▲「自分と同じ中高年に最適な輸入車はどれだ?」ということを考え続けてはや数週間。様々な紆余曲折と朝令暮改を経て、直近は「メルセデス・ベンツ CLA シューティングブレークが良いのでは?」という結論に ▲「自分と同じ中高年に最適な輸入車はどれだ?」ということを考え続けてはや数週間。様々な紆余曲折と朝令暮改を経て、直近は「メルセデス・ベンツ CLA シューティングブレークが良いのでは?」という結論に

旧Gクラス推しはサイズと安全装備の面でやや難があったかも?

どうしたって避けることのできない心身各部の老化に伴い、何事も若かりし頃とまったく同じというわけにはいかなくなる50代、60代の日々。

そんな中高年世代の車選びには、若者たちのそれとはまた違う「中高年ならではの指針」が必要なのではないかと、今年の秋で51歳になる筆者はこのところ考え続けている。

不肖筆者が考えるその指針とは、さしあたり以下の4項目だ。

1. つまらん車は買わない
(人生の残り時間を無駄使いしたくないし)

2. 無駄に大きな車は買わない
(空間認識能力もちょっと衰えてきてるし)

3. ある程度「上質」な車を選ぶ
(ボロめの車が似合うのは若者の特権だし)

4. 先進安全装備の有無にこだわる
(加齢とともにヒヤリ・ハットは必ず増えるし)

以上を踏まえ、過日は旧型のメルセデス・ベンツ Gクラスを推奨させていただいた。

だがその後、あらためて考えてみると「Gクラスはさすがにちょっとデカすぎて、先進安全装備が付かないという点も、中高年世代的にはちょっとアレなのかも……」と思うに至った。



そして同時に思ったのが、「ならばCLA シューティングブレークでどうか?」ということだった。

なぜ今、中高年世代にメルセデス・ベンツ CLA シューティングブレークをオススメしたいのか? 次章以降、ご説明しよう。

▲こちらがメルセデス・ベンツ CLA シューティングブレーク。「シューティングブレーク」というのは元々は英国貴族が狩猟に使っていたタイプの車だが、現在は「スポーティなステーションワゴン」ぐらいの意味になっている▲こちらがメルセデス・ベンツ CLA シューティングブレーク。「シューティングブレーク」というのは元々は英国貴族が狩猟に使っていたタイプの車だが、現在は「スポーティなステーションワゴン」ぐらいの意味になっている

妙に尻下がりなフォルムによる「違和感」が逆に魅力的

すでに詳しくご承知の人も多いと思うが、メルセデス・ベンツ CLA シューティングブレークとは、2015年6月に登場したメルセデスの比較的小ぶりなステーションワゴンだ。

全長4640 mm × 全幅1780mm × 全高1435mmというスリーサイズは、スバル レヴォーグと(細かく言えばちょっとだけ違うが)おおむね似たようなサイズ感。つまり、日本の道路においては非常に扱いやすい、そして我々中高年にとってもかなり扱いやすい、いい感じの寸法である。

これのベースは「CLAクラス」というコンパクトセダンで(メーカーは4ドアクーペと呼ぶが)、まぁ別にそっちを選んでも良いのだが、コンパクトなセダンというのは(筆者の偏見にすぎないかもしれないが)どうしても強烈な「老人感」を放ってしまう乗り物だ。「引退感」「ご隠居感」といいますか。

しかし同じCLAクラスでもシューティングブレーク方は、老人感や引退感とはほぼ無縁の、良い意味で「奇っ怪なフォルム」を持っている。

リアエンドまで緩やかな曲線を描くように伸ばされたルーフラインと、尻下がりな全体のフォルムが特徴的なわけだが、これについては「セクシー!」と評する人もいるだろうし、「なんだかちょっと変」と言う人もいるだろう。

だがいずれにせよ大切なのは、そこにある「絶妙な違和感」だ。この違和感こそが、これに乗る中高年の存在と個性とを程良く際立たせるのだ。……や、別に際立ちはしないのかもしれないが、まぁなんというか「その他大勢的なおじさん」という名の箱の中に入らずに済むのである。

▲ボディ後方までルーフラインが伸びたことで、4ドアクーペのCLAによりもヘッドクリアランスは42mm広くなっている。荷室容量は標準状態で495Lが確保され、6:4の分割可倒式後席を倒せば最大1354Lに▲ボディ後方までルーフラインが伸びたことで、4ドアクーペのCLAによりもヘッドクリアランスは42mm広くなっている。荷室容量は標準状態で495Lが確保され、6:4の分割可倒式後席を倒せば最大1354Lに

総額200万円台半ばから低走行物件を入手可能

搭載エンジンは様々だが、CLA180系のそれは最高出力122psの1.6L直噴ターボで、CLA250系は同211psの2L直噴ターボとなる。

そのほか360psの「メルセデスAMG CLA45 4MATICシューティングブレーク」や、後に追加された1.5Lディーゼルもあるが、基本的には1.6Lターボまたは2Lターボのいずれかを選ぶことになるだろう。どちらを選んでも力感は十分で、いかにもメルセデス・ベンツらしいシュアで重厚な走りを堪能できるはずだ。

そしてインテリアも写真下のとおりなかなか上質。もちろん最上級であるSクラスのような超絶豪華内装ではないが、中高年ならではのシブい世界観を構築するにはこのぐらいでもぜんぜん十分以上だと、個人的には思っている。

▲写真はCLA250シュポルト4MATIC(本国仕様)のインテリアで、流通量の多いCLA180系はもう少し落ち着いたニュアンスの内装デザインとなり、ステアリングホイールの形状も普通の円形に▲写真はCLA250シュポルト4MATIC(本国仕様)のインテリアで、流通量の多いCLA180系はもう少し落ち着いたニュアンスの内装デザインとなり、ステアリングホイールの形状も普通の円形に

加齢に伴い「ヒヤリハット」がどうしても増えてくる我々にとっての命綱である先進安全装備も、もちろん充実している。

「CPAプラス(緊急自動ブレーキ機能)」と、ドライバーの疲労度を示す「アテンションアシスト」は全車標準装備。そして「レーダーパッケージ」付きの中古車であれば、渋滞時の追従機能を備えたクルーズコントロール「ディストロニック・プラス」や「ブラインドスポット」「アクティブパーキングアシスト」なども装着されている。ちなみに2016年8月以降のモデルなら「パーキングアシストリアビューカメラ」も標準装備だ。

以上のとおり、すべてにわたり「なかなかステキじゃないか!」と思えるCLA シューティングブレークだが、その中古車相場は思いのほかお手頃だったりもする。

もちろん高年式のメルセデスゆえ「爆安!」ということはないが、走行3万km台までの修復歴なし物件でも、CLA180系であれば「総額240万円から300万円以下」のゾーンで十分探すことができるのだ。

……じっくり長く乗れそうな、悪くない選択かと思うのだが、いかがだろうか?

▲得も言われぬ違和感というか存在感が魅力となるCLA シューティングブレーク、ぜひチェックを!▲得も言われぬ違和感というか存在感が魅力となるCLA シューティングブレーク、ぜひチェックを!
text/伊達軍曹
photo/ダイムラー

▼検索条件

総額300万円以下×3万㎞台まで×修復歴なし