次期プリウスのセールスポイントは?
カテゴリー: クルマ
タグ: トヨタ / プリウス / ニューモデルスクープ!
2021/07/14
特別なものではなくなったハイブリッド
トヨタのハイブリッド車の象徴であるプリウス。絶えず最新の技術が与えられてきた歴史がある。1997年に登場した初代は、世界初のハイブリッドカーとして名をはせた。
自動車界の歴史に新たな一ページを刻み、その後もCO2削減に向けて良好な燃費を追求する役割を負ってきた。その役割は現在も変わっていないが、カローラにもハイブリッド仕様が設定された現在、ハイブリッドカーはいまや特別な存在ではない。
だからこそ、プリウスは次の一歩を踏み出すべきで、次期5代目で大きな飛躍を遂げるのでは?との世間の期待値が上がるのも当然だろう。しかし、実際のところは足踏み状態が続きそうだ。
まだ全個体電池は載らず
トヨタは2020年代前半の実用化を目指して全個体電池を開発している旨を3年以上前に公言していた。これを受けて「搭載車の第1号は次期プリウスではないか?」との憶測が飛び交った。
全個体電池とは、文字どおり電解質を液漏れの心配がない個体に置き換えた電池のこと。エネルギー密度の高さ、設計自由度の高さなどのメリットもある。
これこそ、次期プリウスにふさわしい電池のようにみえるが、内部事情に詳しい関係者によると全個体電池が搭載される可能性は低いという。
内燃機関を持ち合わせていて、電池切れの心配がないハイブリッドカーに大容量の電池を用いるメリットは少なく、価格上昇と引き換えにユーザーが受けられる恩恵は少ないという。
エンジンは引き続き1.8Lユニットか
ただし、次期プリウスには何らかの新しい電池が搭載されるとの情報もある。全個体電池ではないとすれば考えられるのは、2021年7月19日にデビュー予定の新型アクアから実用化される電池かもしれない。
このバッテリーは、バイポーラ構造を有しており、内部の電極とセパレーターを交互に折り重ねた抵抗の少ないもので、大幅なコスト上昇を避けつつ出力アップを実演できる点が長所に挙げられる。
エンジンは1.8Lが引き続き用いられるようだ。2006年に、カローラアクシオで実用化されすっかり減価償却も終わっているはずのユニットだが、トヨタとしてはプリウスのエンジン排気量を2Lまで上げたくないとの思いがあるようだ。
燃費改善策も限界に近づいているため、さらに向上させる手法として空力特性が見直される。その結果、全高は現行モデルより55mmも下げられて外観は平べったい印象が強まる。
ヒップポイントはいっそう下げられ、前後席のヘッドクリアランスは最小限まで削減される。「居住性を求めるユーザーはカローラハイブリッドをどうぞ、との方針だろう」と前出の関係者は語る。
もはや、トヨタはプリウスで販売台数を稼ごうとは考えていないのかもしれない。どうやって存在意義を残すのか。次期プリウスの行く末から目が離せない。
※2021年7月9日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません
【諸元・スペック】
■予想発表時期:2022年以降
■全長×全幅×全高:4550×1760×1470(mm)
■搭載エンジン:1.8L 直4+モーター