグレンでは、彼らはポルシェのシーズン最初の勝利を挙げ、ポルシェの圧倒的な連勝への勢いをつけました。今シーズン、オースチンとロードアトランタの2戦を残すのみとなった現在、ポルシェはチュードル・ユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップにおけるGTLMの全部門でリードしています。


GTDクラスでは、カスタマーチームであるシアトル/アレックス・ジョブ・レーシングが投入したポルシェ911 GTアメリカが3位に入賞。これをドライブしたのは、マリオ・ファルンバッハ(ドイツ)/イアン・ジェームス(米国)でした。今シーズン現在まで、このコンビはセブリング戦とデトロイト戦で優勝しています。


レース後のコメント
シュテッフェン・ヘルバルト(チュードル・ユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ・プログラム・マネージャー):「すごい一日でした!これ以上は望めません。この成功の継続に、チームのメンバー全員がそれぞれ貢献しました。昨日の予選1位/2位でも気を抜かず、その夜ピットを後にしたのは最後で、今朝は一番でサーキット入りしました。その努力が報われました。911 RSRのベストセッティングを見つけることができ、これが成功の鍵となったことに間違いありません。すばらしいタイヤを提供してくれたミシュランにも感謝しています」。


パトリック・ピレ(ポルシェ911 RSR #911):「クルー全員に感謝しています。私達の911 RSRは完璧でした。レースは予想したほど楽ではなく、本当に厳しい戦いになりました。ペースを上げる必要がありましたし、ミスはできず、燃料計からも目が離せませんでした。しかしチームがすばらしいサポートをしてくれました。ニックの最初のスティントが見事で、フェラーリを寄せ付けませんでした。これが、私達の成功の基礎となりました。明日からは、次のオースチン戦に集中します。でも、今は勝利を祝います」。


ニック・タンディ(ポルシェ911 RSR #911):「この勝利は、非常に大きな意味があります。どのようなチャンピオンシップでも連勝するのは容易ではありません。しかし、特に嬉しいのは、世界で最も厳しいスポーツカーレースシリーズで、これほどまでに強力なライバル達を退け、これをポルシェとともに達成したことです。ル・マンでの最初の優勝、そしてこのシリーズでの連勝。2015年はレーシングドライバーとしての私にとって、特別な年になりそうです。私はこの成功を愉しんでいますが、まだ十分とは言えません」。


アール・バンバー(ポルシェ911 RSR #912):「最初のスティントは厳しいものとなり、その後、失ったポジションを挽回しなければなりませんでした。クルーの完璧なピットストップが、助けになりました。私は、すぐにできる限りのプレッシャーをかけに行きました。3位を走行中、ポルシェに完璧な1-2優勝をもたらすチャンスはそう頻繁に訪れることがないことはわかっていたので、巡ってきたチャンスを迷わず掴みにいきました」。


イェルク・ベルクマイスター(ポルシェ911 RSR #912):「ポルシェにとって、また記念となる日になりました。これ以上の結果はありません。残念ながら、私はスタートで順位を下げましたが、レースが進むにつれて911 RSRの調子が上がったため、アールが前走車とのギャップを狭めることができました。ポルシェにとって2戦連続の1-2フィニッシュ。これを続けることも可能です」。


チュードル・ユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ第9戦(全10戦)は、9月19日に米国テキサス州オースチンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されます。


レース結果
GTLMクラス
1. ピレ/タンディ(フランス/イギリス)組、ポルシェ911 RSR、92周
2. バンバー/ベルクマイスター(ニュージーランド/ドイツ)組、ポルシェ911 RSR、92周
3. カッファー/フィジケラ(ドイツ/イタリア)組、フェラーリF458イタリア、92周
4. エドワーズ/ルハー(米国/ドイツ)組、BMW Z4 GTE、92周
5. オーバーレン/ヴェルナー(米国/ドイツ)組、BMW Z4 GTE、92周
6. マグナッセン/ガルシア(デンマーク/スペイン)組、シボレーコルベット、92周
7. ヘンツラー/セラーズ(ドイツ/米国)組、ポルシェ911 RSR、91周
8. ギャビン/ミルナー(イギリス/米国)組、シボレーコルベット、91周

GTDクラス
1. スイードラー/ベル(米国/米国)組、フェラーリ458 イタリア、88周
2. ニールセン/ウイットマー(デンマーク/カナダ)組、アストンマーチン、87周
3. ファルンバッハ/ジェームス(ドイツ/米国)組、ポルシェ911 GTアメリカ、87周
4. パルッタラ/マーサル(フィンランド/米国)組、BMW Z4、87周
5. ハッセ/フォン・モルトケ(ドイツ/米国)組、アウディR8 LMS、87周
6. キーン/マクニール(米国/米国)組、ポルシェ911 GTアメリカ、87周