▲堂々たる風格のハイエース ワゴンGL。野球チームごと人が乗れて移動できる! ▲堂々たる風格のハイエース ワゴンGL。野球チームごと人が乗れて移動できる!

ミニバンじゃなくてハイエースを選ぶべき理由

夏休みに外出すると、ミニバンの多さにあらためて驚かされます。確かに家族みんなで乗っても余裕たっぷりの車内空間、乗り降りしやすさは他のカテゴリーにない魅力。

ただ、昨今のミニバンって、人はたくさん乗せられても、荷物は意外にちょっとしか載らない。

ごく普通の用途なら十分だけど、サーフィンなどのマリンスポーツやMTB、レーシングカート、スキー、スノボなど、でっかいギアを載せる必要がある趣味をお持ちの方にとってベストチョイスにはならないでしょう。

さて、お父さん困った。人もギアも載せられる便利な車はないの? とあらためて中古車市場を見渡すと、あるじゃないですか! ハイエースという唯一無二の選択肢が。ハイエースといえば仕事車のイメージだけど、ファミリーカーとしての能力も決して低くないはず。実際、プライベートで乗っている人もたくさんいます。

そこで今回は、ハイエースをファミリーカーに使いたいパパのために、デビューから14年、あまたある中古車物件の中で、どの200系ハイエースに注目したらいいのか見ていきましょう。

バンorワゴン? 究極のチョイス

ご存じのように、ハイエースにはバン登録とワゴン登録が存在します。バンではワゴンに設定のない車幅の狭い標準ボディ、ディーゼルエンジンを選ぶことができ、さらに法定費用などの維持費が圧倒的に安いというメリットがありますが、プライベートで使うならやっぱりワゴンがオススメ。

だって毎年車検はハードル高いですし、乗り心地もワゴンの方がずっと良いんだもの。

▲ワゴンGLの車内。10人乗っても余裕しゃくしゃく。真のウォークスルーがここに!▲ワゴンGLの車内。10人乗っても余裕しゃくしゃく。真のウォークスルーがここに!

ボディサイズは全幅1.88m、全長4.84m、全高2.1mというかなりの巨体ですが、この寸法だからこそ、人も荷物も乗るというわけ。

どうしても標準ボディ、ディーゼルが欲しい、という人はバンをワゴン登録化したモデルを買う、あるいは購入後にワゴン登録化するという手があるものの、シートの交換や登録手数料などが高額になっちゃいます。

乗り心地改善のためにはバンのリーフスプリングを何枚か抜いちゃうという荒技もありますが、その場合も構造変更&登録事項の変更が必要で、かなり面倒。ここは素直にワゴンを選んでおくのがクレバーと言えましょう。

ワゴンのグレードにはスーパーロング、ハイルーフの「グランドキャビン」もありますが、超絶でっかいのでファミリーカーには不向き。

すると選択肢は「GL」と「DX」の2択になり、仕様もワイドボディ、ロング、ガソリンエンジンのみとなります。

「DX」は内外装が作業車っぽいので、カスタムを前提とする人以外は「GL」で問題ナシ。

ボディカラーはプライベート感のあるものとなると、「ブラックマイカ」もしくはメーカーオプションの「ホワイトパールクリスタルシャイン」しかありません。

10万km走ってからが本領発揮!?

あらためてハイエース 200系の中古車を検索すると、値落ち率の低さにビックリ。仮に車両本体価格200万円以内を予算とすると、5年以上落ち、5万km超がターゲットゾーンになってきます。

「えー、それなら他のミニバンで程度良いの買えるじゃん」というなかれ。仕事車として生まれたハイエースの耐久性は、乗用車と比べものにならないのです。

一般的なメンテナンスさえキチンとされていれば、たとえ20万km乗っていてもヘッチャラ。むしろ10万kmくらい走ってる個体の方が、新車より乗り味がこなれてていいナーと感じることさえあります。

ちなみにガソリンエンジンはタイミングチェーンを採用しているので、10万km走行時のタイミングベルト交換が必要なく、整備費用もリーズナブルです。

ただし年式については毎年のように細かな改良が施されており、新しいモデルの方がベター。特に200系は盗難されるリスクが高いので、イモビライザーが標準装備された2012年5月以降に生産されたものが良いでしょう。

このモデルからリーフスプリングもソフトな設定になりました。なお2013年12月には内外装がリフレッシュされましたが、中古車市場での価格も相応に高く、200万円はちょっと超えちゃいます。

▲イモビなどの必須装備が標準化された3型。乗り味もよりマイルドになった▲イモビなどの必須装備が標準化された3型。乗り味もよりマイルドになった

ということで、すでに結論出ちゃいました! ファミリーカーとしてハイエース 200系を本体価格200万円以内で購入するなら……

・グレードはワゴンのGL、色は黒かパールで決まり!
・年式は2012年5月以降の生産モデル、走行距離は10万kmオーバーでも問題ナシ!

……と、ここで終わってしまったら、まとめサイトの情報で十分、カーセンサーを信用してくれてる皆さんに怒られちゃいますね。実は200系を選ぶときに、ちょっと注意したいポイントがあるのです。それは改造の有無!

カスタムの似合う車だけど吟味は慎重に

ハイエースにはカスタムされた車両が多く、ローダウン&アルミホイール交換が当たり前。実際、中古車市場にもカスタム車が数多く出回っています。もちろん、ちゃんとコストと手間をかけて改造されているなら問題ないのですが、中には実用性を度外視したものも……

というのも、ハイエースの足回りは、「ほとんどパーツを交換せずに調整だけで車高を下げられる」という特徴があり、ローダウンの敷居が極めて低いのです。

本来ならバンプストッパーを交換したり、アライメントを調整しなおされなければならないところを、簡易な方法だけで車高を下げてしまっている個体があり、それらの乗り心地は極悪。

路面の衝撃が直接伝わってしまうので、車体へのダメージも蓄積されます。極端な扁平タイヤを長年履き続けている場合も同様。車選びの際には試乗はもちろん、改造項目のチェックも忘れずに。

▲リアサスにダウンブロックを挟み、フロントのトーションバーを調整するだけで車高が下げられるハイエースの足回り▲リアサスにダウンブロックを挟み、フロントのトーションバーを調整するだけで車高が下げられるハイエースの足回り

もし私がH200系を購入するなら、改造の施されていないノーマル車両を選んで、購入後に自分好みのカスタムを施します。前述したように、きちんと整備されていれば多少走行距離が進んでいても問題ないので、ベース車両の購入価格を抑え、浮いた分の予算をカスタムに回すのもGOODなプランでしょう。ということで追記事項。

・ノーマルもしくはちゃんととコストをかけた改造が施されている個体を。試乗は必須!

以上、ハイエースをファミリーカー使いしたいパパさんのための購入ガイドでした。

text/田端邦彦
photo/田端邦彦、トヨタ

▼検索条件

トヨタ ハイエースワゴン(200系)×DX、GL×2012年5月以降発売モデル×ブラックマイカ、ホワイトパールクリスタルシャイン×本体価格200万円以下