・インフィニティ史上最軽量で、パワーと高い燃費効率を実現した新型V6ターボエンジン
・最高出力は、300hpと400hpの2種類
・最新技術によりハンドリングとパフォーマンスを向上
・新開発となる一体型のエキゾーストマニホールドなどにより実現したコンパクトなレイアウト
・2016年よりいわき工場で生産、一部のインフィニティモデルに搭載

▲新型3.0リッターV6ツインターボエンジン ▲新型3.0リッターV6ツインターボエンジン



日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン)は16日、コンパクトで軽量の3.0リッターV6ターボエンジンを新たに開発し、2016年より一部のインフィニティモデルに搭載すると発表しました。本エンジンは、長い歴史を誇るV6パワートレインのDNAを引き継ぎ、運転のしやすさ、効率性、パフォーマンスを理想的なバランスで実現しています。

日産は、最大出力300hpと400hpの2タイプを用意した新型3.0リッターV6ツインターボエンジンを、2016年よりインフィニティモデルに搭載する予定です。2つのエンジンは同じ技術を用い、ドライバーのインプットに瞬時に反応する、力強い運転感覚を提供します。

クラストップの出力と効率性を実現する新技術

新型3.0リッターV6ツインターボエンジンは、燃費の最適化と共に、エンジンサイズに最も適した出力とトルクを生み出しています。

300hpエンジンは最高出力300hp(224kW)/6,400rpm、最大トルク400Nm/1600-5200rpmとなります。さらに高出力の400hpエンジンは最高出力400hp(298kW)/6,400rpm、最大トルク475Nm/1600-5200rpmとなり、高負荷の際、効果的に熱管理を行うためのインタークーラー用ポンプを2つ搭載しています。同エンジンの燃費は、従来のエンジンから6.7%向上し、400hpエンジンでトップクラスの燃費を達成しました。同エンジンで採用した主な新技術は以下の通りです。

● アドバンスタイミングコントロール: スロットルのスピードを向上させた新型モーターをバルブタイミングシステムに組み込み、レスポンスを向上
● 新型ツインターボシステム: タービンブレードのデザインを最適化するとともに、新型のタービンスピードセンサー、インタークーラーシステム、電動アクチュエーターを採用し、パフォーマンス、レスポンス、燃費を向上

軽量化と効率性の向上

新型エンジンのコア構造の重量は194.8kgで、従来エンジンより14.1kg軽量化しています。新しいターボチャージャーと先進的なインタークーラー(CAC)システム採用による加重は僅か25.8kgで、エンジン全体の重量は220.6kgとなります。また、新型エンジンは、従来のV6エンジンと比較し、エンジン排気量が19%(約0.7リッター)減少しています。

軽量化に最も貢献したのは、エンジンブロックへのミラーボアコーティングの採用とシリンダーヘッド一体型エキゾーストマニホールドです。これにより、エンジンの軽量化だけではなく、熱がアルミ合金ボアウォールを通じてより効果的に分散されるため冷却性能が向上しました。

新型V6エンジンに様々な新技術を採用したことで、本エンジン搭載車はより魅力的な走りを実現します。そのひとつが、スロットルの位置やエンジンスピードに応じ、燃料をより正確に燃焼室に噴きつける新型直噴ガソリン(DIG)燃料システムです。このシステムにより、新型エンジンはインフィニティに搭載するV6エンジンの中で、最もクリーンで効率的なエンジンとなります。また、最新型のバルブタイミングコントロールは、燃焼室における空気量をより正確に調整するとともに、新しい低摩擦のミラーボアコーティング技術は、従来のV6エンジンと比較し機械的な摩擦を40%軽減して、より滑らかなピストンの動きを実現します。

新型3.0リッターV6ツインターボエンジンの最も重要な特徴のひとつが、新しい一体型エキゾーストマニホールドの採用です。シリンダーヘッドと一体化することで、触媒コンバーターをエキゾーストポイントにより近い位置に置くことができます。これにより、高温の排気の通り道が短くなり、触媒コンバーターを従来型V6エンジンよりも2倍速く加熱することができ、エンジン始動から発生する排気も減少させます。

新しいアルミエンジンブロックは、シリンダーボアとストロークが同じ長さ(86.0 x 86.0mm)のスクエア型エンジンとして組み立てられています。その結果、低い機械摩擦と素早い始動を同時に実現しています。

新型V6エンジンの生産開始は2016年

新型3.0リッターツインターボV6エンジンは、2016年にいわき工場で生産開始予定です。