日産 エクストレイル ▲2000年に登場し、道具感を押し出した「タフギア」として人気を博したエクストレイル(初代)

使い倒せるタフギア、エクストレイルは初代と2代目の人気が再燃中!

ガンガン使い倒せる道具「タフギア」というコンセプトで、2000年に初代モデルがデビューした日産のクロスオーバーSUV、エクストレイル。

パジェロのようなラダーフレームを使用した本格的なSUVではないものの、大径タイヤと高い最低地上高、電子制御4WDシステムの「オールモード4X4」を搭載(2WDモデルもあり)。

日常生活では十分な走破性と使い勝手の良さから、10年連続SUV形乗用車販売台数トップの座を守り続けるほどの人気車種です。
 

日産 エクストレイル ▲乗用車ベースではあるものの、大径タイヤや高い最低地上高で走破性も高いエクストレイル(初代)

そんなエクストレイル、初代と2代目モデルはクロカン車を思わせる角ばったデザインが特徴的だったのですが、3代目モデルはシティ派SUVのデュアリスや高級SUVのムラーノのポジションも一括して担うことになり、スタイリッシュなデザインへと変更。無骨な道具感が薄れてしまいました。
 

日産 エクストレイル ▲初代のテイストを引継ぎながらも、より現代的なルックスとなった2代目エクストレイル

最近では、他メーカーの車種もクーペ風SUVが増えてきて、逆に無骨で角ばったデザインの初代・2代目エクストレイルに注目が集まっているのか、どちらのモデルもジワジワと中古車の平均価格が上昇中となっているのです。下のグラフをご覧ください。
 

日産 エクストレイル
日産 エクストレイル

価格上昇の一因として、最近流行りのアースカラーに全塗装を施し、リフトアップやオフロードタイヤを装着したコンプリートカーが多く販売されていることが挙げられます。

実際に掲載されている物件を見ると、カスタマイズ済みのものは100万円を超えるものが多くなっています。

ベース車を購入してから仕上げるより、トータルで見れば安価ですが、好みではないカスタマイズ部分があるとその部分の手直しに費用が必要となるため、見極めが必要です。

一方、オリジナル状態のものは100万円以下の物件という状況です。

カスタマイズ済み、オリジナル、どちらを選ぶかは検討が必要です。 しかし、初代モデルは気づけば登場から20年以上が経過して、状態の良い物件が減りつつあるというのもまた事実。

そのため、角ばったデザインのエクストレイルを狙うのであれば、一刻も早く行動に移すのが吉。では、まずは初代と、2代目エクストレイルがどんなモデルだったのか、簡単に振り返ってみましょう。
 

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初代・2代目エクストレイルってどんな車?

■初代エクストレイル

2000年11月に販売がスタートした初代は、撥水加工シートやウォッシャブルラゲージボードなど、汚れることを前提とした作りで、道具感を強調したモデルとして登場しました。
 

日産 エクストレイル ▲撥水シートや汚れても洗うことができるウォッシャブルラゲージボードなど、道具としての機能を重視した内装をもつ

カスタマイズモデルとしては、オーテックジャパンから2001年にセレナなどでも人気を博した「ライダー」と、2002年には上質な専用内外装をもった「アクシス」が追加されています。


日産 エクストレイル ▲オーテックジャパンからはドレスアップモデルの「ライダー(写真)」や「アクシス」もリリースされた

その後、2003年にマイナーチェンジを実施。エクステリアを中心とした変更で後期型となり、2007年7月に生産を終了。2代目へとフルモデルチェンジがなされました。

初代に搭載されるエンジンは直列4気筒の2Lで、4速ATと一部グレードに5速MTを設定。駆動方式は前輪駆動の他、電子制御4WDシステムのオールモード4X4を搭載した仕様もラインナップしていました。
 

日産 エクストレイル ▲キープコンセプトながら、大型化したボディはクロスオーバーSUVらしさが強まった
■2代目エクストレイル

2代目は2007年8月に登場。初代モデルのデザインテイストを引き継いだエクステリアですが、ボディサイズはわずかに大型化。エンジンも新たにラインナップされました。

先代に設定されていたガソリンターボエンジンは消滅し、トランスミッションはATからCVTへ。一部グレードに用意されたMTは5速から6速へと多段化されるなど、初代との違いが見受けられます。

