トヨタ ランドクルーザー ▲3列目シートの居住性アップとラゲージスペース拡大を狙って、ウエストラインでの段付きが解消され、寸胴な印象が強まる次期ランクル

役員会でデザインが差し戻された

2018年11月23日にお伝えしたとおり、次期ランドクルーザー300(以下、ランクル)は外観デザインが、現行モデルに似すぎていたことで、役員会で差し戻されたとお伝えした。

あれから約半年、見直しを経てデザイン部門から提出された最新の案をキャッチした。

現行モデルよりもロングルーフ化

フロントマスクで目を引くのは、左右に置かれるヘッドランプとその周辺だ。ランプ本体はコンパクトにまとめられ、そのランプ類のすぐ下にエアインテークが設けられる。

ターンシグナルとLED採用のポジションランプは、ヘッドランプ下に配置される。フォグランプが見当たらないが、このポジショニングランプと同じ場所に移されるかもしれない。

また、現行モデルよりもロングルーフ化され、3列目シートの居住性をしっかり確保。ラゲージスペースの拡大も実現しているようだ。
 

TNGA化をフレーム構造車にも採用

すでにプリウスやクラウンで進んでいるTNGA化は、次期ランクルを皮切りにフレーム構造の車種にも反映されていく。

当然、フレーム構造を継承しつつ、軽量化と剛性アップが図られる。

パワートレインでは、エンジンのダウンサイジングが進む。現行の4.6L V8はシリンダーが減らされ、V6化。排気量も3.5Lに縮小される。代わりにターボチャージャーが追加されて、パワーが補われる。

1モーター式のハイブリッド、ディーゼルが用意されるのは、前述の既報のとおり。
 

レクサス LX▲ランクルの兄弟車にあたる、次期LXはフェンダーやボンネットフードに加えて、ドアパネルに専用品を起用か

ランクルより1年遅れて登場する次期LX

レクサスブランドで、ランクルの兄弟車として販売されている、LXも同様にモデルチェンジされる。

世代交代を機に、差別化が強まる模様だ。前後フェンダーやボンネットフードに加えて、ドアパネルも専用品に変更される可能性あり。

レクサスらしさの演出として、VIP仕様が新設定されるのも見逃せない。

2列目に左右独立のキャプテンシートが配され、ゆったりと座れる空間が用意される。

また、リア左右シート間にコンソールが設置され、ワインボトルとグラスが収納できる専用ホルダー、クールボックスも装備されて、ショーファー需要にも応えられる内容が与えられる。

このVIP仕様は、3列目シートが省かれて、4人乗りに仕立てられるかもしれない。
 

トヨタ ランドクルーザー▲次期ランドクルーザーだが、BMWへのOEM供給が検討されていることがわかった。もし実現すれば、バッジだけにとどまらず、顔つきも作り分けられて、オリジナリティが演出されるだろう。中近東など、高い信頼性が求められる地域での販売を想定か

BMWもOEM供給検討へ

また、次期ランクルはBMWとの協業にも関連していることがわかった。驚いたことに、BMWにOEM供給することが検討されているという。

BMWは、全長5mオーバー級の3列シートSUVとして、X7をリリースしたが、なぜライバル車に近いランクルを調達するのか。

「フレーム構造に由来する耐久性と、高い信頼性に惹かれたのかもしれない」とは、内部事情を知る関係者の分析だ。

UAEなど、道路事情がよくない中近東で、ランクルが絶大な支持を得ていることは、言うまでもなく、それらの市場にモノコック構造の車で攻め入るのは困難。

BMWも端から、X7でそれらの地域を攻略するつもりなどないのかもしれない。

ノウハウのない状態で、自社開発するよりも、協業関係を生かして、外部からフレーム構造の本格オフローダーを調達した方が、効率がいいと考えているのだろう。

話をランクルに戻そう。次期モデルは2020年夏にリリースされる見込みだ。13年ぶりの刷新となり、内外装に加えて、コンポーネントもリニューアル。

商品力が大きく飛躍することは想像に難くない。老舗ブランドの歴史に新たな一ページが加えられる。

※2019年7月26日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2020年8月
■全長×全幅×全高:4950×1985×1870(mm)
■搭載エンジン:3.5L V6+モーター 他
 

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部