スクエアかつ背高なデザインで
軽自動車らしからぬ広い室内空間を確保

CONCEPT
国内累計販売台数300万台以上の超売れ筋モデル
初代ワゴンRのデビューは1993年。高めの位置に腰掛けるように座らせることでレッグスペースを稼ぎ、大人4人分の居住空間と十分なラゲージスペースを確保して、軽乗用車に新たな可能性をもたらした。9月にフルモデルチェンジを控えた現行3代目もその美点を継承し、日本一の販売台数を誇っている。
MECHANISM
4種類のエンジンと3タイプのトランスミッションを設定
K6A型660cc3気筒DOHCエンジンを全グレードに展開。自然吸気(NA)、実用型ターボ、高出力ターボ、直噴ターボの4種類が用意され、高出力ターボは規制上限の64psを発生するが、2005年9月のマイナーチェンジで廃止。トランスミッションは5MTと4ATに加え、2006年9月からCVTが設定された。
EXTERIOR & INTERIOR
使い勝手を高める、多彩な収納スペースとシートアレンジ
短いボンネットにスクエアなキャビン、ボディ同色ピラーを採用し、骨太感を強調したデザインは初代からの伝統だ。5MT車以外の前席には、ベンチシートを採用。室内装備の使い勝手はよく考えられており、助手席下にバケツとして使える収納ボックスを装備し、後席は左右独立して135mmスライドできる。
DRIVING IMPRESSION
マイルド、パワフル…。ルックス通りの走行性能
フロントマスクの違いに合わせ、乗り味を差別化。Fグレード系は乗り心地を重視したテイストで、RR系とスティングレー系は、ハンドリングを重視したメリハリのあるテイスト。街乗りの範囲ならNAエンジンでも非力さを感じる場面は少なく、直噴ターボ車はリッターカーを凌駕するほどの動力性能を発揮。
2003年 9月/デビュー 搭載エンジンに対応させた全6種類をラインナップ
  • スズキ ワゴンR フロントスタイル|人気中古車完全カタログ
RR系にはエアログリルやバンパー、スポーツサスペンションなどの専用装備を採用。10mmのローダウンも施されている
3代目ワゴンRは、「さまざまなユーザーや使用シーンに対応した万能型ワゴン」がコンセプト。グレードは、ベーシックなF系とスポーティなRRの2つに大別される。さらに搭載エンジンによって分けられており、F系にはバランスの良いNAエンジンを搭載したFAとFX、扱いやすい実用的なMターボ搭載のFTとFSを用意。RRには高出力ターボ搭載のベースグレードと、軽自動車初の直噴ターボを搭載したRR-DIが設定された。トランスミッションは全車4ATで、FAとFXのみ5MTも用意。
2004年 12月/一部改良&特別仕様車 スポーティな内外装と高い質感の特別仕様車が登場
  • スズキ ワゴンR シート|人気中古車完全カタログ
  • スズキ ワゴンR フロントスタイル|人気中古車完全カタログ
左/ドアトリムはシートと同じファブリックに変更。A4サイズが収納可能な大型のドアポケットも新たに搭載された 右/14インチアルミホイールはSリミテッド共通の装備。写真はFT-Sリミテッドで、力強いデザインのグリルが特徴だ
NAエンジンを搭載した4WDの4AT車は排出ガス性能が向上。シート表皮は起毛タイプに変更された。このほか、FSは廃止され、新たにFTとFXがベースの特別仕様車、Sリミテッドが発売となっている。
2005年 9月/マイナーチェンジ 内外装のイメージチェンジとグレード整理などを実施
  • スズキ ワゴンR インパネ|人気中古車完全カタログ
  • スズキ ワゴンR フロントスタイル|人気中古車完全カタログ
左/RR-DIを除くインパネには、明るいグレーを採用。メーターパネルはブラックの自発光式に変更となっている 右/グリルは横バータイプに変更。このほか、ラグーンターコイズメタリックなどのボディカラーが追加されている
グリルやインパネなどのデザインを変更。2WDの5MT車を除く全車は、燃費の向上も果たした。これらの変更は、引き続き販売となったSリミテッドにも実施されている。なお、RRは廃止。
2006年 9月/特別仕様車 リミテッドのCVT搭載車をはじめとした多数の特別仕様車
  • スズキ ワゴンR HDDナビ|人気中古車完全カタログ
ナビスペシャルに搭載されたHDDナビ。7インチワイドの大型画面で、ナビとDVD画面が同時に2分割で表示可能だった
FX−SリミテッドにCVT搭載車を追加。22.5km/Lもの低燃費を実現しており、平成22年度燃費基準+20%達成を果たした。同時に、Mターボエンジンを搭載した特別仕様車、RR-Sリミテッドが登場。専用リアバンパーやターンランプ付きドアミラーカバーのほか、反射板が青みがかったブルーリフレクタータイプのハロゲンヘッドランプなどを採用していた。なお、同年10月には、HDDナビを特別装備したナビスペシャルとナビスペシャルターボも登場。本革巻きステアリングなども奢られていた。
2007年 2月/グレード追加 精悍でスタイリッシュな内外装を与えられた新グレード
  • スズキ ワゴンR フロントスタイル|人気中古車完全カタログ
  • スズキ ワゴンR インテリア|人気中古車完全カタログ
左/外観は力強い印象。ボディ色は角度によって異なった色に見えるスパークブラックパールなど、全6色が設定された 右/波状のドット柄を施した専用シート表皮を採用。メーターベゼルやエアコンルーバーにはブラックメッキが施された
「クールフェイス ワゴンR」をデザインコンセプトとしたスティングレーを追加。2重構造のスケルトングリルを搭載するなど、ワイルドな印象の一台だ。内装はブラックが基調で、輝きのある専用インパネガーニッシュやドアアームレストなどにより、上質な印象となっている。キーレススタートやディスチャージヘッドランプを標準とするなど、充実した装備も特徴だ。グレードは、直噴ターボのDI、MターボのT、NA搭載のXという3種類。全車4ATのみで、FFと4WDが用意されていた。
  5月/一部改良&グレード追加 内外装の変更と装備の追加で、より魅力的なモデルに進化
  • スズキ ワゴンR フロントスタイル|人気中古車完全カタログ
FT−Sリミテッドのグリルは、メッキを施して大型化。ターンランプ付きドアミラーカバーやフォグランプも追加となった
NAエンジンとCVTを搭載した新グレード、FCを設定。また、スティングレーのXにも新たにCVT搭載車が追加されており、両モデルとも23km/Lの低燃費を実現している。RR-DIとRR-S/FX-S/FT-Sリミテッドは、シート表皮とドアトリムのデザインを変更。キーレススタートシステムを新たに採用するなど、装備の充実も図られた。FX-S/FT-Sリミテッドはアルミホイールのデザインを変更したほか、アンティークローズメタリックといった新ボディカラーの追加が行われている。
文:安藤 眞、ユニットクワトロ