トヨタ RAV4(4代目)▲先代が日本では発売されなかったこともあり、カムバック時のインパクトが大きかったRAV4(4代目)。デビューから6年たち、中古車流通量も豊富に

新型登場を機に4代目の中古車状況をチェック!

RAV4はモデルチェンジのたびに、従来のイメージを大きく覆してきた。2025年5月21日、RAV4は国内5代目、グローバル6代目となるモデルをワールドプレミア。今回も先代から大胆にイメージチェンジしたルックス、進化した機能で登場した。

詳細については後ほど詳しく解説するが、タイプ別に大きく異なる外観、2種類のハイブリッドのみとなったパワートレインなどが新型RAV4のポイントだ。発売は2025年度内を予定している。
 

トヨタ RAV4(4代目) ▲こちらが新型RAV4(プロトタイプ)

とはいえ、4代目が魅力を失ったわけではないはず。4代目にあって、新型にはない長所だってある。そこで気になるのは中古車市場の現況だ。この記事では4代目 RAV4の魅力を改めて振り返るとともに、新型との違いや中古車概況をチェック、オススメのモデルを探してみたい。

トヨタ RAV4(4代目) ▲4代目は歴代モデル以上にオフロードテイストが強く、立派な外観に
 

1.モデル概要:アウトドアでも気兼ねなく使える王道SUV

RAV4は現代のコンパクトSUVに通じる流れを、国内で最初に作ったSUVだ。FFベースのパワートレイン、四輪独立サスペンション、オンロードでも使える4WDシステムなど、乗用車ライクなメカニズムを早くから採用してきた。

初代から大ヒットモデルとなり、2代目、3代目もその流れを継承。しかし、グローバルでの4代目はハリアーとのバッティングなどが理由で国内販売が見送られた。そして2019年4月、フルモデルチェンジのタイミングで国内市場に復活。国内では4代目のモデルとなった。

外観は先代の精悍なイメージとは異なる、ラギッドで力強いフォルムに一新。ボディサイズも全長4600~4610mm×全幅1855~1865mm×全高1685~1695mmと、もはやコンパクトとは言えない大きさとなった。

トヨタ RAV4(4代目) ▲インテリアはソフトパッドが多用され、上質かつオシャレな雰囲気

パワーユニットは2L直4ガソリンエンジンと、2.5L直4ガソリンエンジン+モーターのハイブリッドを設定。駆動系については前後に駆動力を配分するアクティブトルクスプリット式としたうえで、後輪トルクを左右独立して制御する「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を採用した(ガソリン車のみ)。当時、SUVでは世界初採用のメカニズムだ。

「プリクラッシュセーフティ」や「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)」、「レーントレーシングアシスト」を含む予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」も全車に標準装備され、安全装備も先進的に。かつてはカジュアルさやコンパクトさが特徴だったRAV4だが、4代目では体格もクオリティもワンランク上のSUVになったと言えるだろう。

トヨタ RAV4(4代目) ▲走行モードを任意に選択できる「ドライブモードセレクト」に加え、4WD車には「マルチテレインセレクト」も装備。走りを楽しめるSUVだ

RAV4(4代目)の主なグレードは以下のとおり。

「X」:17インチホイールなどシンプルな装備内容のグレード。ガソリン車 or ハイブリッド車。4WDの他FFの設定もあり(~2024年11月)
「G」:18インチホイール、本革ステアリングなどを備える中間グレード。ガソリン車 or ハイブリッド車。4WDのみ
「アドベンチャー」:オーバーフェンダー&大型スキッドプレートなどでオフロード仕様の外観としたグレード。ガソリン車 or ハイブリッド車(2021年12月~)。4WDのみ
「Z」(2022年10月~):プラグインハイブリッド車専用の最上級グレード。4WDのみ

デビューからの約6年間で何度かマイナーチェンジされているが、大きなものとしては以下が挙げられる。

2020年6月:プラグインハイブリッド車「RAV4 PHV」追加
2021年12月:「アドベンチャー」グレードをハイブリッド車にも拡大
2022年10月:「Toyota Safety Sense」の機能を拡大
2024年12月:「X」グレードの装備内容を向上するとともに2WD車を廃止。ハイブリッド車に外部給電アタッチメントを標準装備化

なお、プラグインハイブリッド車は当初、「RAV4 PHV」として単独車種扱いされていたが、2022年10月の変更で通常グレードの一部に組み込まれた。

トヨタ RAV4(4代目) ▲開口面積の大きなパノラマムーンルーフは上位グレードへのメーカーオプション
 

2.新型との差異:4代目とは大きく異なるキャラクターに

RAV4(4代目)を狙っている人にとって、2025年度内の発売が予定されている新型との違いは気になるところだろう。

まず、外観に大きな違いがある。新型はクラウンやプリウスなどにも採用された“ハンマーヘッド顔”になっているのが特徴だ。いかにもSUVらしい顔つきの4代目とあまりに異なる印象で、この違いが最も大きいかも。

トヨタ RAV4(4代目) ▲新型はタイプによってバンパーのデザインが大きく異なる

新型は「CORE」「ADVENTURE」「GR SPORT」と3タイプに分けられ、それぞれ外観やキャラクターが大きく異なることも特徴のひとつ。「CORE」はベーシックなタイプだが、ラグジュアリー感のあるデザイン。「ADVENTURE」は4代目同様のオフロードルックだ。新たに「GR SPORT」が設定されたのも話題。詳細は明かされていないが、純正チューンドカーとして期待がもてる。

ボディサイズについては4代目と新型の「CORE」でほとんど同じだが、「ADVENTURE」「GR SPORT」は全幅が1880mmにまで拡大された。これはオーバーフェンダーによるものだろう。

