スバル フォレスター徹底ガイド。5代目(現行型)の中古車情報やグレードなどまとめ
2019/12/31
世は空前のSUVブームに沸いてきました。そんなブームの中にあるからこそ、今買ってもいいSUVの1台として挙げられるのが、スバルのフォレスターです。理由はブームに左右されず、独自の価値を守り抜いてきたモデルだからです。
【概要】長く乗り続けていられるSUVがフォレスター
目下、SUVブームが継続中です。自動車メーカーからもまだまだ新型車がデビューしています。
振り返れば、パジェロをはじめとした4WDが売れた1990年代はバブル景気に沸いていました。それが弾けて第1次4WDブームは終焉。そして2000年前後のITバブルで再び4WDが台頭します。日産の初代エクストレイルを筆頭とした、値段もサイズも手頃なモデルが大いに盛り上がました。4WDに代わってSUVという言葉が市民権を得るようになったのが、ちょうどこの頃です。2001年にITバブルが弾けると、第2次4WD=SUVブームも下火に。
プリウスを代表とする燃費の良い車に人気が集中します。現状といえば、その頃ほどの「何がなんでも燃費優先!」という画一的な車選びはやや息を潜めました。日経平均が2万円を突破するのと前後して、再びSUVが勢いを取り戻している状況です。第3次SUVブームと言っていいのかもしれません。
つまり、SUV人気はブームに左右されやすいのですが、ブームであるか否かとは関係なく、選んでいい車があります。それが現行の5代目フォレスターです。理由は単に「SUVだから良い」のではなく「フォレスターだからこそ良い」という点が明確だからです。
ひとつは、シンメトリックAWDであること。スバルとポルシェしかこだわっていない水平対向エンジンを軸に、トランスミッションや駆動系を左右対象にレイアウトした4WDシステムです。そのメリットは、フォレスターの場合、220mmもの最低地上高があるにも関わらず、低重心かつ左右バランスがよく、走りが安定していること。SUVだから……と街中はもちろん、ロングドライブでも我慢を強いられることはほぼありません。
もうひとつは、アイサイトを装備していること。世はSUVブームである以上に、自動運転や運転支援に対する興味が高まっています。スバルは独自にアイサイトを開発し、長年熟成してきただけあって、非常に実用的です。その機能のひとつである「ツーリングアシスト」はロングドライブでも疲れをグンと減らしてくれます。乗れば乗るほど、実感します。
さらに言えば、フォレスターは今やスバルの基幹車種です。ブームに乗った「色もの」的な存在ではなく、スバルの屋台骨を支える最量販車種(グローバル)です。開発にはコストやマンパワーが惜しげもなく投入されており、価格以上のバリューを感じさせる仕上がりになっています。
とりわけ、小さなお子さんがいる家庭のファミリーカーとして見たとき、景気の良し悪しとは関係なく、子供とアウトドアへ遊びに行く機会も増えるでしょう。そういったシーンに応えてるれるのはもちろん、子供が成長しても後部座席が広く、クラブ活動などに必要なアイテムを積むのにも十分な荷室の広さもあります。ブームに関係なく、長く乗り続けていられるSUVがフォレスターです。
【変遷】新車販売実績ではAdvanceグレードが人気ナンバーワン
フォレスターは1996年5月に初代が発売されてから、2019年10月現在、現行型は5代目になります。 いずれのグレードもFFの2WDモデルとフルタイム4WDモデルが設定されています。順を追って、5代目フォレスターの変遷をみていきましょう。
全車、水平対向4気筒エンジンとCVT(AT)の組み合わせ。駆動系はシンメトリックAWDのみ。エンジンは最上級グレードのAdvanceが2.0Lガソリンに電動技術を組み合わせた「e-BOXER」をパワーユニットとして搭載。それ以外のグレードは2.5Lガソリンとなっています。
デビュー時のラインナップ(価格は発売当時の消費税込み)
Advance(2.0L+モーター)3,099,600円
Premium(2.5L)3,024,000円
Touring(2.5L)2,808,000円
X-BREAK(2.5L)2,916,000円
ボディカラーのバリエーションは以下となり、X-BREAKは他のグレードに比べて選択肢が限られます。
Premium / Touring / Advance
クリスタルホワイト・パール
アイスシルバー・メタリック
ダークグレー・メタリック
クリスタルブラック・シリカ
クリムゾンレッド・パール
ホライゾンブルー・パール
ダークブルー・パール
ジャスパーグリーン・メタリック
セピアブロンズ・メタリック
X-BREAK
クリスタルホワイト・パール
アイスシルバー・メタリック
ダークグレー・メタリック
クリスタルブラック・シリカ
