マツダアテンザワゴン ▲ヨーロッパのスポーツセダンに対抗する、優れたハンドリングが特徴のアテンザ。初代がデビューした2002年には、23カ国で賞を受賞するなど、世界で認められたモデルだ
 

マツダ アテンザ/アテンザスポーツ/MAZDA6セダンの中古車は今

BMW 3シリーズや、アウディ A4などに対抗できるスポーティセダンとして開発されたアテンザ。2002年に登場し、3代目の途中となる2019年7月から名称が「MAZDA6セダン」に変更され、現在も販売されている。

また、初代と2代目には5ドアハッチバックの「アテンザスポーツ」という兄弟モデルもあった。

現在、各モデルの中古車流通台数・平均価格は、下記のような状況だ。

アテンザ(初代)│約15台・約100万円
アテンザスポーツ(初代)│約20台・約50万円

アテンザ(2代目)│約30台・約40万円
アテンザスポーツ(2代目)│約20台・約60万円

アテンザ(3代目)│約300台・約140万円
MAZDA6セダン(現行型)│約70台・約320万円

台数が多くて選びやすいのは、3代目のアテンザだ。セダンの2代目はアテンザスポーツよりお手頃で手に入れやすい。逆に、初代はセダンに高額車が多く、アテンザスポーツの方がお手頃になっている。

ここからはアテンザ・アテンザスポーツ(初代)、アテンザ・アテンザスポーツ(2代目)、アテンザ(3代目)・MAZDA6セダン(現行型)の3つに分け、それぞれの特徴や中古車相場について紹介する。

 

アテンザ・アテンザスポーツ(初代)の特徴と中古車相場

■アテンザ(初代)DATA
生産期間:2002年5月~2007年12月
中古車流通量:約15台
中古車価格帯:10万~170万円

■アテンザスポーツ(初代)DATA
生産期間:2002年5月~2007年12月
中古車流通量:約20台
中古車価格帯:10万~100万円

アテンザ(初代) ▲セダンタイプのアテンザのラゲージ容量は500L。ラゲージ内に後席背もたれを倒すレバーがある
アテンザスポーツ(初代) ▲アテンザスポーツのラゲージ容量は492Lと数値ではセダンに及ばないが、開口部が広いので荷物を積み降ろしが容易だ。こちらにもラゲージ内に後席背もたれを倒すレバーがあり、セダンとは異なり座面も下へ沈み込むので、フラットなラゲージを作れる

■アテンザ・アテンザスポーツ(初代)の特徴
世界に通用するセダンとして開発された、初代アテンザ。優れたハンドリングや、長距離移動も苦にならない乗り心地が目指された。

ボディバリエーションには4ドアのアテンザと、5ドアハッチバックのアテンザスポーツの他に、ステーションワゴン(アテンザスポーツワゴン)もある。

セダンと、5ドアハッチバックのアテンザスポーツに用意されたエンジンは、当初2Lと2.3Lの2種類。組み合わされるトランスミッションは4速ATで、2.3L車にはマニュアル車感覚でシフトを変えられる機能が備えられた。

アテンザスポーツ(初代) ▲シンプルかつスポーティな雰囲気でまとめられたアテンザスポーツの内装。アテンザも同様のつくり

2002年9月には、アテンザスポーツに2.3Lの5速MT車が、2003年7月には専用チューンされた足回りを備えるトップグレード「23Z」が追加された。

さらに、2005年6月のマイナーチェンジで、セダンは全車5速ATに、アテンザスポーツは5速ATと6速MTに切り替えられている。

一方、セダンタイプのアテンザには、2005年8月に2.3Lターボエンジン(最高出力272ps/最大トルク380N・m)を搭載し、4WD車となる走りのスペシャルモデル「マツダスピード」が追加された。

アテンザ(初代) ▲「マツダスピード」はオプションで本革シートやBOSEサウンドシステムも用意されていた

■アテンザ・アテンザスポーツ(初代)の中古車相場
セダンタイプのアテンザで流通しているのは、大半が人気のスポーツグレード「マツダスピード」となっている。こちらはいまだに根強いファンも多いことから、総額120万~150万円の高価格帯に物件が集中している。

