「オーストラレーシアン・サファリ2014」で『アウトランダーPHEV』が完走
カテゴリー: 三菱のニュース
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2014/09/29
三菱自動車が技術支援するラリーチーム“ミツビシ・ラリーアート・オーストラリア*1”の『アウトランダーPHEV』が、9月19日(金)~27日(土)、オーストラリア西部のパース~カルバリで開催されたクロスカントリーラリー「オーストラレーシアン*2・サファリ2014」に出場し、総走行距離約3,529kmの過酷なコースを57時間49分14秒で完走し、総合19位、クラス優勝を果たしました。『アウトランダーPHEV』は24日(水)の第4レグ、26(金)の第6レグと2度のアクシデントに見舞われて順位を落としましたが、オーストラリアの大自然でツインモーター4WD、車両運動統合制御システム「S-AWC」による走破性の高さを発揮するとともに、プラグインハイブリッドEVシステムが過酷な路面状況・走行状態にも十分耐えることを実証しました。
*1…「ミツビシ・ラリーアート・オーストラリア」は、オーストラリアのプライベートラリーチームです。
*2…「オーストラレーシアン」は、オーストラリア、ニュージーランド、パプア・ニューギニアとその周辺の南太平洋の島々の総称です。
●競技車両概要
『アウトランダーPHEV』の競技車両(A1.6クラス=市販車ハイブリッドクラス)は、ロールゲージの装着や燃料タンクの変更など安全規定に沿った改造と、ラリー専用のサスペンション、タイヤ、ブレーキパッド、アンダーガードなど必要最低限の改造にとどめています。プラグインハイブリッドEVシステム、車両運動統合制御システム「S-AWC」のハード面は市販車同様です。
●競技結果概要
本年4月から豪州で発売されたばかりの『アウトランダーPHEV』は、初日の19日(金)、本ラリー唯一のプラグインハイブリッド車として注目が集まる中、セレモニースタートを切りました。20日(土)のプロローグランを四輪部門26台中15位で終えて好感触をつかむと、翌21日(日)から始まる本格的なステージにおいて、フラットな路面では回生を利用して電気を蓄え、走破性が問われる悪路ではモーターアシストによる力強い走行で高いパフォーマンスを発揮。ハイスピードなセクション、激しい凹凸が続くラフロード、砂漠のような砂地などの様々なコースで、21日(日)のレグ1を総合17位、22日(月)のレグ2を総合16位、23日(火)のレグ3では3度のパンクに見舞われるも遅れを最小限にとどめて総合13位にポジションアップしました。24日(水)のレグ4は、後半のSSを走行中、大きな突起を乗り越える際にステアリングギヤボックスを破損して、翌25日(木)のレグ5の走行を断念。16時間50分のペナルティタイムが加算され、総合17位と順位を落としました。26日(金)のレグ6では前走車を追い越す際にコースアウトし左側前後サスペンションを破損して走行を中断。16時間42分のペナルティが加算され、総合20位と順位を落としましたが、最終日となる27日(土)のレグ7は2番手のタイムで走りきり、総合19位でゴールしました。
●テクニカルディレクター 乙竹嘉彦コメント
「アジアクロスカントリーラリーでプラグインハイブリッドEVシステムの信頼性・耐久性の高さを実証しましたが、様々な環境でデータ収集を行いたかったため、今回オーストラレーシアン・サファリに技術支援を行うことにしました。オーストラレーシアン・サファリは、一日の走行距離も長く、コースもハードなグラベル(未塗装路)が主体で、アジアクロスカントリーラリーでは経験しなかった岩場や深い砂地などがあり、想像していた以上に過酷な道路環境でした。『アウトランダーPHEV』はレグ4(24日)でステアリングギヤボックスを破損、レグ6(26日)では左側前後サスペンションを破損しましたが、戦列に復帰してゴールまで走りきり、完走を果たすことができました。プラグインハイブリッドEVシステムには全くトラブルがなく、信頼性・耐久性の高さを示すことができました。また、ピックアップやクロスカントリー4WDがスタックするような砂地を走破するなど、ツインモーター4WD、車両運動統合制御システム“S-AWC”の実力を十分に発揮できたことにも満足しています。今回のラリーを通じて得られた様々データを、今後の電動車両の開発に役立てていきたいと思います。」