カーセンサーnet上には40万台以上の物件が掲載されている。物件チェックを日課とする筆者が、その中から偶然見つけた「なんだこの中古車は!!」という物件を紹介しよう!

▲今回紹介するのは、1980年式のスズキ ジムニー。写真をご覧になっていただければ、ただ者ではないということがすぐにおわかりいただけるだろう ▲今回紹介するのは、1980年式のスズキ ジムニー。写真をご覧になっていただければ、ただ者ではないということがすぐにおわかりいただけるだろう

ラットロッド仕様のジムニー

現行型スズキ ジムニーが大人気。なんでもバックオーダーを抱えているらしく、スズキは今年から増産体制を敷くと発表されているほどだ。

そんなこともあって、スズキ ジムニーの中古車をカーセンサーnetで検索していた。

もちろん、現行型もちらほら見かけるのだが、“古いものはどうだろう?”とふと思い年式を古い順に並べ替えてみた。

そこで出くわしたのが「ラットロッド仕様」と銘打たれた、当該物件だ。

1980年式のSJ10型で、もう見るからにインパクト絶大!

エンジンフードは取り外され、代わりに取り付けられたのが2本のチューブバー。

外装はサビているのではなく、サビているように塗装で仕上げられている。

ラットロッドとはカスタムのスタイルで、南カリフォルニア州で生まれたサブカルチャーだ。

ホットロッドの一種でありながら対局にある。

一般的にホットロッドはピカピカに仕上げ、いわゆるコンクールコンディションのように美しい仕上げを是とする。

対するラットロッドは、経年劣化、もしくは経年劣化風味を是とする。

▲外装は経年劣化“風”の塗装で仕上げられている。サビの感じがリアルだ ▲外装は経年劣化“風”の塗装で仕上げられている。サビの感じがリアルだ
▲ドアには「電光石火」の文字が ▲ドアには「電光石火」の文字が

エンジンルームの写真をパッと見ると、アルミオイルキャッチタンク、アルミラジエーターなどを備え、手が加えられていることがわかる。

オルタネーターも新しそうだ。

フロントウインドウが申し訳程度にしかない。

こんなに開放感にあふれる車、そうそう出くわすことはない! 運転するときはゴーグルが必須だろう。

走行距離は17万kmらしいがもはや、気にする人はいないだろう。

そういう意味で車両価格144.8万円というのも高いのか安いのか判断できかねる(笑)。

▲エンジンルーム内のパーツの一部が交換されている ▲エンジンルーム内のパーツの一部が交換されている
▲小さな窓がちょこんと取り付けられているのみ。当然屋根もない ▲小さな窓がちょこんと取り付けられているのみ。当然屋根もない

この車に乗ったら、誰を乗せても話題に困ることはあるまい。

どこに行っても、どんな車と並んでも注目度抜群だ。

ただ、販売店のコメントには「ご自分で分解整備が出来る方でないと所有は難しいとお考え下さい」と書かれている。

販売するためにカーセンサーnetに掲載されているのに、ハードルが高い……。

この車が気になって、維持できる猛者はぜひ、在庫の有無をチェックしてみてほしい。

それにしても奥が深いぜ、中古車!

▲この車で出かければ、とにかく目立つことは間違いなし! しかし、それ相応の覚悟が必要になることは間違いない ▲この車で出かければ、とにかく目立つことは間違いなし! しかし、それ相応の覚悟が必要になることは間違いない
text/古賀貴司(自動車王国)
photo/カーセンサーnet