スバル レガシィアウトバック ▲「背がやや低めである」という部分さえ問題にならないのであれば、ステーションワゴンをベースに作られたクロスオーバーSUVこそが「何かと最強」なのかもしれません。そのオススメ5モデルをピックアップしてみます!

「万能に近い!」と言える要注目カテゴリー

2020年1月20日発売のカーセンサー3月号では「特徴を分けてみれば選びやすい! 今年からSUVがいいじゃない」という特集を展開している。

SUVといえば屈強なクロカン四駆がその原点ではあったものの、現在は他ジャンルと文字どおりクロスオーバー(融合)しながら独自の進化を続けている真っ最中だ。

そういった進化形のひとつに「ステーションワゴンとSUV概念がクロスオーバーした車種」がある。

もともとセダンと遜色ないレベルの走行性能を誇るステーションワゴンに、「悪路もイケる」という諸性能をプラスしたステーションワゴンベースのSUV。それは「若干背が低い」という少々の難点はあり、なおかつ「その悪路走破性能は、本気系のSUVと比べるとやや劣る」という場合もある。

だがそこまでゴリゴリの悪路を走る機会はなく、さらに背の低さも特に問題にならないのであれば、これこそが「万能に近い!」と言えるカテゴリーだ。

ということで、今注目すべき「ステーションワゴン的SUV」5モデルをピックアップしてみよう。

スバル レガイシィアウトバック(5代目)

現行型の5代目スバル レガシィアウトバックは、「レガシィツーリングワゴン」をベースとするクロスオーバーモデル。

具体的には6代目スバル レガシィの最低地上高を5cmかさ上げし、一般的なSUV並みの「最低地上高200mm」を確保。そのうえで前後バンパー下部などをオフロード走行に適したあしらいにしているステーションワゴン的SUVだ。

搭載エンジンは2.5Lの水平対向自然吸気4気筒で、駆動方式は4WDのみ。ステーションワゴン同等の使い勝手とオンロードでの走行性能を誇りつつ“SUV的能力”もきわめて高いという、SUVに「背の高さ」を求めない人にとっては理想的な選択肢のひとつと言えるだろう。

現行型レガシィアウトバック全体の中古車相場は150万~370万円といったところで、流通量はまずまず豊富。2017年9月に行われたマイナーチェンジ以前の前期型は150万~300万円がひとつの目安で、アイサイトや走行性能が強化された後期型の相場は240万~370万円付近となっている。

スバル レガシィアウトバック▲6代目レガシィをベースとする現行型スバル レガシィアウトバック。写真はアイサイトのプリクラッシュブレーキ制御がさらに改良された2018年9月以降の世代

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スバル レガシィアウトバック(5代目)×修復歴なし×支払総額あり

スズキ クロスビー(初代)

スズキいわく、ワゴンとSUVを融合した「小型クロスオーバーワゴン」として2017年暮れに登場したコンパクトSUV。そのデザインは人気の軽自動車「スズキ ハスラー」を拡大したようなニュアンスで、エンジンは1L 3気筒ターボに簡易的な「マイルドハイブリッド」を組み合わせている。

全体としてのサイズは小ぶりだが居住性や積載性はまずまず良好で、前述の1Lターボエンジンは素晴らしく活発。このデザインがツボにハマり、なおかつ「小ぶりなSUVでガンガン走ってガンガン遊び倒したい」という人には強くオススメできる1台だ。

流通量は全国的に豊富で、クロスビー全体としての中古車相場は130万~280万円付近。先進安全装備がセットになった「スズキセーフティサポート」が標準装備となる上級グレード「ハイブリッドMZ」の、走行2万~3万km台付近の物件は150万~200万円ぐらいというイメージだ。

スズキ クロスビー▲小ぶりだが、見た目から想像する以上に車内は広いスズキ クロスビー。1Lターボエンジンもかなり活発で面白い

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スズキ クロスビー(初代)×修復歴なし×支払総額あり

フォルクスワーゲン ゴルフ オールトラック(初代)

