公益財団法人マツダ財団(理事長 金井誠太)は、2014 年度の研究助成を決定しました。

今年度は、全国の大学・研究機関などから、過去最高となる 437 件の応募があり、その中から「科学技術振興関係」として 25 件に助成金額 3,200 万円を、また「青少年健全育成関係」として 5 件に助成金額 400 万円の研究助成を決定しました。合計では、30 件、総額 3,600 万円となり、昨年度よりも400 万円の増額となりました。
また、財団設立 30 周年を記念し、本年度より「マツダ研究助成選考委員奨励賞」(科学技術振興関係)を授与することとしました。これは、科学技術振興関係の助成対象の中から、若手研究者を主たる対象とし、選考委員会が特に優れた研究であるとみなした 4 件の研究に対し、マツダ研究助成選考委員奨励賞を授与し、副賞として研究助成金 50 万円を追加助成するものです。

今年度の研究助成は次の通りです。

1. 科学技術振興関係の研究助成は、科学技術の発展に寄与する優れた 25 件の研究に決定しました。助成金額は 3,200 万円です。マツダ財団では従来から、次世代を担う若手研究者および未来をひらく芽となる萌芽的研究を優先して助成を行っており、今回の 40 歳以下の若手研究者への助成割合は、92%(前年度 72%)となりました。
マツダ財団が重点をおく「循環・省資源に貢献する研究」としては、今後の水素エネルギー利用技術を支える新たな水素分離膜の作製・評価に取り組む「アニオンドープにより Si 員環構造を制御した新規水素分離膜の創製」(広島大学)などが選ばれています。また、今回新設の「マツダ研究助成選考委員奨励賞」では、社会への貢献が大いに期待されるテーマであるとして、医工連携による「マイクロ流体デバイスの新規動作原理と微量血液分析デバイスの研究」(山梨大学)などが選ばれました。
2. 青少年健全育成の研究助成では、助成 5 件、助成金額は 400 万円です。青少年の健全育成にかかわる実践的な研究の中でも特に社会的必要度、要請度の高いと認められる研究を、助成対象としています。
今回は、「小規模グループケアにおける職員の人材育成モデルの構築」(広島国際大学)といった、児童福祉施設等での実践的な貢献が期待される研究や、「対人不安症状に対する複数のヒト型ロボットを用いた集団療法」(福井大学)といった、ロボットを用いて発達障害などの対人コミュニケーション治療プログラム作成に取り組む先進的な研究など、現代の社会的課題を踏まえつつ、様々な状況に置かれた青少年を想定した多様な研究が選ばれています。

なお、2015 年度青少年健全育成のための市民活動支援については、10 月から広島、山口両県で募集を開始します。

マツダ財団は、科学技術の振興と青少年健全育成のための助成などを行うことにより、世界の人々が共に繁栄を享受し、心豊かに生きることのできる社会づくりに寄与することを目的として、1984 年に2発足しました。本年 10 月 26 日で、設立 30 周年を迎えます。これまでの助成実績は今回を含め合計1,866 件、15 億 2,080 万円となりました。
今後一層、公益財団法人としての使命を果たし、社会のお役に立てるよう、マツダ財団はこれからも更なる社会貢献に取り組んでまいります。