トヨタ プリウス狙いの人は要チェック! 年式で異なる先進安全装備のまとめ
2020/08/25
世界で初めてハイブリッドシステムを搭載したトヨタの看板モデル
1997年、「21世紀に間にあいました。」という名コピーで登場したトヨタ プリウス。世界初の量産ハイブリッドカーは、トヨタの看板モデルとしてモデルチェンジのたびに進化を遂げてきた。
2003年登場の2代目はセダンタイプからトライアングルシルエットと呼ばれるおにぎり型になり、ハイブリッドシステムもTHS(トヨタハイブリッドシステム)からTHS IIへと進化。燃費は10・15モードで35.5km/Lを実現した(1.5S)。
2009年には3代目へと進化し、最新モデルは2015年にデビューした4代目になる。
トヨタの車づくりの思想であるTNGAを最初に取り入れた4代目・現行型プリウスは、先進安全装備も多く搭載。どのタイミングでどんな先進安全装備が搭載されたか、中古車の状況とともに時系列で見ていこう。
先進安全装備パッケージ「Toyota Safety Sense P」を設定
2015年12月~2018年11月生産モデル
トヨタは先進安全技術をパッケージ化し、2015年にマイナーチェンジしたカローラシリーズから順次搭載していった。
プリウスに初搭載したのは、2015年9月にアメリカのラスベガスで初公開され、同年12月から日本での販売がスタートした現行型となる4代目から。
トヨタの先進安全技術パッケージはベーシックな「Toyota Safety Sense C」と、上級モデル向けの「Toyota Safety Sense P」が用意された。
Toyota Safety Sense Cがレーザーレーダーとカメラを使うシステムなのに対し、プリウスに搭載されたToyota Safety Sense Pはミリ波レーダーと単眼カメラを使用。
大きな違いは、プリクラッシュセーフティシステム(衝突被害軽減ブレーキ/自動ブレーキ)が昼間の歩行者にも対応していることだ。
Toyota Safety Sense Pの主な機能は以下のとおりとなる。
■プリクラッシュセーフティ(ミリ波レーダー+単眼カメラ)
ミリ波レーダーと単眼カメラで先行車や昼間の歩行者を検知。衝突の危険があると判断すると、ブザーとディスプレイ表示でドライバーに警告。さらにドライバーがブレーキを踏むと、強力なブレーキアシストを作動させる。警告後もドライバーがブレーキを踏まなかった場合、自動ブレーキをかけて衝突回避を支援する。
■レーンデパーチャーアラート(ステアリング制御付き)
カメラが走行車線の白線や黄線を認識し、車線を逸脱する危険があると判断すると、ドライバーにブザーとディスプレイ表示で警告を出し、車線逸脱による衝突事故の回避を支援する。
■オートマチックハイビーム
カメラが対向車のヘッドランプや先行車のテールランプを検知してハイビームとロービームを自動で切り替え。周囲の車両に迷惑をかけないようにしつつ、夜間の前方視界確保を支援する。
■レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)
ミリ波レーダーを使い、先行車の加速や減速に合わせて車間距離を保ちながら追従走行を行う。
そして現行型プリウスにはToyota Safety Sense P以外にも、以下の先進安全機能が搭載される。
■インテリジェントクリアランスソナー
低速での取り回しの際の接触回避を支援。さらに側面の超音波センサーを使って右左折時の巻き込みを警報する機能を搭載。
■ブラインドスポットモニター
隣の車線を走る車両をレーダーで検知。車両が死角エリアに入ると、ドアミラーに搭載されたLEDインジケーターを点灯させドライバーに注意喚起する。
■シンプルインテリジェントパーキングアシスト
超音波センサーを使って周囲の障害物を検出し、駐車スペースを認識。駐車したいスペースの前で停車してスイッチを押すと適切な後退開始位置への誘導と後退駐車のためのステアリング操作をアシスト。
なお、上記の安全機能の装備状況は以下のとおりとなる。
<標準装備グレード>
A、Aツーリングセレクション、Aプレミアム、Aプレミアムツーリングセレクション、Sセーフティプラス、Sセーフティプラスツートーン、Aプレミアムツーリングセレクション20thアニバーサリーリミテッド
<オプション設定グレード>
E、S、Sツーリングセレクション
初回車検が過ぎ、2度目の車検が近づいていることもあり、2015年12月から2018年11月生産の前期型は、3150台以上の中古車が流通。そのうち、Toyota Safety Sense Pが標準装備となるグレードの流通量は1500台以上ある。
