三菱 アイ▲パッと見走りが楽しい? と思われがちなアイですが、実は高いポテンシャルを隠しもつモデルなんです。しかも今ならお値打ち価格で狙えちゃいます!

MRレイアウトはスポーツカーだけにあらず! 三菱 アイに注目!!

世間では、ホンダ S660の生産が2022年3月で終了するということで、再び注目が集まっているようです。確かに、実用性を重視する軽自動車の中にあって、オープン2シーターかつミッドシップレイアウトを実現しているというのは、かなり贅沢な作りです。

もしかしたら、今後似たような軽自動車は登場しないかもしれません。

しかしながら現実問題として考えると、2シーターで荷室スペースもほぼ皆無といった本格的なスポーツカーをファーストカーとするのは、なかなかハードルが高いもの。

ただ、そこで諦めてしまうのはまだ早いのです。実は、4人がしっかり乗れるスペースを確保しながらも、ミッドシップレイアウトを実現した軽自動車が存在していました。それこそが、2006年に三菱がリリースしたi(アイ)なのです!
 

三菱 アイ▲丸くてかわいいアイですが、軽快な走りが可能なモデルなんです

三菱 アイはミッドシップレイアウト+ターボエンジンで軽快な走りが可能

アイは、登場から15年が経過した今見ても近未来的な雰囲気が特徴の5ドアハッチバックの軽自動車。リアにエンジンを搭載したミッドシップレイアウトのため、前後のタイヤをギリギリまで端にレイアウトしたモデルです。

ミッドシップレイアウトと聞くと、フロントシート後方にエンジンが搭載されるイメージかもしれませんが、アイの場合はリアの車軸のやや前側にエンジンを搭載しており、ほとんどリアエンジン(RR)と言ってもいいほど後方にレイアウトされていました。

その結果、三菱のコンパクトカーであるコルトを凌ぐロングホイールベースを実現。軽自動車ながら圧倒的に広い前後長となり、リアシートも大人がしっかり座れるスペースを実現していたというワケなのです。
 

三菱 アイ▲エンジンはこのように荷室下にレイアウトされ、RRと言っても過言ではありません
三菱 アイ▲エンジンはこのようにシリンダーが寝ている形状のため、室内空間の圧迫を最小限にとどめています
三菱 アイ▲リアシートは座面や足元スペースもゆったりした作りです

さすがにトランクスペースは、真下にエンジンが鎮座しているため上下方向への余裕こそありませんが、リアシートを倒すことでほぼフラットな荷室スペースが生まれるため、日常使いでそこまで不便を感じることもなさそうです。
 

三菱 アイ▲5:5分割のリアシートを倒せばちょっとした長物の収納も可能

そして、なんといってもアイの美点はそのハンドリング。リアよりの前後重量配分により、駆動輪となる後輪への荷重がかかりやすく、コーナリング時も軽快感を楽しむことができます。

搭載されるエンジンは、軽自動車ということで、直列3気筒DOHC 660ccの3B20型となっています。デビュー当初はターボエンジンのみのラインナップでしたが、2006年10月にはNAエンジンも追加。

ただ、900kg台と軽自動車としては重たい部類に入るので、軽快な走りが楽しめるターボモデルをオススメします。

一部のユーザーは、MR+ターボエンジンという魅力に気づいていたようで、実際にサーキットでそのポテンシャルを発揮させている人たちまでいるほどです。

また、ミッドシップレイアウトながら、オンデマンド方式のフルタイム4WD仕様も用意されているというのも、4WDを得意とする三菱らしい点。路面や走行状況に応じて後輪から前輪に駆動力を最適配分タイプなので、ハンドリングの楽しさを損なわないのも美点と言えるでしょう。
 

ターボモデルはアイ全体の1/3、ボリュームゾーンは総額30万~50万円

軽自動車としては、ややプレミアムなキャラクターも相まって、爆発的なヒット車種とまではいかなかったモデルでした。それでも執筆時点での掲載台数は、567台とまだまだ多くの候補の中から選ぶことができるようになっています。

その中で、オススメしたいターボモデルに絞ると187台とおよそ1/3となってしまいますが、5万km未満の個体もそれなりに見つけることができるため、予算に合わせた車両チョイスが可能です。

支払総額が高いものでは70万~80万円台のものもありますが、これらは最終型(2013年式)に近い高年式車かつ低走行のものが中心で、ボリュームゾーンは総額30万~50万円台といったところ。逆に安いものでは総額10万円台から見つけることができてしまいます。

実際にお店に見に行く際は、フロントタイヤの状態をチェックしておきましょう。なぜかというと、フロント145幅、リア175幅という異径サイズが影響しているせいか、フロントタイヤの摩耗がやや早いのです。そのため、残量をチェックしておけば購入後の出費を抑えられます。

そして、グレードによっての装備差が見た目はもちろん、機能面でもそこまで大きくないという点も特徴のひとつ。それだけに、上級グレードにこだわるよりも全体的な状態と価格のバランスでチョイスした方が、長く付き合える個体に出会える率が上がります。

「実用性と同じくらい走りも重要だったんだよね!」なんて方にはピッタリのターボモデルのアイ。ぜひご検討ください!
 

▼検索条件

三菱 アイ(初代・ターボモデル)×全国

▼検索条件

三菱 アイ(初代)×全国
文/小鮒康一、写真/カーセンサー、三菱
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。