発売後約3ヵ月間の新車販売実績ではAdvanceグレードが人気ナンバーワン。全体の40%を占めていました。また、ボディカラーではクリスタルホワイト・バールが全体の38%でトップ。この人気を受けて、現在の中古車市場においてはクリスタルホワイト・パールのAdvanceが多くなっています。
ちなみに、2018月10月には2018年度グッドデザイン賞を受賞しました。受賞に際しては以下のような評価コメントを受けています。
「先代モデルから奇をてらわずに丁寧に正常進化している。インテリアデザインでは表情異なるレザーの組合わせやステッチなど、細部の拘りと適切なCMFが施され、コンセプトに相応しい耐久性だけでなく、上質感がバランス良く表現された点を評価した。」(抜粋)
上記コメント中のCMFとはColor(色)、Material(素材)、Finish(加工)の略とのこと。
また、2018年11月には2018年度JNCAP予防安全性能アセスメントで最高ランクの「ASV+++」を獲得(この試験項目には「対歩行者被害軽減ブレーキ(夜間街灯あり)」や「ペダル踏み間違い時加速抑制」などが新たに含まれています)。さらに、2018年度JNCAP衝突安全性能評価で最高得点となり「大賞」を受賞。フォレスターにも搭載される運転支援システム「アイサイト」など、予防安全性能の高さがあらためて評価される格好となっています。
初のマイナーチェンジで便利機能を追加。後席への荷物などの置き忘れをブザーと画面表示で知らせる「リアシートリマインダー」が装備されました。また、新色として「マグネタイトグレー・メタリック」を全グレードに追加設定された一方、ダークグレー・メタリックが廃止されています。
マイナーチェンジ時のラインナップ(価格は発売当時の消費税込み)
Advance(2.0L+モーター)3,099,600円
Premium(2.5L)3,024,000円
Touring(2.5L)2,808,000円
X-BREAK(2.5L)2,916,000円
「X-Edition」はPremiumグレードをべースにした特別仕様車。18インチのガンメタリック塗装アルミホイールや、ダークメッキ加工を施したフロントグリル、そしてフォグカバーなどをエクステリアに装備しています。インテリアでは撥水機能をもつシートとカーゴフロアボードを採用。光源にLEDを採用したカーゴルームランプとリアゲートランプを装備して、広範囲を照らすようにするなど、使い勝手もアップしています。また、アイサイトセイフティプラス(視界拡張)を標準装備しています。
主な特別装備
・アイサイトセイフティプラス(視界拡張)
・18 インチアルミホイール(ガンメタリック塗装)
・フロントグリル&フロントフォグランプカバー(無塗装ブラック+ダークメッキ加飾)
・フロント六連星オーナメント(ダークメッキ)
・撥水ファブリック/合成皮革シート(シルバーステッチ)
・LED カーゴルームランプ(リアゲート連動)
・LED リアゲートランプ(リアゲート連動)
・撥水カーゴフロアボード(ラゲージスムーザー機能付)
・特別仕様車の価格(消費税込み)
X-Edition(2.5L)3,179,000円
【グレード&バリエーション】4種類のグレードバリエーション
フォレスターのグレードバリエーションは上位から、Advance、Premium、Touring、X-BREAKの4種類があります。これに特別仕様車のX-Edition(Premiumベース)が加わっています。
特別仕様車の最も高価なX-Editionを加えても新車の価格帯は280.8万~317.9万円。上下幅は37万円しかありません。ちなみに先代(4代目)フォレスターのデビュー時は209万~293.7円(税込)であり、80万円以上の幅があります。現行モデルとは安全装備に違いがあるので単純に比較はできませんが、2.0i 4WDといった廉価グレードがラインナップされていたことが要因です。
現行フォレスターに廉価グレードは存在せず、言い換えれば価格の高低、装備の有無だけではなく、各グレードのキャラクターも理解して選ぶことが大切です。
Touring
いかにもフォレスターらしい優等生的なグレードがTouringです。決して廉価版ではなく、かといって華美にもならず。フォレスターに期待される機能や装備が一通り備わっています。前述のとおり駆動系はAWDですし、安全装備のアイサイトも標準です。迷ったらTouringにしておけば間違いがないと言いたくなるグレードです。
一方、泣きどころは、フォレスターとして基本的な装備が揃っているがゆえに価格設定は低くないこと。同じエンジンを積むPremiumやX-BREAKとの新車価格は最大で約20万円です。となると、もう少し奮発して上位グレードを狙いたくなってしまいます。
あえてグレードを抑えてオプションを盛ると、ますます上位グレードがお買い得に思えてしまうのも否定できません。強いてTouringだけのポイントを挙げるとすれば17インチサイズのサマータイヤを履いていること。消耗したタイヤを交換するときには比較的お財布に優しい設定です。