オプション設定となるSやSツーリングセレクションでもToyota Safety Sense Pが付いている中古車は650台以上流通していたので、約7割の中古車に先進安全装備が備わっていることに。
前期型の中心価格帯は、総額110万~200万円。
ハイブリッドカーらしい便利機能である最大1500W使えるAC100Vコンセントが付くAプレミアム、Aプレミアムツーリングセレクションは、総額150万円だと購入はやや厳しくなるが、総額170万~200万円まで予算を上げると走行5万~7万km前後のものが見つかる。
シートが上級ファブリックになるAは、総額160万~180万円付近に走行5万~7万km前後のものが、シルバーなら同じ予算で走行5万km以下のものも買うことが可能だ。総額200万円まで予算を増やすと、人気の赤や黒、パールでも走行5万km以下のものが見つかる。
▼検索条件
トヨタ プリウス(4代目)×2015年12月~2018年11月生産モデル×衝突被害軽減ブレーキ搭載×全国Toyota Safety Sense が全グレード標準装備に
2018年12月~2020年6月生産モデル
2018年12月のマイナーチェンジで、プリウスはデザインが大幅に変更された。印象としては前期型がアグレッシブな雰囲気だったのに対し、後期型は癖が抜けて保守的なデザインを好む人も乗りやすくなった感じだ。
マイナーチェンジのトピックは専用通信機DCMを全車に標準装備し、T-Connectサービスを新車購入から3年間無料で使えるようになったこと。中古車購入時(中途契約)も初度登録より3年間は無料で利用可能(要事務手数料)。その後は所定の利用料を支払って継続利用できる。
そして、「Toyota Safety Senseが」全グレード標準装備に。
その内容は以下のとおり。
■プリクラッシュセーフティ(ミリ波レーダー+単眼カメラ)
■レーンデパーチャーアラート(ステアリング制御付き)
■オートマチックハイビーム
■レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)
Toyota Safety Sense以外にも、以下の先進安全機能が搭載される。
■ブラインドスポットモニター
■シンプルインテリジェントパーキングアシスト
なお、以下の装備は一部グレードでオプション設定となる。
■インテリジェントクリアランスソナー
E、S、Sツーリングセレクション
■リアクロストラフィックアラート
駐車場などから後退する際に、左右後方から接近してくる車両を検知し、ドアミラー内のインジケーターの点滅とブザーにより、注意を喚起する。
Aプレミアム ツーリングセレクション、Aプレミアム、A ツーリングセレクション、A
後期型の中古車は約650台流通。中心価格帯は220万~300万円に。
とにかく予算を抑えたいなら、パワーシートや温熱シート、ヘッドアップディスプレイ、オートワイパーなどは付かないが、総額200万~240万円でSが見つかる。
装備が充実した中古車が欲しい人はA以上のグレードがオススメ。総額280万ほど見ておけばかなり探しやすくなるはずだ。
年式が新しいこともあり、どれも走行距離は少なめ。
▼検索条件
トヨタ プリウス(4代目)×2018年12月~2020年6月生産モデル×衝突被害軽減ブレーキ搭載×全国プリクラッシュセーフティが夜間の歩行者にも対応
2020年7月以降生産モデル
2020年7月の一部改良で、プリクラッシュセーフティの機能が進化。夜間の歩行者や昼間の自転車も検知できるようになった。そして、Toyota Safety Senseに先行車発進告知機能が追加されている。
また、インテリジェントクリアランスソナーも全グレード標準装備に。
さらに、オプションでプラスサポート用スマートキーが用意された。これは専用のスマートキーで開錠すると、進行方向に障害物がない場合もペダルの踏み間違い操作があると加速を抑制するもの。高齢者の家族などと車を共有するときなどに、安心を高める機能だ。
最新モデルは発売されたばかりということもあり、中古車はほぼ流通していない。欲しい人は新車を選ぶか、ディーラーの試乗車などが試乗に出てくる来年の春ごろまで待ってみよう。
▼検索条件
トヨタ プリウス(初代)×2020年7月以降生産モデル×全国
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL
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