現行型ゴルフヴァリアントをベースに、4WDシステムと専用の前後バンパー、無塗装の黒いサイドシルやホイールアーチを覆う黒い樹脂パーツを与えることでSUV風味を増強。さらには最低地上高もゴルフヴァリアントと比べ25mm上げたことで、実際の悪路走破性も向上させているというステーションワゴンベースのコンパクトSUV。

乗り味と使い勝手は現行型のゴルフヴァリアントとほぼ変わらないため、輸入車というものに抵抗がなく、なおかつ「あくまで上質な乗り味の小ぶりなステーションワゴンに、ちょっとしたアウトドア性能を足したい」と考える人に向いている。

中古車の数はさほど多くはなく、2020年1月下旬現在、流通量は全国で88台。全体の相場は約160万~400万円と上下に幅広いが、走行2万kmから3万km台までの「ちょうどいいニュアンスの中古車」は180万~290万円といったところ。4万km台の個体はおおむね200万~240万円付近だ。

ゴルフ オールトラック▲現行型ゴルフ ヴァリアントのクロスオーバーモデルであるフォルクスワーゲン ゴルフ オールトラック。搭載エンジンは最高出力180psの1.8L直4ターボ

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ゴルフ オールトラック(初代)×修復歴なし×支払総額あり

ボルボ V60クロスカントリー(初代)

スポーティなステーションワゴンである初代ボルボ V60にSUV風の各種エクステリアを組み合わせ、さらには最低地上高を60mm高めたクロスオーバーSUV。

搭載エンジンはパワフルな2.5Lガソリンターボとトルクフルな2Lディーゼルターボの2種類で、アダプティブ・クルーズ・コントロールなどの先進安全装備や運転支援機能は全グレードに標準装備。「ステーションワゴンベースの輸入SUVを探しているが、ゴルフオールトラック以上のサイズと上質感が欲しい」と考えているならば、こちらが有力候補となるはず。

V60クロスカントリー全体としての相場は190万~630万円とかなり上下に幅広いため、なかなか的を絞りづらい。仮に「2.5Lガソリンターボで走行3万km前後の個体」に絞るとしたら、その相場は230万~340万円付近で、同条件のディーゼルターボは250万~340万円ほどとなる。流通量はディーゼルターボの方がやや多い。

ボルボ V60クロスカントリー▲「ミドルサイズと呼ぶにはほんの少々小ぶり」と言えるサイズ感のボルボ V60クロスカントリー。日本の道で使うにはジャストサイズで、内装のデザイン性と質感も高い

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ボルボ V60クロスカントリー(初代)×修復歴なし×支払総額あり

アウディ A4 オールロードクワトロ(初代)

先代のアウディ A4アバント(2008年8月~2016年3月)というステーションワゴンをベースに作られたクロスオーバーモデル。先代A4アバントの最低地上高を180mm上げ、ボディ前後のステンレス製アンダーガードや樹脂製のオーバーフェンダーなどにより、実際の悪路走破性と「SUV風味」を強めたモデル。

日本市場では限定車として小刻みに何度も発売され、2014年8月にようやくカタログモデルとなった。前期型の搭載エンジンは高出力211psの2L直噴ターボで、トランスミッションは7速のSトロニック(DCT)。駆動方式は当然ながら(?)クワトロシステム(フルタイム4WD)のみとなる。

2012年8月にはA4アバントのマイナーチェンジに伴ってA4オールロードクワトロの方も後期型となり、外観デザイン等を変更。そして2013年10月にもは2L直噴ターボエンジンの最高出力が211psから224psに変更されている。

2020年1月下旬現在、中古車の流通量は全国30台とやや希少で、モデル全体の相場は100万~300万円付近。今や少々古く見える前期型の相場は100万~170万円といったところで、まだまだシュッとして見える後期型は170万~300万円あたり。好みや予算にもよるが、できれば後期型を選んだ方が後々の満足度は高いはず。

アウディ A4オールロードクワトロ▲なんともシュッとしたたたずまいの旧型アウディ A4オールロードクワトロ。搭載エンジンは2Lの直噴直4ターボ

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アウディ A4 オールロードクワトロ(初代)×修復歴なし×支払総額あり
文/伊達軍曹、写真/スバル、スズキ、フォルクスワーゲン、ボルボ、アウディ
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。