次期パッソ/ブーンから見える、トヨタ・ダイハツ・スズキの壮大な計画
2019/09/13
トヨタの欧州専売車との兄弟化も検討
ダイハツは軽自動車を軸に据え、新興国市場を視野に入れて、コンパクトカーの開発にも力を注いでいる。
新型タントから始まったDNGA(ダイハツニューグローバルアーキテクチャー)を今後も活用して、トヨタグループの中で存在意義を発揮していくが、ブーンの世代交代が準備される中、アイゴとの統合が検討されていることをつかんだ。
親会社である、トヨタが検討している戦略のひとつとして、2005年からチェコで、PSAとの合弁会社である、TPCA(トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモービル)で欧州専売のAセグメント2BOX車を生産している。
トヨタ アイゴ、プジョー 108、シトロエン C1の3兄弟車として販売されており、現行モデルは2014年に発表された。
そのアイゴをブーン、パッソと統合、もしくは兄弟車にできないか? との検討をトヨタが進めていることがわかった。
どちらもAセグメントに属する車だから、一本化の可能性を探るのは当然かもしれない。
DNGAを活用して存在感を強める
前置きが長くなってしまったが、今回スクープ班がキャッチしたのは、次期ブーン、パッソの断片的な情報だ。
すでに公表されているように、ダイハツは新しい車づくりとして、DNGAを推し進めており、その第1弾として新型タントが2019年7月に発売された。
DNGAは、軽自動車に限らず、AおよびBセグメントにも適用できる前提で、一括企画されている。相似形のように軽自動車を拡大すれば、小型車にも使えるよう、あらかじめ設計されている。
DNGA最初の小型車は、次期ブーンか? と期待したくなるところだが、じつはもっと早く2019年11月に登場する。
その車がイグニスをライバル視したコンパクトクロスオーバーSUVであることは、2019年4月8日に報じたとおりだ。
ちなみにダイハツは、2025年にDNGA採用車を250万台生産し、半分はトヨタ向けが占める計画だ。
チームジャパンとしての存在感を発揮か
DNGA世代の新開発プラットフォームは、フレームを直線構造から一部曲線に変えることで、衝突エネルギーの分散や、曲げ剛性アップを実現。
当然、軽量化が図られて、燃費とハンドリング性能が改善されることも想像に難くない。
搭載エンジンは、引き続き1L直3が採用される見通しだ。また、CVTには新型タント同様、スプリットギアが採用されて、変速比をワイド化。高速域でのエンジン回転数上昇が回避される。
前述のアイゴ3兄弟車が生産されているTPCAについては、トヨタがPSAから全株式を取得して2021年1月に完全子会社化することが決まっている。
いまのところ、プジョー、シトロエン向けの生産は続けられる方針だが、次期モデルではPSAが手を引く可能性もゼロではない。
一方で、スズキが次期アイゴのOEM調達に関心を寄せているとの未確認情報をつかんだ。
同社はダイハツと同じく小型車づくりを得意としており、わざわざトヨタ陣営からコンパクトカーを調達する真意は理解しにくい。
しかし、欧州向けに限っていえば、イグニスの下に位置するエントリーモデルの刷新を自ら行うのは、費用対効果の面からメリットが少ないのかもしれない。
話をずいぶんと広げてしまったが、次期ブーンを糸口にトヨタ、ダイハツ、スズキが欧州で壮大なプロジェクトを展開して、チームジャパンとしての存在感を発揮するとの予想は、夢を見すぎだろうか。
※2019年9月13日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません
【諸元・スペック】
■予想発表時期:2021年以降
■全長×全幅×全高:3650×1670×1500(mm)
■搭載エンジン:1L 直3
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