▲圧倒的な信頼性を誇る4WDシステムを搭載するジムニー。年末から来年にかけては相場上昇が避けられないかも…… ▲圧倒的な信頼性を誇る4WDシステムを搭載するジムニー。年末から来年にかけては相場上昇が避けられないかも……

そろそろジムニーの相場が上昇する時期に。今年はいつも以上になる?

現行型ジムニー(JB23型)が登場したのは1998年10月。軽自動車規格が現在のものへと改正されたタイミングでした。

同時期に登場した軽自動車はすでに数回のフルモデルチェンジが行われていますが、現行型である3代目ジムニーは現在まで19年間もフルモデルチェンジを行わずに生産されています。

しかし、この秋ごろから海外でのジムニーシエラの公道テストの風景がスクープされるなど、「いよいよフルモデルチェンジするのか!?」という雰囲気になってきました。これは楽しみなニュースです。

ところで、中古車市場では人気車が大胆なモデルチェンジを行うと先代モデルの相場が一気に上昇することがあります。

これは新型と先代モデルを比べて「先代の方がいい」と考えた人が中古車市場に一気に流れてくるために起こる現象です。

中でも走りに振ったモデルでこの傾向が現れることが多く、過去にはレガシィシリーズやスカイラインGT-R、ランサーエボリューションなどで同じ現象が見られました。

コアなファンが多いジムニーですから、フルモデルチェンジの噂が出始めたことにより、新型が登場する前から中古車相場に動きが出ると予想します。

3代目に乗りたいと思っている人は、早めに動いた方がいいかもしれないですね。

繰り返しになりますが、3代目ジムニーはデビューから19年がたちます。その間に細かい変更が繰り返されており、登場直後の1型~現在新車販売されている10型に分けることができます。

中でも「4→5型」と「6→7型」の変更は大きいものでした。デザイン面などの小変更だけではなく、走行性能にかかわるギアやエンジンにも手が入れられました。

この中から自分に合った型を選ぶのは、至難の業かもしれません。

そこで今回は使用するシーンに合わせて、果たしてどの型を選ぶのが良いのかを考えてみました。ぜひ参考にしてみてください。

①本気仕様のカスタムベースで、購入費用を抑えたいなら

第1候補:5、6型(2004年10月~2008年6月)
第2候補:4型(2002年1月~2004年9月)


▲フロントグリルのデザインやインパネデザインなどの見た目だけではなく、ギア比の変更など走破性に関係する部分も改良された5型 ▲フロントグリルのデザインやインパネデザインなどの見た目だけではなく、ギア比の変更など走破性に関係する部分も改良された5型

林道走行用にフルカスタムするから、ベース車の足回りやミッションなどはヘタッていてもいい。カスタムにお金を掛ける分、ベース車はなるべく安い方がいい。

こう考えるなら走行距離を気にせず選ぶのもありでしょう。年式と距離を気にしなければ予算50万円でも選択肢がかなりありますよ。

4型までは2WD→4WDの切り替えがレバー式だったのですが、5型からボタン式に変更されたので、できれば5型を狙いたいところ。山までいくときに使う2WDと、山に入ってからの4WD、さらにはぬかるんだ道などを走るときに使う4WD-Lの切り替えはスイッチで行える方が楽です。

さらに5型では新型トランスファーの採用により、ローレンジのローギアード化を実現。オフロードでの走行性能が高まっています。

2WD→4WDの切り替えはレバーで行う方が「むしろ味があっていい」と考えるなら4型までを狙うのもあり。2型からはABSが標準になり、さらに4型からは上級グレードのXCに電動格納式ミラーが搭載されました。日常での使い勝手も考えるなら、4型狙いがいいでしょう。

▲日常での使い勝手も向上している4型。上級グレードには電動格納式のミラーも搭載された ▲日常での使い勝手も向上している4型。上級グレードには電動格納式のミラーも搭載された

中古車にはすでにカスタムされた状態で販売されているものもあるので、自分が目指す方向性に合うものを探せば、カスタム費用も抑えることができます。カスタムに加えエンジン&ミッションのオーバーホールも行えば、過走行車でもいい走りを楽しめるはず。