約15年前のモデルになるが、走行距離10万km未満の物件がほとんどだ。もちろん、走行距離だけで判断できないが、コンディションに期待できる今のうちにチェックしておきたい。

「マツダスピード」以外のグレードもわずかにあり、総額50万円で狙うことができる。いずれも2L車で、年式の割には走行距離が約2万~6万kmと少ない。コンパクトなサイズで、このスタイルが気に入っているという人は、あえて2Lのセダンを狙いでもいいだろう。

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一方のアテンザスポーツは、MT車の価格は高いが、それでもほとんどが総額100万円以内で購入可能になっている。

AT車は2.3Lのみで約10台が見つかり、こちらは予算50万円あれば、選択肢を確保できる状況だ。荷物を載せやすいハッチバックでロングドライブに出かけたい人には、2.3LのAT車が手頃でオススメだ。

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アテンザ・アテンザスポーツ(2代目)の特徴と中古車相場

■アテンザ(2代目)DATA
生産期間:2008年1月~2012年10月
中古車流通量:約30台
中古車価格帯:20万~70万円

■アテンザスポーツ(2代目)DATA
生産期間:2008年1月~2012年10月
中古車流通量:約20台
中古車価格帯:30万~110万円

マツダ アテンザ(2代目) ▲セダンのラゲージ容量は通常で519L。上級グレードには本革シートが標準装備された。標準装備のオーディオでもAUX外部入力端子が備わるので、対応ケーブルを購入すれば今でもスマートフォンの音楽を聴くこともできる。HDDナビならBluetooth対応となる
マツダ アテンザスポーツ(2代目) ▲アテンザスポーツのラゲージ容量は通常で510L。初代同様、ラゲージ内のレバーを引くと、後席背もたれが倒れるとともに座面も沈み込み、フラットなラゲージスペースを拡大できる機能を備えていた(2WD車のみ)

■アテンザ・アテンザスポーツ(2代目)の特徴
2代目に搭載されたエンジンは、従来の2Lと新開発の2.5Lの2種類。初代の2.3Lはハイオク仕様だったが、この2.5Lはレギュラーガソリン仕様なのがうれしい。

トランスミッションは、セダンタイプのアテンザが5速または6速ATのみで、5ドアハッチバックのアテンザスポーツには6速MT(「25Z」に設定)も用意された。2.5L車には走行状況や路面状況に応じて、前後輪の駆動力配分を自動で最適化してくれる4WD車も設定されている。

マツダ アテンザスポーツ(2代目) ▲アテンザのインパネ。2代目となり、内装の質感も向上

2010年1月のマイナーチェンジでは、2Lエンジンが低燃費と走行性能向上を両立させる新エンジンに切り替えられた。

また、走行性能を高めるため、ステアリングやサスペンションなどの改良が行われている。

マツダ アテンザスポーツ(2代目) ▲シックな雰囲気の「25Z」のインパネ

■アテンザ・アテンザスポーツ(2代目)の中古車相場
セダンタイプのアテンザは、大半が2L車という状況だ。

ほとんどが初代の2L車セダン同様、総額50万円で狙え、かつ約半数が走行距離5万km以下の物件となっている。コンディション重視で手頃なセダンを探している人には、初代よりこの2代目がオススメだ。

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一方、ハッチバックのアテンザスポーツは、走行距離5万~10万kmに多くの物件が集中しており、セダンと比べて多走行車が多い。また、セダンタイプのアクセラとは逆に2.5L車が大半を占める。

注目は、セダンには1台も流通していなかったMT車だ。数は少ないが、2.5Lという大きな排気量のエンジンをMTで楽しめるなんて、今となっては希少なモデルと言えよう。流通している今こそ、狙い目かもしれない。予算目安は80万円プラスαとなっている。

一方のAT車なら、総額100万円以内で狙える。初代同様、荷物をたっぷり載せてロングドライブを楽しみたいなら、アテンザスポーツの2.5L AT車は最適なモデルだ。

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マツダ アテンザ(3代目)・MAZDA6セダン(現行型)の特徴と中古車相場

■アテンザ(3代目)・MAZDA6セダン(現行型)DATA
生産期間:2012年11月~
中古車流通量:アテンザ約300台・MAZDA6セダン約60台
中古車価格帯:60万~390万円

