【マンガ】フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型)ってどんな車? 詳しく解説【人気車ゼミ】
2021/11/12
講師紹介
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
マンガ家
田代哲也
マンガ家・イラストレーター。1987年『週刊少年ジャンプ・サマースペシャル』(集英社)でデビュー。少年マンガ誌、青年マンガ誌、スポーツ雑誌などジャンルを問わず執筆。絵本『田んぼの昆虫たんけん隊』『水泳大好き!トラ』(星の環会)。2004年より東放学園高等専修学校、東放学園映画専門学校で講師を務める。スズキの車を5台乗り継ぎ、現在の愛車はエスクード。
重要ワード(マンガ内※)解説
第1世代となるゴルフIは、イタリア人カーデザイナーのジョルジェット・ジウジアーロの傑作と評されるモデル。コンパクトなボディに大人4人がゆったり乗れるパッケージング、シンプルで無駄のないデザインはコンパクトな大衆車のベンチマークになった。
ゴルフIはE、GLEといったベーシックなラインと、走りの性能を極めたGTI(写真)というホットハッチが用意された。これは第2世代以降に受け継がれ、先代の第7世代にもGTIやRが設定されていた。第8世代でもスポーツモデルの導入が期待される。
初期のロゴマークは社内コンペでポルシェの従業員が作ったものを採用したといわれている。2020年6月に導入された新エンブレムはロゴを2次元化。
第7世代のゴルフはMQBと呼ばれる新たな開発手法を採用。これにより、しっとりとした上質な乗り味と正確なハンドリングを実現。そして、環境性能と安全性能を高めた数々の新技術を採用したことが評価され、輸入車として初めて日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
フォルクスワーゲン、ポルシェ、アウディ、BMW、ダイムラーの5社は、環境規制の強化を受けて2011年に48Vの電源規格となる“LV148”を策定。統一規格のマイルドハイブリッドシシテム(MHS)を採用している。フォルクスワーゲンはこのゴルフにMHSを初搭載した。
フロントサスペンションはマクファーソンストラット式で共通だが、リアは1L車がトレーリングアーム式、1.5L車がスタビライザー付きの4リンク式と、異なるシステムを採用。エンジン特性に合わせたシステムにより、どちらも快適性と優れたハンドリングを実現した。
開発者に話を聞くと、部品は1円より小さい“銭”単位で計算しながらより良い部品選びをしている。先代が爆発的にヒットしたモデルや歴史のある定番モデルだと新型も販売台数が見込めるため、新しいモデルより潤沢な予算をかけて開発することができるという。
例えば、フォルクスワーゲンが先代ゴルフから採用したプラットフォーム規格“MQB”は、ポロ、ゴルフトゥーラン、パサート、アルテオンなど、B-DセグメントのFFベース車に数多く採用。多くのモデルで使うことで1台当たりのコストを下げることに成功した。
“デジタルコックピット”と名付けられたシステムは、10インチのタッチスクリーン式ディスプレイとステアリングスイッチを中心に構成。操作ボタンを減らすことでスッキリしたデザインを実現した。