● ファスラー / ロッテラー / トレルイエ組が連続表彰台獲得記録を更新
● アウディはポイントランキングでトップを譲るも、その差はわずか1ポイント
● ディ グラッシ / デュバル / ジャービス組は4位


10月11日 インゴルシュタット / 富士: FIA世界耐久選手権(WEC)第6戦 富士大会で、アウディは、マシンの性能を向上させるという大きな課題を乗り越えました。しかし、レース結果は3位と4位。目まぐるしく変化する天候のもとで行われた決勝レースで、アウディはタイヤ選択とコーションピリオドにまつわる不運に見舞われてしまいました。

予選の結果を受け、2台のAudi R18 e-tron quattroは、6時間で闘われる決勝レースに自信を持って臨みました。レインコンディションでレースが開始されると、ゼッケン7号車を駆るマルセル ファスラーがトップを快走し、最初のピットインまでには後続に15秒以上のリードを生み出しました。ゼッケン8号車のオリバー ジャービスは、幾度も2番手に位置しましたが、フロントウインドーの曇りによる前方視界不良により、コースアウト。しかし、路面が徐々にドライに戻るにつれ、両車にインターミディエイトを装着した選択がタイムに効いてきました。

その後は、手に汗握る、ポルシェとのトップ争いが続きました。レース中盤からアンドレ ロッテラーがスリックタイヤを装着しましたが、天候の変化に翻弄され、スリックタイヤのメリットを充分に活かすことが出来ませんでした。チームはやむなく、わずか数周後にロッテラーを再びピットインさせて、インターミディエイトに履き替えさせました。同時に、ポルシェ勢はフルコースコーションにより、ゼッケン18号車がトップの位置を保ったままで1分間のピットストップが可能となる幸運を得ていました。

最終的に、マルセル ファスラー / アンドレ ロッテラー / ブノワ トレルイエ組は3位表彰台を獲得し、ルーカス ディ グラッシ / ロイック デュバル / オリバー ジャービス組は4位となりました。アウディスポーツ代表のDr. ウォルフガング ウルリッヒは「今回の富士大会で、我々のマシンはこれまでより明らかにパワフルな状態で闘いましたが、それを結果に結びつけることは叶いませんでした。予選でこれまでのギャップを1秒近く短縮しただけでなく、決勝レースではロイック デュバルがファステストラップを記録しています。しかし、タイヤ選択に関しては運に恵まれませんでした」とコメントしています。

年間ポイントランキングで、ファスラー / ロッテラー / トレルイエ組は、シーズン開始から181日間もトップの座をキープしていました。今大会を終え、彼らはトップとわずか1ポイント差の2番手となりました。しかし、FIA世界耐久選手権(WEC)は、あと2大会残っています。アウディスポーツLMPプロジェクトリーダーのクリス レインケも「富士大会では、我々のマシン開発の方向性が正しいことが証明されました。進化したエアロダイナミクスの有効性が、ハッキリと確認出来ました。この進歩を、3週間後の上海大会と、その後に続くバーレーン大会に有効利用することが、今後の最重要課題となります。年間タイトル獲得のチャンスは、まだまだ充分に残っています」とコメントしています。

富士6時間レースの決勝結果

1: ベルンハルト / ハートレー / ウェバー (ポルシェ) 216 laps
2: デュマ / ジャニ / リーブ (ポルシェ) +14.306s
3: ファスラー / ロッテラー / トレルイエ (Audi R18 e-tron quattro) -1 lap
4: ディ グラッシ / デュバル / ジャービス (Audi R18 e-tron quattro) -2 laps
5: ブエミ / デビッドソン / 中嶋 (トヨタ) -2 laps