日本人に夢と希望を与えたクルマ

クルマに憧れ、クルマに触れ、クルマを楽しみ、クルマと過ごす純国産車が日本の歴史にくっきり足跡を刻んでから約50年
我々の記憶に夢と希望を焼きつけた4モデルをピックアップした
SUBARU 360
スバル 360(絶版)
スバル360(絶版)|日本車はステキだ!
50年前の1958年に発売された。リアにエンジンを置き、後ろヒンジの2枚ドアが付く。ボディタイプはクーペタイプとキャンバストップのコンバーチブル、バンがある
今年で生誕50周年の
元祖“ニッポンの国民車”
愛くるしいデザインは今も見る人を癒してくれる。“てんとう虫”が、1958年に発表されクルマに憧れる日本人を熱狂させたかと思うと、微笑ましくもあり、羨ましい。VWビートルやルノー4CVなど、参考に値する欧州車がすでにあったが、1950年代終わりにスバル360をモノにしたエンジニア魂には感服するほかない。軽量な4シーターの本格乗用車。官僚が推進した国民車構想だけにとらわれず、独自の技術力と信念が生み出した、日本のモータリゼーションの礎である。



TOYOTA 2000GT
トヨタ 2000GT(絶版)
トヨタ2000GT(絶版)|日本車はステキだ!
1967年から1970年まで、トヨタとヤマハが共同開発したハンドメイドのスポーツカー。高度なメカニズムと流麗なデザインを備えた、本格的な「グランド・ツーリングカー」としては日本最初のモデルと言える
世界中のカーマニアに
その名が知られた希有な存在
趣味の世界において、これからも受け継がれていくべき国産車の筆頭がトヨタ2000GTだ。まず間違いなく、世界中のカーマニアにその名が知れた存在だろう。今となっては性能的に見るべきものはないけれど、デザイン的には国産車で唯一、世界に誇れるスポーツカーであると思う。実物を見ればわかるが、想像以上に小さい。けれどもこうして写真で見ると、どう見ても立派なGTカーに見える。そこにカーデザインの妙味があり、マニアは惹かれる。



HONDA BEAT
ホンダ ビート(絶版)
ホンダビート(絶版)|日本車はステキだ!
軽自動車で初めてエンジンを後方に置くミッドシップエンジンレイアウトを採用したオープンスポーツカー。ミッションはMTのみ。NAながら最高出力は64psだった

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2座MRオープンという
バブルが生んだ正の財産
バブル経済はその後の日本社会に多大な負の影響を与えたが、ことクルマの商品化という面では、正の財産を多く生み出した。1980年代終わりから1990年代初めにかけて、多くの名車が輩出した。ABCトリオと称される軽スポーツは日本独特のクルマである軽自動車でありながら、それぞれ独創的な仕立てが施されて、今なおマニアックな評価も高い。なかでもSハチの再来と言われたホンダビート。軽でミッドシップオープン2シーターという不世出感がたまらなくいい。



MITSUBISHI PAJERO
三菱 パジェロ(初代)
三菱パジェロ(初代)|日本車はステキだ!
1982年に発売された三菱SUV。パジェロと同義にもなるパリ・ダカへの挑戦・部門優勝が始まったのは初代。アドベンチャー仕様など特装車も数多く存在した。現行型で4代目
ジープではなくパジェロの
ブランドを早期に確立した
戦後、自動車といえばGHQのジープだった。40年後。ジープをベースにしたアイデアが実を結び、翻って世界のクルマ好きから一斉に注目される存在になろうとは、焼け跡で彷徨う日本人には、想像もできない展開だったであろう。実用ワゴンスタイルのジープというコンセプトはアメリカ生まれのものだが、それを真の乗用車レベルに昇華し、あまつさえ耐久レースで頂点を極めて世界中の信頼を勝ち取ったパジェロは、早い時代からブランドであった。
Report/西川 淳
※この記事は、カーセンサー関東版14号(7月3日発売)の特集をWEB用に再構成したものです