カスタマイズモデルとしては、先代に設定されていたライダーは消滅し、アクシスのみ当初から設定されています。

先代でも、上質な仕様となっていたアクシスでしたが、2代目ではよりオンロード寄りのモデルに。オンロードでの走りの質を向上させた「アクシス パフォーマンススペック」を設定しています。


日産 エクストレイル ▲専用ボディカラーを用意し、よりオンロードテイストが強められた2代目エクストレイル アクシス

専用のオンロードタイヤやサスペンション、ボディ補強に専用マフラーなどを装着。オンロードでのフラットな走り味を追求したものとなっていました。

しかし、2010年7月のマイナーチェンジのタイミングでアクシスは廃止に。新たにクロスオーバーSUVテイストをさらに強調した「エクストリーマーX」が登場。

このモデルは専用のフロントオーバーライダーやアンダーカバー、大型フォグランプといったエクステリアアイテムをプラスしたものとなります。


日産 エクストレイル ▲アクシスの代わりに追加された「エクストリーマーX」は一転してオフロードテイストを強めた仕上がりとなっていた

その後、2013年12月にガソリンモデルは3代目へとフルモデルチェンジしましたが、クリーンディーゼルモデルのみは継続し、2代目を販売。

ディーゼルモデルのみ2015年2月まで販売されていたため、高年式の2代目を狙うのであればクリーンディーゼルモデルがオススメと言えそうです。

さて、モデルのおさらいができたところで、ここからは実際の流通状況をもとに、オススメの物件をご紹介します。

日産 エクストレイル ▲カスタマイズ済モデルはカスタマイズ部分だけでなく、メカニズム面もしっかりメンテナンスされているかチェックしたい

安くて状態のいい初代を手に入れて、自分でカスタマイズしたい!
支払い総額100万円以下×走行距離10万km以下×Xグレード

初代は、年式が古いこともあり、物件数が全体として豊富というわけではありません。ですが、カクカクしたタフギアなモデルを乗りつぶしたい人にはうってつけというのも事実。とはいえ、年数が経過したMT車を動かす自信はない……なんて不安を抱えている人もいらっしゃるのでは?

そこでオススメしたいのは、タフギアな見た目を堪能できるのに、ミッションはATのみという「X」グレード。

条件に走行距離は10万km以下、総額100万円以下に設定したことにより、「安くて状態のいいもの」が見つけやすくなります。

また、初期費用をなるべく抑えることで、その後の自分好みのカスタムに費用をかけてじっくり楽しむというのも大いにアリと言えそうです。
 

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日産 エクストレイル(初代) ×支払い総額100万円以下 ×走行距離10万km以下 ×Xグレード ×全国

長く使える2代目で、長距離ドライブも安全に!
支払い総額200万円以下×走行距離8万km以下×ディーゼルターボ搭載

一方の2代目モデルは、高年式ということもあって一気に掲載台数が増えています。とはいえ、ピーク時に比べると減少気味なのは間違いありません。

こちらも初代と同じテイストでカスタマイズがなされたものも存在しており、高価格帯のものは年式の高いカスタマイズモデルが中心です。

ここでオススメしたいのは、唯一のディーゼルモデル「20GT」。人気グレードのため、低走行かつカスタマイズされているものも見受けられますが、そうなると支払い総額が300万円近くになるものも。

ここは、オリジナルの状態も見つかる支払い総額200万円以下で探してみることをオススメします。と言いつつ、やはり長く乗って楽しみたいので、走行距離は8万km以下に設定し、多走行車は避けた方が良いでしょう。

日産 エクストレイル ▲ガンガン使い倒せるエクストレイルだけに、内装にダメージがある物件も多いので注意したいところ

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日産 エクストレイル(2代目) × 支払い総額200万円以下 ×走行距離8万km以下 ×20GT ×全国

こういった安価な物件をベースにガシガシ乗りまくり、自分の気に入ったカスタマイズを施していく、というのもエクストレイルには似合う乗り方かもしれません。

ぜひ、検討してみてくださいね。

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※記事内の情報は2022年2月17日時点のものです。
 

文/小鮒康一、写真/日産
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。