インディをはじめ、数々のレースで活躍するプロレーシングドライバー・ロジャー安川氏が、北米でしか販売されていない魅力的な車を日本のみなさんに紹介します。

フルモデルチェンジを行い、北米版オーリスともいえるデザインに

トヨタ マトリックス フロントスタイル|ロジャー安川の米国自動車浪漫 トヨタ マトリックス リアスタイル|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑見た目はオーリスをスポーティにした感じで、XRSモデルにはルーフスポイラーや18インチのホイールが装備されています
2002年から北米で販売されているトヨタ マトリックスは、GMとの共同開発車として生産がはじまりました。北米ではカローラのハッチバックとしても親しまれています。ちなみにGMでは、ボディのデザインを変えポンテアック ヴァイブとして販売されています。そのヴァイブは日本では2004年までトヨタ ヴォルツとして販売していました。
そんなマトリックスが今回フルモデルチェンジを行い、2009年モデルとなりました。デザインは、北米版オーリスと言っても良いほどにトヨタのオーリスと似たものになっています。サイズ的にはライバル車は、日産 ヴァーサ(日本名:ティーダ)やサイオン xBなどです。

トヨタ マトリックス インパネ|ロジャー安川の米国自動車浪漫 トヨタ マトリックス 運転席|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑センターコンソールやダッシュには、シルバーのアクセントを使いシャープな雰囲気に。乗り心地はSUVに近いフワッとした感覚
前モデルには1.8Lのエンジンが積まれていたのに対して、2009年モデルのトップグレードXRSには2.4Lの2AZ-FE型エンジンが搭載されています。ベースモデルにはカローラでも使用している1.8Lのエンジンが搭載されていますが、ミッドグレードのSモデルとXRSモデルには2.4Lエンジンが標準装備となります。
デビューした当初は、カジュアル&スポーティを重視していたマトリックス。2009年モデルの外観やインテリアのデザインにもそのイメージが見受けられます。また街で走っているマトリックスを見るとほとんどがSかXRSグレードのような印象をうけます。XRSモデルにはエアロパーツや18インチのホイールが装備されているので、ヨーロピアン風のスポーティなワゴンのようにも見えます。
しかしながらスポーティなのは見た目だけで、走りに関してはステーションワゴンというより、SUVに近いフワッとした味つけになっています。

トヨタ マトリックス エンジン|ロジャー安川の米国自動車浪漫 トヨタ マトリックス 走り|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑カムリやxBでも使用しているDOHC 2.4Lエンジンを積み最高出力は158馬力。前モデルよりもスポーティさには欠けますが、トルクが増えた分ドライバビリティは向上しています
今回試乗したのは、トップグレードのXRS。2.4Lのエンジンは、初代モデルのマトリックスのXRSと比べると、ピーキーな部分がなくなりますが、排気量が増えトルクが増した分も街の中での加速や運転は楽になりました。2.4Lエンジンには5ATのミッションが装備されていて、スポーツドライブを楽しむこともできるように、5MTも選択できます。
また、Sモデルのみオプションで4WDを選ぶことが可能ですが、4WDモデルはヨーロッパ志向の強いカナダでの販売が対象となっています。

アメリカ西海岸では、サイオンブランドの人気が高まるまでは元気のあったマトリックスですが、同じ2.4Lエンジンにプラットフォームも共用するxB(北米版ルミオン)が、より低価格で買えるので、今後のマトリックスの売れ行きが気になるところです。

主要諸元のグレード:MATRIX XRS 駆動方式:FF トランスミッション:5AT 全長×全幅×全高:4394mmX1765mmX1560mm ホイールベース:2601mm 車両重量:1461kg 乗車定員:5名 エンジン種類:DOHC 直列4気筒 総排気量:2.4L
最高出力:158ps/6000rpm 最大トルク:22.4kg-m/4000rpm 10・15モード燃費(km/L):- ガソリン種類/容量:無鉛レギュラー/50L 車両本体価格:$21,950(約230万円)

(Tester/ロジャー安川 Photo/竹内英士)