第26回:もともと壊れていた機能を1年後に発見。修理は…?
カテゴリー: 購入後のトラブル
タグ:
2007/10/09
Q.もともと壊れていた機能。
1年後でも無償修理は可能?
車雑誌を読んでいて、1年以上前に購入した車に「コーナーセンサー機能」が付いていることを知りました。でも、これまで警告音が鳴った記憶がありません。それらしきスイッチを見つけて押してみるも状況は変わらず。購入した販売店に持って行くと「壊れてますね」とのこと。
1回も使ってないのだから、販売店の責任で無償修理してくれるだろうと思っていたら、「保証期間外なので実費です」と言われました。納得がいかないのですが「瑕疵担保責任」の追求はできないでしょうか。
A.どの段階で壊れたのかを立証できない限り
このケースの場合、購入から1年が経過しています。問題なのは、その1年間のうちのどのタイミングで故障したのかがわからないこと。購入者は、1回も使っていないので最初から壊れていたと主張していますが、それは論拠にはなりません。もしかすると経年劣化でつい最近壊れた可能性もあります。法律的には、しっかりとした証拠がないと判断ができないのです。結局は販売店と購入者の水掛け論になり、販売店の責任を追及したければ裁判になる可能性が高くなります。
裁判は原告に立証責任があるので、購入時に既に壊れていたことを立証する責任は購入者に出てきます。「コーナーセンサーが壊れた原因」また「壊れた時期が1年以上前であること」を調べて証明しなくてはいけません。しかし、これは一般人には難しいと言わざるを得ません。
それでは「瑕疵担保責任」で契約の解除または損害賠償を請求できるかといった話ですが、これも難しいでしょう。そもそも、スイッチは目に見えるモノです。確かに、そのスイッチが何かまではわからないにしても、押してみてなにか変化が現れるかは確認ができるものです。そういう意味では「隠れた瑕疵」とは言えないかもしれません。
ちなみに、100歩譲ってそのスイッチがなんのスイッチか、一般人には理解ができないとしましょう。その場合は「隠れた瑕疵」になります。もしも、その瑕疵によって購入した目的を達成することができない場合、中古車は代替品がないといった性質上、契約の解除ができます。
例えばエンジンの故障など走行そのものに関する瑕疵。これは走ると言った車の基本性能を満たしておらず、購入した目的を達することができません。よって、契約の解除により全額返金してもらうことが可能になります。
今回のコーナーセンサーの故障は、車の基本性能である走行性能自体の欠陥ではないので、「購入した目的を達成することができない」程の話ではありません。よって、契約の解除で全額を返金してもらうのは難しいと思われます。
結論として、やはり購入から1年は時間が経過しすぎています。これが1ヵ月くらいだと、事実上最初から壊れていたと推定される可能性も高くなります。中古車を購入するときには「動かせる部分はすべて動かす」「不明な点は確認する」などして、不具合がないかをしっかり確かめておくことが重要でしょう。
1回も使ってないのだから、販売店の責任で無償修理してくれるだろうと思っていたら、「保証期間外なので実費です」と言われました。納得がいかないのですが「瑕疵担保責任」の追求はできないでしょうか。
A.どの段階で壊れたのかを立証できない限り
保証は難しいでしょう。
このケースの場合、購入から1年が経過しています。問題なのは、その1年間のうちのどのタイミングで故障したのかがわからないこと。購入者は、1回も使っていないので最初から壊れていたと主張していますが、それは論拠にはなりません。もしかすると経年劣化でつい最近壊れた可能性もあります。法律的には、しっかりとした証拠がないと判断ができないのです。結局は販売店と購入者の水掛け論になり、販売店の責任を追及したければ裁判になる可能性が高くなります。裁判は原告に立証責任があるので、購入時に既に壊れていたことを立証する責任は購入者に出てきます。「コーナーセンサーが壊れた原因」また「壊れた時期が1年以上前であること」を調べて証明しなくてはいけません。しかし、これは一般人には難しいと言わざるを得ません。
それでは「瑕疵担保責任」で契約の解除または損害賠償を請求できるかといった話ですが、これも難しいでしょう。そもそも、スイッチは目に見えるモノです。確かに、そのスイッチが何かまではわからないにしても、押してみてなにか変化が現れるかは確認ができるものです。そういう意味では「隠れた瑕疵」とは言えないかもしれません。
ちなみに、100歩譲ってそのスイッチがなんのスイッチか、一般人には理解ができないとしましょう。その場合は「隠れた瑕疵」になります。もしも、その瑕疵によって購入した目的を達成することができない場合、中古車は代替品がないといった性質上、契約の解除ができます。
例えばエンジンの故障など走行そのものに関する瑕疵。これは走ると言った車の基本性能を満たしておらず、購入した目的を達することができません。よって、契約の解除により全額返金してもらうことが可能になります。
今回のコーナーセンサーの故障は、車の基本性能である走行性能自体の欠陥ではないので、「購入した目的を達成することができない」程の話ではありません。よって、契約の解除で全額を返金してもらうのは難しいと思われます。
結論として、やはり購入から1年は時間が経過しすぎています。これが1ヵ月くらいだと、事実上最初から壊れていたと推定される可能性も高くなります。中古車を購入するときには「動かせる部分はすべて動かす」「不明な点は確認する」などして、不具合がないかをしっかり確かめておくことが重要でしょう。
■ワンポイント法律用語■
立証責任(りっしょうせきにん)
民事訴訟法上は、原則として権利関係の発生、変更、消滅等の法律効果を主張する当事者が証明責任を負い、裁判において事実の真偽がわからない場合、その当事者が不利益を被る。買い主が販売店に対して損害賠償を請求する場合は、買い主は立証責任を負担することになる。隠れた瑕疵(かくれたかし)
売買の対象とされた特定のものに見つかった、取引の時点では分からなかった傷や欠陥のこと。責任は売り主に発生する。代替性があるものなら交換すればよいが、中古車は一物一価なので代替性がなく、損害賠償か契約解除による事態の解決が行われることが多い。日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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