スズキ カプチーノ ▲なんとか小型FRスポーツを発売したいトヨタは、スズキと協業できないかと検討を始めた模様だ。もし、スズキとのプロジェクトが実現すればカプチーノ再来も夢じゃない?

※当記事はムックハウス社の発行する雑誌「マガジンX」編集部より寄稿いただたものです。内容は雑誌の内容をWEB用に一部再編成しています。マガジンXの詳細は記事末のリンクをご確認ください

暗礁に乗り上げたトヨタの計画

次期コペンの開発が曲がり角に差し掛かっている。不正問題によるダイハツのイメージ毀損が大きくこのまま発売しても支持を得られないのでは? との懸念が生じているらしい。

そこで、トヨタの思惑も絡むプロジェクトにスズキを巻き込むアイデアが浮上しているとの情報をキャッチした。

ダイハツがコペンの将来像を模索し軽自動車からの脱却と登録車へのくら替えを検討していることは、2023年開催のジャパンモビリティショーで明かされたとおりだ。
 

ダイハツ コペン▲ジャパンモビリティショーに出品されたコペンのスタディモデル。軽自動車の枠を飛び出して登録車に変わった場合の将来像で来場者の反応を探る目的で出展された
トヨタ S-FR▲市販化を前提に開発が進んでいたトヨタ S-FR。2015年東京モーターショー出品時にはデビュー間近を思わせる完成度だったが採算が合わないとの理由からお蔵入りとなった

ダイハツの象徴を目指したが……

トヨタにダイハツ開発陣が出向いてプロジェクトは動き始めていた。「ダイハツを象徴する特別な車を作り上げたい」との思いがダイハツの中で沸き起こったからだ。

しかし、約半年にも及ぶ第三者委員会の調査結果で174個もの不正行為が判明したダイハツの認証不正により雲行きは怪しくなっている。

トヨタとしては惜しくも幻に終わったS-FRの開発で培ったノウハウを生かせるチャンスでもあった。

では、次期コペンはどうなるのか? 前述のプロジェクト開発現場では「スズキと組んではどうか?」との声が浮上していることをキャッチした。
 

スズキ カプチーノ▲1991年に登場したスズキ カプチーノは660cc直3ターボが搭載されたFR方式の軽自動車。分割式のルーフパネルは取り外し可能でバックウインドウはキャビン後方に沈む込む構造だった

カプチーノ復活か?

ただし、ことはそう簡単にはいかない。提携相手を変えるだけの単純な話ではないのだ。横たわる課題は多いといえる。

例えば設計。ダイハツは長期間にわたってトヨタの仕事を下支えしてきた経験と技術者の交流を盛んに行ってきた。トヨタ流の設計要件を把握し理解している。

だが、スズキが相手となればこのあたりが共有できていないため、コミュニケーションに時間を要することが予想される。

いずれにしても設計はある程度進んでいるはずで、いまさら白紙に戻してゼロからスタートする可能性は低いだろう。

もし、スズキが水を向けられたらこの話に乗るか乗らないか。カプチーノ復活に期待したい。

※2024年2月26日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

文/マガジンX編集部
写真/マガジンX編集部、トヨタ、スズキ