X-BREAK
フォレスターの特徴は指名買いが珍しくないこと。ライバルとの比較に大きな意味はないものの、もう少しSUVらしいラギッドさ(ギラギラした強さ)が欲しいと思う方が一定量いるのも事実。そういった方にはX-BREAKの一択です。
フロントとリアにバンパーガードが備わっていたり、内外装の挿し色にオレンジをアクセントに入れるなどアクティブな印象を強めています。ルーフレールも標準装備です。また、シートの材質に撥水ファブリックが使われていたり、荷室のカーゴフロアボードが撥水加工されていたり、より明るいLEDゲートランプが装備されていたり、実際にアクティブな使用を想定したものとなっています。
ただし、他のグレードにはオプション設定されている、電動スライド式の大型サンルーフが装着できません。重箱の隅をつつくように思われるかもしれませんが、X-BREAKのキャラクターに開放的なサンルーフはむしろフィットするものです。この点には肩透かしを食らう方がいるかもしれません。
Premium
装備が充実しているグレードなのですが、実のところ「豪華」仕様というより「お得」な印象が強いグレードです。例えば、ドアミラーのリバース連動(鏡面が下を向く)やオート格納機能、キーレスアクセス&プッシュスタート、運転席&助手席8ウェイパワーシートやシートポジションメモリーといった日常の使い勝手に影響する機能が標準で備わっています。
安全装備についてもアイサイトだけでなく、アイサイトセイフティプラス(後側方警戒支援やアダプティブドライビングビーム)が標準です。
ここに挙げたものはTouring、X-BREAKではオプション扱いです。あれもこれも最初から付いていおり、Touringから検討し始めた方も、最終的にはPremiumに引かれます。ちなみに豪華装備としては本革シートが用意されていますが、オプション扱いです。
Advance
Advanceは他のグレードとはパワートレインが異なります。ハイブリッドのe-BOXERにするなら選択肢は他にありません。装備はほぼPremiumと同等ですが、アイサイトセーフティプラスの他にも、ドライバーモニタリングシステムや車両近接通報装置などを装備しており、安全性の面でも一歩進んだグレードになっています。
【内外装】北米で人気のスタイリング
エクステリア
ボディサイズは、全長4625mm、全幅1815mm、全高1715mm(ルーフレール装着車は1730mm)です。
エクステリアデザインは先代の4代目からキープコンセプトとなっています。理由は、北米で人気のスタイリングを変える必要がないからです。もちろん目新しさや新鮮に映らないのですが、長く乗れる飽きないデザインとも言えます。
グレードによってドアハンドルがボディ同色やメッキ処理(Advanceのみ)といった細部の違いはありますが、エクステリアの大きな違いを生んでいるのはX-BREAKの仕様です。グレード&バリエーションのところでもご紹介したとおり、ワイルドなイメージが強められています。
インテリア
インテリアはすべて2列シートの5名乗車仕様です。3列シートを詰め込むといったことはしていないため、後部座席の足元が広々としています。また、保守的でスクエアなボディのシルエットのおかげもあり、リアドアの開口部が広く、乗り降りも容易です。また、ラゲージルームの容量は520L(Advanceのみ509L)。容量が大きいだけでなく、リアゲート開口部の幅にもこだわっていて、左右で約1300mmあるので荷物の出し入れもスムーズです
【スペック】サイズ感や室内の広さなどをチェック
▼スバル フォレスター(2019年10月~生産中) 2.5 ツーリング 4WD
型式 | 5BA-SK9 | 最小回転半径 | 5.4m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.63m×1.82m×1.72m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.67m |
ミッション | CVT | 前トレッド/後トレッド | 1.57m/1.57m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 2.11m×1.55m×1.27m |
4WS | - | 車両重量 | 1520kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 1795kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.22m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ホライゾンブルー・パール、ダークブルー・パール、セピアブロンズ・メタリック、ジャスパーグリーン・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック |
