フィアット パンダ|伊達セレクション
写真上は初代フィアットパンダの最初期型「セリエ1」。クラシカルなムードがステキだが、維持が大変そう? 実際は死ぬほど大変でもないし、もしも死ぬほど大変だったら手放せばいいだけのこと。写真下は筆者が実際に乗っていたアルファ GTV。約2年間乗って、部品交換が必要だったのはサーモスタットとブレーキディスク、ブレーキホースだけでしたよ。
アルファ GTV|伊達セレクション
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金融投資は身ぐるみはがされる怖いモノ? そして輸入中古車も?

「アベノミクス」につられて庶民の金融投資熱も盛り上がっているようだが、世間ではいまだに「投資・投機=何やら怖いモノ」という思い込みも根強く存在している。あなたも「○×さんは小豆の先物で借金をこさえて夜逃げしたらしい」等々の暗い噂話を聞いたことがあるだろう。

そういった噂の積み重ねにより「投資・投機=怖いモノ」という認識が出来上がるわけだが、それは基本的には間違った認識である。

たしかに元本割れリスクと常に背中合わせなのが投資・投機だが、それらには必ずストップロスすなわち「損切り」という機能がセットされている。つまり、損失はある一定の幅に限定させることができるのだ(※そのストップロスをつい自分で解除してしまうというメンタルの問題は、ここでは措いておく)。

輸入中古車においても似たようなことが言える。

高年式の認定中古車などは別として「マニアックでクラシックな、そして安めの輸入中古車」は「投機性の高い商品」とも言えるだろう。それに興味がない人はハナから手を出さないだろうが、「興味はあるんだけど、何かと怖くてちょっと手が出せない……」という人も少なからずいるはずだ。

そんなときに活用すべきは、前述のストップロスすなわち損切りの概念である。

適切な「ストップロス」さえ設ければ恐れることなど何もない

例えば、あなたが車道楽に使える余剰資金が150万円だったとする(言い忘れましたが、投資・投機は『仮に失ったとしても全然大丈夫!』と心底思える金額の範囲内で行うのがコツです)。その余剰資金で例えば支払総額100万円の、古い、しかしステキなアルファロメオを買うとする。

何も起こらず、無事に2年ほど乗れるかもしれない。しかし相手は中古の機械なので、金融商品と同様「何か」が起こる可能性は常にある。で、何かが起こったら、残りの50万円を使って修理する。1回あたりの修理費用はおおむね数万円から20万円ほどだろうか。で、そのアルファに乗っている間の整備費用が50万円以内で済めば、めでたしめでたしである。

しかし、もしも50万円がすぐに底を尽くほどの「金喰い虫」だったらどうする?

「損切り」をすればいいのだ。すなわち、売り払う。すでに投下したお金と売却益との差額は、サンクコスト(埋没費用)として潔くあきらめよう。

「マニアックでクラシックな、そして安めの輸入中古車」というのはたしかに金銭的にリスキーな部分もある。しかしそのリスクは夜逃げしたりするほどのものでは全然なく、「自らが決める予算範囲内でのリスク」でしかないのだ。だから、欲しくない人に無理にとは言わないが、欲しい人は積極的にいっちゃいましょうよ! ということである。

その「自らが決める予算」がいくらかは、筆者にはわからない。この原稿では便宜上150万円としたが、人によっては80万円かもしれないし、800万円という人もいるだろう。しかし金額にかかわらず考え方は共通だ。「興味があるなら、そしてそれが余剰資金の範囲内なら、とにかく買ってみる。で、違ったら切る!」

余剰資金で買う限り、輸入中古車に恐怖を覚える必要など一切ないのだ。そして得られるものは、投下資金の価値をはるかに上回ると筆者は確信している。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
例えば100万円前後の余剰資金で、こんな選択はどうでしょう?


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE