スチャダラパーBoseがZ31型フェアレディZのオーナーと対面。出合いはぶらり訪れた、旧車が得意な販売店
2020/04/20
スチャダラパー Boseが一度取材した珍車・名車を“実際に購入した人”に会いに行く今回の企画。あの時の珍車・名車は今誰の手に……!?
スチャダラパー
Bose
「今夜はブギー・バック」などで知られる、スチャダラパーのMC。ヒップホップ最前線でフレッシュな名曲を日夜作りつづけている。4月8日には待望のニューアルバム『シン・スチャダラ大作戦』をリリース、詳細は公式HPへ。愛車はフォルクスワーゲン ゴルフIIとフィアット ウーノターボ
旧車のスポーツカーも、もしかしたらおもしろいかも!?
~語り:Bose~
“Zカー”のニックネームでアメリカでも人気があるフェアレディZ。1969年に登場したS30型や1978年にフルモデルチェンジしたS130型は往年の旧車ファンからの人気も高く、人気グレードは中古車相場もかなり高値で推移しているよね。
ところが、その次の世代であるZ31以降のフェアレディZは元気がない雰囲気だよね。
今回会ったのは、ちょっと変わった旧車を扱うことで有名な埼玉県のマルミオートでZ31型フェアレディZ(1983~1989年生産モデル)を買ったオーナー。
僕は1980年代の旧車が好きだけれど、今までフェアレディZのようなスポーツモデルには見向きもしていなかった。でもオーナーと話してみて、「ひょっとしたらこっちの世界もありかも!」と感じたね。
ぶらりと訪れた販売店で憧れの一台に遭遇!
Z31ももう30年以上前の車になるんだね。比較的新しめの車という印象だったけれど、気づけばもう旧車の仲間入りをしているんだ。
Boseさんはじめまして。よろしくお願いします!
Zのオーナーと聞いていたからなんとなく年配の人を想像していたけれど、意外に若いオーナーだ。おいくつですか?
今年、48歳になります。
じゃあ僕とほぼ同世代だ。冨高さんはなぜZ31に乗ろうと思ったの?
Z31は中学の頃にカッコいいなと思いましたが「これに乗りたい!」と強く思ったことはありませんでした。そろそろ新しい車に乗り替えようかなとカーセンサーを見ているとき、たまたま近所にマルミオートという古い車を扱っているお店があることを知って。なんとなくお店をのぞいてみたら、このZ31があったんです。
偶然の出合いを果たしたんだね。ちなみに今までどんな車に乗ってきたの?
最初は日産 サニークーペ、その次がスズキ セルボモードのターボ、その次は日産のR32型スカイラインセダン、その後はY33型グロリアと、日産車が続きました。グロリアの後はアメ車に乗りたくなって、GMC ユーコンを買ったんです。これは11年と長く乗りました。
ユーコン! アメ車のフルサイズSUVだ。すごいところからこっちにきたね。
お店に足を運んだときはそこまで乗り替えるつもりではなかったのですが、Z31の実車を目にしたら中学時代に憧れた思いが急によみがえってきてしまって(笑)。しかも目の前にあるのはほぼノーマル車。こんなにいい状態の中古車に出合えることはもうないだろうと、購入を即決しました!
ずいぶん思い切ったね。でもお店が出合いを演出したっていうのが面白いな。Z31が新車の頃はお金持ちが乗っているイメージだった(新車時税抜価格:350万円)。この車はいくらだった?
車両本体価格139万円でした。
へえ。思ったほど高くない。Z31以外にも普段用の車を持っているの?
いえ、車はこれ1台です。通勤など普段の移動はスクーターを使っています。
なるほど! 最初から割り切っているとこういう車も選びやすいね。僕は仕事でも旧車を使っていて年間2万km以上走っているけれど、いつも「今日は遅刻せずに到着できるか」とドキドキしているから(笑)。Z31に乗って調子はどう?
通勤には使っていないのですが、買い物から旅行まで普通に使え、すごく調子が良くて驚きました。買ってから4年たちますが、動かなくて困ったことは一度もありません。
車検もマルミオートで?
そうです。
家の近くに旧車を安心して任せられる場所があるっていうのはうらやましい。何かあったときに何十kmも走ってお店に行かないとダメと言うのはつらいからね。マルミオートが家の近所というのは、僕にとって夢のようだよ(笑)。
Tバールーフはどうやって開けるの?
車内にあるレバーを解除して開けます。解除したらガラスルーフを持ち上げてラゲージにしまいます。ルーフをしまう袋は前オーナーが残しておいてくれたんですよ。
なるほど! ルーフも思ったより重くないんだ。ルーフを開けるとかなり開放感があるね。
そうですね。あ、Boseさん頭上に気をつけてください。リアハッチのダンパーが抜けていて、重みで自然に下がってきちゃうんです。
大丈夫。僕が持っている車にも同じ症状があるから慣れているよ(笑)。
自分とノリは違うけど人気があるのはわかる!?
僕は好みが違うからこの車を買うことはないけど、これに乗りたい人の気持ちもわかる。実際、この車に乗ってからの周りの人の反応は? 例えば、女の人はこの車をなんて言っている?
そのあたりはなんとも……。ひとつ言えるのは、この車にモテる要素はそんなになさそうです(笑)。
Z31が新車の頃はデートカーといえばクーペだったのにね。歌の歌詞にもよくクーペって言葉が出てきたもの。でもまあ、今はクーペよりシートが大きなミニバンやSUVの方がモテるから。ちょっと運転席に座らせてもらっていい?
直線的なインパネやメカニカルなシートのデザインがいいね。きっと当時のデザイナーが未来的なものをイメージしたんだろうな。
メーターの両脇にあるボタンの雰囲気もいいですね。
いすゞのピアッツァやジェミニもここにボタンがあったよね。ジウジアーロっぽい雰囲気がにじみ出ているよ。驚いたのは内装の状態がすごくいいこと。僕が乗っている車はインパネなどのプラスチックが紫外線を浴びてベタベタになってきているんだけど、それが全然ないんだよね。ドアトリムも質感がしっかり残っているし、さすが日本車って思ったよ。Tバールーフの調子はどう?
雨漏りもなくいい感じです。Tバールーフを開けるとすごく開放感があります。エアコンもしっかり効くし、困ることは特にないです。
この車が新車だった頃はかなり大きく見えたしすごく豪華な車と思っていたけれど、全体的に線が細くてかなりきゃしゃだったんだね。でもラグジュアリーな雰囲気は健在。2 by 2だと後ろの席に小さな子供は座れるかも。実は僕の奥さん(編注:ファンタジスタさくらださん)、最近昔っぽいスポーツカーが好きなんだよ。Z31は使い方もうちの環境に合っているかも。これだけ艶っぽい旧車なのに何の不自由もなく乗れるなんて、旧車の入り口にピッタリな車かもね。
【Boseの称賛タイム】バラエティ色の強いお店で気に入ったものを選ぶのもアリだね
僕と同じくらいの世代の人が昔憧れた車を買ったという話、最近よく聞くんだ。
これ以上古くなるとかなりハードルが高くなってしまうから、「今がラストチャンス!」と思うのかもしれない。
とは言っても最近は欲しいと思う旧車の相場がどんどん上がってしまい、乗りたくても気軽に買えないんだよね。
そんな中、フェアレディZの相場の低さは意外な盲点だったな。
絶対にこれ! とカーセンサーを必死に見るのではなく、冨高さんのようにとりあえずお店に足を運んでみて気に入った車を選ぶというのも面白いなと思ったよ。
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