||
オプション色 |
クリムゾンレッド・パール、クリスタルホワイト・パール |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 5BA-SK9 |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | CVT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ホライゾンブルー・パール、ダークブルー・パール、セピアブロンズ・メタリック、ジャスパーグリーン・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック |
オプション色 | クリムゾンレッド・パール、クリスタルホワイト・パール |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.4m |
全長×全幅× 全高 |
4.63m×1.82m×1.72m |
ホイール ベース |
2.67m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.57m/1.57m |
室内(全長×全幅×全高) | 2.11m×1.55m×1.27m |
車両重量 | 1520kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 1795kg |
最低地上高 | 0.22m |
掲載用コメント | - |
【メカニズム】水平対向のボクサーエンジン
冒頭でも申し上げたとおり、フォレスターを買うべき理由と言って過言ではないメカニズムとは水平対向のボクサーエンジンであり、シンメトリックAWDであり、アイサイトです。いずれもスバルならではのワン&オンリーな機構です。そのうえで、現行フォレスターでは新たに投入されたメカニズムの「e-BOXER」と「ドライバーモニタリングシステム」に注目します。いずれも、Advanceグレードのみの装備ですので、フォレスターを選ぶときのポイントにもなります。
・e-BOXER
フォレスター(とXV)から投入されたスバルのハイブリッドシステムです。一般的なハイブリッドのイメージとは異なり、燃費優先ではなく、ドライバビリティ向上のためのメカニズムです。ドライバビリティとは運転手の操作に対して車が応える挙動のことを言います。構造上ユニークなのは、シンメトリックAWDにこだわってきたスバルらしく、モーターとリチウムイオンバッテリーも左右対称にレイアウトしているところです。メリットはバランスが良い、ということになるのですが、こういったかたくなな姿勢こそスバルファンから厚く支持されている一因にもなっています。
ハイブリッド用のリチウムイオンバッテリーはコンパクトで、容量は4.8Ahです。比較的小さいといわれてきた日産 エクストレイルは4.4Ahですので、それよりも大きくはなります。モーターもコンパクトで「手のひらサイズ」。大きなパワーは望めませんが、スバルによると「コンパクトながらも軽自動車1台分のトルク」があるといいます。
この限られたトルクを使い、ドライバビリティを向上させているのがe-BOXERです。これは言うのは簡単ですが、ハイブリッドの「肝」とは制御です。エンジンとトランスミッション、モーター(ブレーキ回生も含めて)が自然に協調しないと違和感が際立ちます。
この点において、e-BOXERは優秀です。ごく自然にトルクがつながり、気持ちよく運転できるようになっています。実のところ、スバルの開発には、一般的な自動車メーカーのようなテストドライバーがいません。エンジニアが専用の教育を受けて、テストドライバーを兼任しています。運転の良し悪しは言語化が容易ではなく、その100パーセントすべてをテストドライバーから開発者へ伝えるのには難しいところです。スバルではテストドライバーと開発者が一体化しているので、言葉では言い表せない、データでも定量するのが難しい領域でも、キッチリと改善したり、向上させたりすることができます。そういった点も含めて、e-BOXERはスバル独自のものと言えます。
・ドライバーモニタリングシステム
アイサイトで、早くから車の安全運転支援を進化させてきたスバルが、あらためて着手したのがドライバーのミスを未然に防ぐ「ドライバーモニタリングシステム」です。スバルによると、交通死亡事故原因の半分以上が「漫然運転」「わき見運転」「運転操作不適」「安全不確認」など、いわゆるドライバーの不注意によるものとのこと。そのような不注意による事故を防ぐことを目的に開発されています。
このシステムのメカニズムはカメラとドライバーを照らす赤外線LED、専用のECUで構成されており、センターバイザーの上部に格納されています。