ひとつ注意してほしいのは、雪国でガンガン使われたものだと融雪剤の影響でボディ下まわりが傷んでいるケースもあること。完全な遊び車と割り切るなら、それでもいいでしょう。しかし日常でも使うなら、販売店でボディの状態をしっかりチェックしましょう。

②ファッション性を重視してATで街乗りを楽しむなら

第1候補:7、8型(2008年6月~2012年4月)
第2候補:5、6型(2004年10月~2008年6月)

▲スペアタイヤのハーフカバーが標準装備になった7型。エンジンも改良され加速感と扱いやすさが向上した ▲スペアタイヤのハーフカバーが標準装備になった7型。エンジンも改良され加速感と扱いやすさが向上した

ジムニーは強靭なラダーフレームを採用し、軽い車体で荒れた林道などもガンガン走れます。でも「ジムニーの形が好きだから乗りたい。林道などは走らず、街乗りが中心」とお考えなら、ATでもまったく問題ないでしょう。

操作性の高いゲート式シフトレバーになった5型以降が、普段使いもしやすくオススメです。

▲誤操作が少ないゲート式シフトレバーは、5型以降に導入されている ▲誤操作が少ないゲート式シフトレバーは、5型以降に導入されている

さらに7型からはリアに背負うスペアタイヤにカバーが付きました。ここは好みが分かれるところですが、街乗り派ならカバーがあった方がお洒落ではないでしょうか。

5型だとデビューから13年経過しているため、10万km以上走ったものが中心になりますが、予算70万円まで目を向ければ走行10万km未満のものも見つけやすくなります。7型なら予算100万円で走行6万km前後のものも見つかります。

③夫婦でのんびりアウトドアを楽しむなら

第1候補:7、8型のランドベンチャー(2008年6月~2012年4月)を探す
第2候補:9、10型のクロスアドベンチャー(2012年5月~)を探す


▲特別仕様車のランドベンチャー(7型)。専用のフロントバンパーやルーフレールを採用しており、精悍な印象のエクステリアとなっている ▲特別仕様車のランドベンチャー(7型)。専用のフロントバンパーやルーフレールを採用しており、精悍な印象のエクステリアとなっている

子供が独立したので、次に選ぶ車は小さな軽自動車で十分。そして軽に乗るならアウトドアも楽しみたいし、ジムニーがいい。このような場合は、思い切りカスタムしてあるものよりも、フルノーマル、あるいはそれに近い状態のものがいいはず。

ランドベンチャーやワイルドウインドなど、ジムニーにはそれぞれの型に特別仕様車が用意されています。

本革&ファブリックシートや本革ステアリング、シートヒーターなどが装備された特別仕様車は人気があり相場も高めです。しかし完全ノーマル状態や、軽くインチアップされた程度の個体も見つけやすくなっています。

リアシートも左右独立して格納することができるので、荷物が多いときも安心です。2Hから4Lへ直接ギアチェンジできるようになった7型は、キャンプ場のぬかるみを通るときなどに便利です。

▲こちらは特別仕様車のクロスアドベンチャー(7型)。撥水・透湿・消臭機能をあわせ持つシートとなっている ▲こちらは特別仕様車のクロスアドベンチャー(7型)。撥水・透湿・消臭機能をあわせ持つシートとなっている

もし予算に余裕があるなら高年式低走行の特別仕様車、例えば9型のクロスアドベンチャーなんかがオススメです。

インテリアに赤いステッチを採用していたり、フロントグリルやアルミホイールも専用装備になっています。9型はちょうど2度目の車検時期を迎えている個体も多く、流通量が豊富です。

7型なら予算100万円ほどでも走行距離5万km前後のものが結構あります。9型も予算130万円前後で見つかりますよ。

「今の型じゃなきゃダメ!」という人はお早めに

▲新型ジムニーの登場も楽しみですが、「今の型がいい」と思っている人も多いはず ▲新型ジムニーの登場も楽しみですが、「現行型がいい」と思っている人も多いはず

次期モデルに関してはまだスズキから正式なアナウンスはありませんが、3代目の購入を考えている人は、今のうちにに検討を始めておきましょう。

本気のスポーツ走行から街乗りまで、ジムニーはいろいろな楽しみ方ができるモデルです。あなたも素敵なジムニーライフを!

text/高橋 満(BRIDGE MAN)
photo/スズキ