▲フロントから見るとランエボ譲りのマスクが目に入りますが…… ▲フロントから見るとランエボ譲りのマスクが目に入りますが……

ファミリーカーに使えるスポーツカーって?

昔はスポーツカーでブイブイ言わせていたけれど、家族ができたので泣く泣くファミリーカーへ乗り替え……というパターンはよくあるハナシ。

そこで最後の抵抗としてミニバンをチョイスしないで4ドアセダンにすると言って、ランエボやインプレッサをチョイス!! ってのももはや定番すぎて飽き飽きしてる人も多いのでは?

確かにランエボやインプレッサも4ドアセダンという形状はしているものの、どう見たって怪しいデッカイリアウイングややる気マンマンのフロントマスク、そして(ほぼ)マニュアルという組み合わせでは、うまく購入まではだませても納車された瞬間に険悪な雰囲気になることは間違いありません。

そんな家庭不和を防ぐためにオススメしたい羊の皮をかぶった狼な車があるのです。それがコチラ!

三菱 ギャランフォルティススポーツバック ラリーアート(初代)

▲リアは使い勝手に優れた5ドアハッチバック形状 ▲リアは使い勝手に優れた5ドアハッチバック形状

はい、三菱のギャランフォルティススポーツバックラリーアート(長い)です!

ギャランフォルティスとは、2005年で絶版となった三菱のミドルセダンであるギャランの名前を引き継いで2007年に登場したセダン。このギャランフォルティスはランサーエボリューションXのベース車でもあり、海外での販売名はランサーという少々ややこしい存在。

そして2008年に追加されたのが、ギャランフォルティスの5ドアハッチバック版のギャランフォルティススポーツバックという位置づけになります。4ドアセダンの室内空間はそのままにユーティリティを大幅にアップさせた5ドアボディのスポーツバックはファミリーカーとしての素質もバッチリですよね。

▲ランエボXにも搭載されていた4B11型インタークーラーターボエンジンを搭載 ▲ランエボXにも搭載されていた4B11型インタークーラーターボエンジンを搭載

しかし、通常のギャランフォルティススポーツバックは、1.8Lもしくは2LのNAエンジンのみのラインアップであり、そのエンジンに組み合わされるミッションもCVTのみと走りを求めるユーザーには物足りないスペック。

そこで注目したいのが、かつて三菱のワークスチームとしても名をはせたラリーアートの名前が付けられたグレードです。

なんとラリーアートグレードには、ランサーエボリューションXにも搭載されている4B11型インタークーラーターボエンジンが搭載されるのです。ターボチャージャーこそランエボXのツインスクロールターボからシングルスクロールターボになるものの、240ps/35.0kgf·mという十分すぎるパワー&トルクを発生させてくれます。

▲正確かつ素早いシフトを実現しつつAT免許でも乗れるツインクラッチSST ▲正確かつ素早いシフトを実現しつつAT免許でも乗れるツインクラッチSST

そしてそのエンジンに組み合わされるミッションはランエボXにも採用されたツインクラッチSSTという2ペダルMT。クラッチペダルがないためAT限定免許でも運転できるにも関わらず、MTのようなダイレクトな走行フィールが楽しめる逸品。

残念ながらランエボXに搭載されていた「スーパースポーツモード」は選択できませんが、とんでもなく高回転を維持しようとするスーパースポーツモードはサーキットをガンガンに攻めない限りは不要で、スポーツモードがあれば街中を十分スポーティに走ることが可能です。

もちろん駆動方式はランエボ譲りの4WD。アクティブ・ヨー・コントロール(AYC)こそ省かれていますが、路面をガッチリとらえてくれるフルタイム4WDはファミリーカーとしての安心感も高めてくれるでしょう。

足回りもガチガチのハードなサスペンションのランエボに対して、こちらは乗り心地も考慮したしなやかな乗り味なのも美点です。

▲セダン譲りの室内空間とリアシートを倒すと最長157cmもの奥行きのあるラゲージが ▲セダン譲りの室内空間とリアシートを倒すと最長157cmもの奥行きのあるラゲージが

そんなファミリーカーとしての資質も十分なギャランフォルティススポーツバックラリーアートは、総額で110万円くらいから狙うことができてしまいます。

兄弟車ともいえるランエボXは150万円弱くらいからとなりますが、前者が「5.7万km修復歴なし」の物件が狙えるのに対して、後者は「13.9万kmの修復歴あり」であることを鑑みると、明らかにお買い得感が違うことがお分かりいただけるでしょう。

このように、ファミリーカーとしてもスポーツモデルとしても高い位置でバランスが取れているギャランフォルティススポーツバックラリーアート、世間が気づく前の今がラストチャンスかもしれませんよ!

text/小鮒康一
photo/篠原晃一

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三菱 ギャランフォルティススポーツバック ラリーアート(初代)