その働きは、走行中にドライバーが一定時間以上目を閉じるような居眠りや、わき見運転のように顔の向きを大きく外したりすると、警報音や警告表示で注意を促してくれます。また、顔認識機能によりドライバーを特定して、あらかじめ設定しておいたシートポジションやドアミラー角度へ自動的に調整するといった機能も備わっています。
【走行性能】キャラクターの違いを理解しておきたいパワーユニット
フォレスターのパワーユニットには2.0Lハイブリッドと2.5Lガソリンがあります。ともに満足度の高い仕上がりになってはいますが、何を求めるかによって「こんなはずではなかった」ということも……。それを避けるために、エンジンによる走行性能の違いに着目しておきたいところです。
2.0Lハイブリッド(e-BOXER)
最高出力:107kW(145ps)/6000 rpm
最大トルク:188Nm(19.2kg・fm)/4000rpm
最高出力(モーター):10kW(13.6ps)
最大トルク(モーター):65N・m(6.6kg・fm)
燃費:14.0km/L(WLTCモード)
e-BOXERの燃費は、より実走行に近い値が出るといわれるWLTCモードで14.0km/Lと、2.5Lガソリンの13.2km/Lに比べるとその差は1割にもなりません。スバルが燃費最優先で開発していないと明言しているとおり、一般的なハイブリッドのイメージで燃費の良さを求めると期待外れになりかねません。一方、加速時にも積極的にモーターを利用することで、走行音が静かなのがe-BOXERです。アイドリングストップからの再始動→発進についても、モーターのトルク特性を生かしてエレガントに加速してくれます。
2.5Lガソリン
最高出力:136kW(184ps)/5800 rpm
最大トルク:239Nm(24.4kg・fm)/4400rpm
燃費:13.2km/L(WLTCモード)
よりパワフルに感じられるのが2.5Lガソリンです。ハイブリッド用リチウムイオンバッテリーを搭載しているe-BOXERに比べて、車重が100kg程度軽いこともあり、加速もハンドリングも軽快です。また、走行状況によっては燃費がe-BOXERと同様もしくは上回ることもあり、単に下位グレードのパワーユニットと切り捨てられない魅力があります。
フォレスターのパワーユニットを考える場合、エレガントな2.0Lハイブリッド(e-BOXER)と、アクティブな2.5Lガソリンといったように、両者のキャラクターの違いで捉えておきたいところです。
【オプション】マルチファンクションディスプレイと連動するビルトインナビ
フォレスターには全グレードに、「オーディオリモートコントロールスイッチ」や「6スピーカー」、ルーフアンテナが標準で備わっています。オーディオ&ビジュアルに対する用意ができているものの、いわゆる全グレードオーディオレス仕様です。ナビはスマホのアプリに任せているドライバーが珍しくない昨今、車両価格の1割近くにもなるナビを選ぶかどうか迷いどころではあります。とはいえ、フォレスターのセンターコンソールにはAVヘッドユニットのためのスペースが一等地を占めており、ナビを付けないと、ここをフルに生かせません。
オプションとして多彩なナビが用意されていますが、検討するならフォレスター専用デザインの「ビルトインナビ」です。ビルトインナビのアドバンテージは、専用設計なのでフォレスターのインパネに美しくフィットすること。また、センターコンソール最上部にある「マルチファンクションディスプレイ」を第2画面として活用&連携しながら道案内してくれます。「次の分岐をどちらに曲がるか」のような直近に必要な情報をわかりやすく提示してくれます。
このため、例えばフォレスターの中古車を品定めするときは、「ナビ装備」とあった場合でも、それが汎用ナビなのか、それともフォレスター専用の「ビルトインナビ」なのかは必ずチェックするようにしたいところです。
【中古車】予算が限られているなら先代を狙うのもあり
2019年12月現在、カーセンサーの登録件数は約200台。車両価格の多くは250万円台から370万円台の範囲にあります。車両価格だけを新車価格と比べると中古車メリットが感じられにくいため、装着されているオプション類をシッカリとチェックする必要がありそうです。
具体的にはカーナビ(全車オプション)、アイサイトセーフティプラス(運転支援はAdvanceとPremiumに標準、それ以外はオプション)、大型サンルーフ(全車オプション)、ルーフレール(X-BREAKには標準、それ以外はオプション)など。また、予算が限られている場合はターゲットを切り替えて先代フォレスターを物色するのも一案です。というのも、現行の5代目フォレスターのルックスは先代フォレスターからキープコンセプトです。
一見して見分けが付きにくいので、旧型に乗っている感はかなり弱め。中古車平均価格も170万円台で、カーセンサーのクチコミでは総合評価も4.3点と上々。むしろ狙い目かもしれません。
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