メルセデス・ベンツ日本がEV第2弾にあたるEQAを発表&発売
カテゴリー: メルセデス・ベンツのニュース
2021/07/02
日本の道路にあったサイズの電気自動車SUV
EQAは、日本の道路環境で使いやすいサイズながら、SUVとしての使い勝手も両立させた電気自動車だ。WLTCモードでの航続距離は422km。
電気モーターは、フロントアクスルに搭載されていて前輪駆動となる。モーターの出力は190ps/370N・m。十分な加速力を持ちながら、エンジン車から乗り替えても違和感のないスムーズな走りが実現されている。
また、モーターの搭載方法を工夫することで振動と騒音が室内に伝わらないように考慮されている。
高電圧のリチウムイオン電池は、前後アクスル間の床下に搭載。容量は66.5kWhだ。6.0kWまでの普通充電と100kWまでの急速充電に対応している。
航続距離を延ばすための回生制御にも工夫が施されており、回生ブレーキは手元のパドルで5段階に切り替えられる。
具体的には、D+(コースティング:空走)からD--(回生ブレーキだけで十分な減速が可能)までの4つのモードと、前走車との距離や勾配に合わせて最適な回生ブレーキが得られるD-Autoを設定。ただし、完全停止するには従来どおり、ブレーキペダルを踏む必要がある。
グレード構成は、EQA250のワングレード(初回限定車除く)で価格は640万円。その他に、メーカーオプションでAMGラインなどが設定されている。
内外装はスタイリッシュかつスポーティなデザイン
デザインは、メルセデス・ベンツの基本思想である「センシュアル・ピュリティ(官能的純粋)」をより先進的に表現する「プログレッシブ・ラグジュアリー」なるコンセプトの下、まとめられている。
前後オーバーハングは短く、クーペのようにスタイリッシュで曲線を多用したデザインが特徴にあげられる。
内装では助手席前方のインパネにバックライト付きトリムが採用されており、夜間には64色から選べるアンビエント照明で色を変えることができる。
床下のバッテリーは、堅牢なフレームで囲われており、このフレームはクロスメンバーの役割も果たす。
また、バッテリー前部に異物の侵入を防ぐバッテリーガードも採用。クラッシュテストではバッテリーと通電部品に対する厳しい要件が適用されて安全性が確認された。
EQ専用のテレマティクスや安心プログラム、先進の運転支援システムを搭載
テレマティクスには、メルセデスEQ専用プログラムを用意。充電ステーション情報、出発時刻に合わせた空調の設定、エナジーフローと電費情報の表示、最大充電電流の設定などが行える。
最長10年まで無償で提供される「安心安全サービス」には、SOSボタンを押すことで消防に連絡が行く24時間緊急通報サービスと、meボタンを押すとサポートセンターにつながる24時間故障通報サービスが含まれる。
3年間無償提供される「快適サービス」には、スマホでウインドウやサンルーフ、ドアロックが開閉できる機能や車両の走行距離、バッテリー残量、駐車位置が確認できる機能、ナビの目的地を遠隔操作できる機能が含まれる。
音声認識機能のインフォテイメント・システム「MBUX」は従来の会話に加えて、「充電ステーションを探して」「8時までに車のクライメートコントロールを設定して」といった電気自動車固有の機能にも対応している。
初めて電気自動車を所有するユーザーの不安を取り除くための安心プログラムも用意されている。具体的には以下のとおりとなる。
・保険料や税金、メンテナンス費用まで含めて月々定額で乗れる「メルセデス・スタイル」を用意。
・購入後5年間または10万kmのいずれか早い方まで、一般保証修理、定期メンテナンス、24時間ツーリングサポートが無償で受けられる「EQケア」を適用。高電圧バッテリーは8年または16万km以内で、診断機によって残容量が70%に満たないと診断された際の保証も付いている。
・EQケア期間中、5回まで無料で好きな車を借りられる「シェアカー・プラス」を用意。
・専用の充電カードで全国約21000基ある提携充電ネットワークで充電が可能。充電利用料と月額基本料は1年間無料。
・6.0kWの普通充電器本体が無償提供される他、設置にかかる費用のうち10万円をサポート。
ステレオカメラと、レーダーセンサーが周囲の状況を検知する安全運転支援システムの詳細は次のとおりだ。
【アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック】
高速道路などで走行時に先行車を認識し、速度に応じて車間距離を制御。減速が必要な場合にはブレーキが自動調整され、先行車が停止した場合には自車も停止。
また、自動再発進機能も備わっていて、停止後30秒以内に先行車が発進した場合には、アクセルペダルを踏まなくても自動で再発進してくれる。停止時間が30秒を超えた場合はアクセルペダルを踏むか、ステアリングスイッチを操作すれば再発進できる。
【アクティブステアリングアシスト】
車線のカーブと先行車を、車線が不明瞭な道ではガードレールなどを認識して、ステアリング操作をアシストしてくれる。
渋滞時緊急ブレーキ機能は、先行車と左右の車線を監視し、渋滞の最後尾が現れたときに前走者との衝突の危険を検知する。左右に回避スペースがない場合は、即座に自動ブレーキが作動、回避スペースがある場合はドライバーの回避操作が優先される。
ただし、ドライバーが反応しない、もしくは回避操作が遅れてしまったときには、自動ブレーキが作動する。
【アクティブレーンチェンジングアシスト】
高速道路走行中にドライバーがウインカーを作動させると、3秒後にセンサーが他の車両などと接触する危険がないことを確認。安全が確認されると、自動で車線変更が行われる。
また、ウインカー操作時に車線変更できない状況でも、10秒以内であればシステムが確認し続け、可能になれば車線変更が始まる。
【アクティブエマージェンシーストップアシスト】
ドライバーが一定時間ステアリング操作を行わないと警告灯&警告音によって操作を促す。それでも反応がない場合には、緩やかに減速して停止する。停止後にはパーキングブレーキが自動的に作動して後突による二次災害を防止。
【アクティブブレーキアシスト】
先行車や前を横切る車両、歩行者、路上の物体などとの衝突の危険性を感知すると、表示や音でドライバーに警告。必要に応じて強い制動力が発揮できるようブレーキ圧が高まる。ドライバーの反応がない場合には、自動緊急ブレーキが作動する。右折時の対向車にも反応する。
【緊急回避補助システム】
歩行者などとの衝突の危険を検知すると、回避できるようドライバーのステアリング操作をアシスト。回避後の車線復帰もサポートされる。
【トラフィックサインアシスト】
一般道や高速道路を走行中、制限速度などの標識を読み取ってディスプレイに表示する機能だ。制限速度を超えた際に、警告音でドライバーに注意を促す機能も含まれている。
【アクティブレーンキーピングアシスト】
前輪が走行車線から逸脱した場合にステアリングが断続的に震えてドライバーに警告。ドライバーの反応がない場合には、自動補正ブレーキで車線内に戻るチカラが生じる。
【アクティブブラインドスポットアシスト】
リアバンパー左右のレーザーセンサーが死角エリアにいる車両や自転車を検知。30km/h以上で走行時に接触する危険があるときには、ブレーキの自動制御によって危険回避をサポート。
【ドライブアウェイアシスト】
前方もしくは後方1m以内に障害物があるにもかかわらず、その方向に進もうとしてアクセルペダルを強く踏んでも、速度は2km/hに抑えられ、警告音がドライバーに誤操作の可能性を知らせる。