トヨタ RAV4(4代目) ▲こちらは「CORE」の外観。市松格子のようなフロントグリルが印象的だ

ガソリン車が廃止され、ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車のみのラインナップになったのも話題。プラグインハイブリッド車については4代目で非対応だった急速充電・V2Hにも対応した。

まだまだ非公開の部分も多いが、4代目がSUVとしての王道を行っていたのに対して、新型はかなりラグジュアリー寄りになると予想できる。おそらくは価格帯も大きく上がるのでは……。

トヨタ RAV4(4代目) ▲外観、内装とも現在はまだプロトタイプの段階
 

3.中古車状況:流通量は増加するも、価格帯は安定傾向

ここからはRAV4(4代目)の中古車市場が現在どうなっているかを解説していこう。

まずは中古車流通量について。デビューからの経年とともに順調に増え続けており、2023年9月までの延べ掲載台数は3000台未満だったところが、2024年に4000台を突破。それ以降も同様の流通量をキープしている。競合他車に比べても、かなり多い流通量だ。

トヨタ RAV4(4代目) ▲2024年6月~2025年5月までの中古車流通台数推移

続いて中古車価格についてだが、こちらは極端に下がっているわけではない。2024年6月からの1年間はほぼ横ばい~微増という状況で、2025年5月時点での平均支払総額は331万円前後となっている。

トヨタ RAV4(4代目) ▲2024年6月~2025年5月までの中古車平均価格推移

ただ、カーセンサーnetには総額200万円台前半から狙える物件も豊富に掲載されている。年式別分布ではデビューから2023年式までが多く、それ以降は比較的少なめ。パワーユニット別の分布ではガソリン車が7割強と多めとなっており、比較的安い価格帯の物件も充実している状況だ。

また、グレード別分布では「G」と「アドベンチャー」がほぼ同水準で最多、「X」は少なめと、装備が充実しているグレードの物件が多い。ただし、プラグインハイブリッド車の「Z」はごくわずかだ。

トヨタ RAV4(4代目) ▲公道試乗時の様子
 

4.中古車のオススメ①:価格重視ならガソリン車&FFの「2.0 X」で決まり

さて、ここからはニーズ別にオススメの中古車を紹介していこう。まずは価格重視の場合から。前述のようにRAV4(4代目)の中古車市場は比較的低めの価格帯も物件数が充実している。ガソリン車「2.0 X」なら総額200万円台前半から狙うことができ、流通量も多めだ。

トヨタ RAV4(4代目) ▲中古車市場に流通している「X」のほとんどはFFだ

例えば、2020年式・走行距離1.7万kmの「2.0 X」で総額238.8万円。当時の新車価格が265.7万円だったので、約27万円+諸経費分、安く購入できることになる。

「2.0 X」は唯一、FFが設定されていたグレードであり、その分、新車価格も安いのが魅力だった。現在、新車ではFFが廃止されてしまったが、中古車なら手に入る。4WD性能が不要という人にとって有効な選択肢となるだろう。

▼検索条件

トヨタ RAV4(4代目) 2.0 X
 

5.中古車のオススメ②:ハイブリッド車もリーズナブルな価格で狙える

パワーやトルクを重視する人にとって、RAV4(4代目)のハイブリッドは魅力的なチョイス。なにせエンジンだけでもガソリン車より排気量が大きく、モーターを合わせたシステム最高出力は163kW(222ps)にもなる(4WD車)。

中古車市場での割合はガソリン車に比べるとやや少なめだが、RAV4(4代目)は全体の流通量が多いために全く問題ナシ。ハイブリッド車の物件だけで600台以上が検索にヒットする。しかも「X」グレードのFFならガソリン車とあまり変わらない総額200万円台前半から狙え、価格的にもリーズナブルだ。

トヨタ RAV4(4代目) ▲パワフルで低燃費なハイブリッド車も中古車ならリーズナブル

価格の一例を挙げると、2020年式・走行距離3.3万kmの「2.5 ハイブリッド X」で総額229.9万円。ちなみに、「2.5 ハイブリッド X 4WD」では少々価格帯が上がり、総額260万円前後からのスタートとなる。

装備が充実した「2.5 ハイブリッド G」グレードの中古車価格帯は総額270万円~。新車価格が381.8万円(デビュー時)であることを考えると、こちらも十分リーズナブルだろう。

▼検索条件

トヨタ RAV4(4代目)× ハイブリッド車
 

6.中古車のオススメ③:アドベンチャーはガソリン車が充実

「アドベンチャー」は「G」と人気を二分するグレードで、中古車市場での流通量も豊富だ。

もともとガソリン車のみのグレードとしてデビューし、ハイブリッド車が追加されたのは2021年12月からと遅かった。そのためなのか、中古車市場での比率はガソリン車が圧倒的に多い。

トヨタ RAV4(4代目) ▲プラグインハイブリッド車に次ぐ上級グレードで、装備も充実している「アドベンチャー」

価格的にも当然、ガソリン車がリーズナブルだ。例えば、2019年式・走行距離3.2万kmの「アドベンチャー(ガソリン・FF)」では総額255万円となっている。

ちなみに、同グレード・ハイブリッド車の中古車価格帯は総額340万~550万円。新車時におけるガソリン車とハイブリッド車の価格差である約60万円が中古車にも反映されていると考えてよいだろう。

RAV4(4代目)らしく、アウトドアやオフロードで積極的に使いたい人にはぴったりのグレードだ。

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トヨタ RAV4(4代目) アドベンチャー × ガソリン車

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トヨタ RAV4(4代目) アドベンチャー × ハイブリッド車

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トヨタ RAV4(4代目)
文/田端邦彦 写真/トヨタ、尾形和美
記事内の情報は2025年6月18日時点のものです。
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。

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