マツダ アテンザ(3代目) ▲全長4860mm×全幅1840mm×全長1450mmと、欧州のライバル車を意識して特に全幅が拡大された。その分、室内空間にゆとりがある。ラゲージ容量は483L

■アテンザ(3代目)・MAZDA6セダン(現行型)の特徴
現在のすべてのマツダ車(軽自動車を除く)に投入されている、新世代技術「スカイアクティブテクノロジー」を採用したアテンザ。この世代からセダンとワゴンのみとなった。

同社のフラッグシップとしての新機能や快適機能が注ぎ込まれ、衝突被害軽減ブレーキを含む先進安全技術「アイ・アクティブセンス」も用意されている。なお、2013年11月には衝突被害軽減ブレーキは全車に標準装備となった。

マツダ アテンザ(3代目) ▲ダッシュボードをはじめ、質感の向上がインテリアの開発テーマのひとつ。ステアリングに使用されている革も厳選されている。AT車はパドルシフトを装備

用意されたエンジンはいずれも新世代となる2Lガソリンと2.5Lガソリン、2.2Lクリーンディーゼルのターボエンジン。

トランスミッションは6速ATの他、ディーゼル車には6速MTも用意された。デビュー時は2WDのみのラインナップだった。

マツダ アテンザ(3代目) ▲JC08モード燃費は2Lガソリンが17.4km/L、2.5Lガソリンが15.6km/L、2.2Lディーゼルターボが6速ATで20.0km/L、6速MTで22.4km/L

2014年11月にマイナーチェンジが行われ、「アイ・アクティブセンス」にハイ/ロービーム自動切替や車線維持機能、アダプティブクルーズコントロール機能が追加された。ただし、グレードにより「アイ・アクティブセンス」に備わる機能が若干異なるので購入時に確認が必要だ。

同時に新世代4WDシステムを搭載した4WD車が追加され、クリーンディーゼル車のグレードが拡充された。

2016年8月にはコーナリング時の姿勢をスムーズな加速と安定感を生む「G-ベクタリングコントロール」技術が全車に採用された他、クリーンディーゼルエンジンの音を低減された。「アイ・アクティブセンス」の作動速度域も拡大している。

2018年6月には再びマイナーチェンジが行われ、サスペンション構造が一新され、3種類のエンジンもすべてが改良されて燃費が向上している。アダプティブクルーズは停車状態からでも追従走行が可能になった。

2019年7月に、アテンザの海外名「MAZDA6」が日本市場でも採用されることになり、セダンは「MAZDA6セダン」と名称が変わった。同時に2.5Lガソリンターボ(2WD・6速AT)が追加された。

最近のマツダ車は度々改良が施されるので、年式による機能の違いは事前に確認しておいた方がいいだろう。

■アテンザ(3代目)・MAZDA6セダン(現行型)の中古車相場
アテンザの約8割がディーゼル車、また約6割が走行距離5万km未満。ガソリン車とディーゼル車とで価格は大差がないので、ロングドライブをしたい人はトルクが大きくて長距離の運転が楽なディーゼル車を中心に探してみよう。

また、本革シートの物件が約4割と、初代・2代目と比べて上質なインテリアを備えた中古車が多いのが特徴だ。特に本革シートで、先行車に追従して加減速してくれる「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」や前席電動パワーシートなどを備えた装備充実のグレード「Lパッケージ」は狙い目。2.5Lガソリン車と2.2Lディーゼル車に設定されていて、ガソリン車・ディーゼル車どちらも走行距離5万km未満で総額約130万円程度から狙うことができる。

総額200万円程度まで予算を組めるなら、コーナリングがスムーズになるG-ベクタリングコントロールが備わる、2016年8月のマイナーチェンジ以降のモデルがオススメだ。

一方、MAZDA6セダンの場合、ディーゼル車は約6割。新車時の車両本体価格が300万円超の「XDプロアクティブ」で、走行距離1万km未満でも総額300万円程度から見つかるので、新車並みのコンディションを求める人にはお得感が高い選択と言えるだろう。

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※記事内の情報は2021年6月2①日時点のものです。
 

文/ぴえいる 写真/マツダ
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。