先日フルモデルチェンジを行ったトヨタクラウンのように13代目という長い歴史を刻む車種もあれば
残念ながらわずか一世代で幕を下ろす車種もある
こうしたモデルは“一発屋”と呼ばれ、そのすべてが不人気車のように思われがちだが実は違うのだ!
なかにはそのモデルが傑作すぎて後継車が作れなかったのでは…と思われる車種もある
今回はわずか一世代しか生産されなかったもののまだ多くの中古車が流通する
記憶に残る名車を紹介する
BONGO FRIENDEE マツダ ボンゴフレンディ
マツダ ボンゴフレンディ|一世代限りの名車図鑑
マツダ ボンゴフレンディ|一世代限りの名車図鑑 AFTが注目されるフレンディだが、2列目シートがテーブルになるなど様々な工夫を凝らしたインテリアも特徴だった。オートフリートップ車は全体の2~3割ほどで相場はやや高めとなる
オートフリートップを標準化したことが勝因
ボンゴフレンディといえば、それはイコール、オートフリートップ(AFT)だよな。ちなみにこのAFTというのは、フレンディの生産途中から追加された電動のポップアップ式ルーフのこと。アクセスホールと呼ばれる穴から、ポップアップで出現する、新しい部屋に出入りできるのが子供にウケて、それが当時は大人気になったのでした。フレンディというよりも、AFTが傑作だったね。

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LARGO 日産 ラルゴ
日産 ラルゴ|一世代限りの名車図鑑
日産 ラルゴ|一世代限りの名車図鑑 現在のミニバンの売れ筋となっているのが、エアロパーツ装着グレード。その初といえるモデルがこのラルゴハイウェイスターだ。平均価格は25万円と大半が50万円以下ながら、ハイウェイスターはまだ多く流通している
エアログレード「ハイウェイスター」のパイオニア
なんか、こんなクルマもあったよなあ~というくらいの記憶しかありません。それまでのバネットラルゴから、1993年にフルモデルチェンジによって正式にラルゴとして独り立ち。日産の最上級ミニバンとして高い人気を博したはずなのだけれど、普通のミニバンだった印象が薄かった。でも大きなターニングポイントはエアロパーツを装着したハイウェイスターの設定!と半ば強引に結論づけて、傑作の称号を与えましょう。

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S-MX ホンダ S-MX
ホンダ S-MX|一世代限りの名車図鑑
ホンダ S-MX|一世代限りの名車図鑑 カップルが密着できるベンコラ(ベンチシート&コラムシフト)と横になれるフルフラットのシナジー効果は絶大だった。中古車の平均価格は32万円でローダウンが多い。ピカピカに磨けば今乗っても古さはないかも
フルフラットになるベンチシートは大ヒット
車内で×××をしろっ、つ~んかいっ(×には適当な文字を入れてほしいのですが)。ともあれ、このS-MXが発表された時に、私自身はそう思いました。シートをフルフラットにすると、ちょうど手の届くあたりに、箱ティッシュの置けるスペースもあるし、フロントシートにもベンチタイプが採用されていたのだもの。そのムフフな性格とともに、右1枚の左2枚の1+2ドアの採用など、個人的には、傑作車と考えたい一台です。

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NAKED ダイハツ ネイキッド
ダイハツ ネイキッド|一世代限りの名車図鑑
ダイハツ ネイキッド|一世代限りの名車図鑑 むき出しのドアヒンジなどがミリタリーぽいが、全高1550mmのタワーパーキングサイズなど使い勝手も十分考えられていた。中古車の平均価格は57万円とまだ高め。できればオプションを満載したクルマをゲットしたい
豊富なオプション装備でカスタマイズ欲に応えた
そういえば、昔流行ったよな、ネイキッドバイク…。あっ、違いますね、ここでいうのは、ダイハツネイキッドね。当時カスタマー自身が、様々なアレンジをすることで、好みの一台を作りましょうというコンセプトは斬新だったけれど、何で自分の手を汚さなければならないのか。それはオマエら自動車メーカーの仕事だろ!というわけで、2003年にはヒッソリと生産を中止。後継車もありません。典型的なマグレ当たりでしたな。

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FUNCARGO トヨタ ファンカーゴ
トヨタ ファンカーゴ|一世代限りの名車図鑑
トヨタ ファンカーゴ|一世代限りの名車図鑑 リアシートは簡単に床面にピッタリ収納が可能でフラットで広大なラゲージスペースが現れる。平均価格は53万円となっており50万円以下の物件が多く出回っている。オシャレなバン感覚で乗るのにピッタリだ
研究しつくされた使い勝手は究極の域
ファンカーゴは、初代のヴィッツをベースとした、コンパクトなハイルーフワゴン。参考までに、実質的な後継車はラクティス。その存在からも証明されるように、確実な市場を築いたという意味では、このファンカーゴには傑作の称号を与えても良いのではないかと思います。実際の使い勝手は、さすがにその道を研究し尽くしたトヨタの力作。リアシートの格納は簡単で、それによって生まれる荷室はとても実用的でした。

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PROGRES トヨタ プログレ
トヨタ プログレ|一世代限りの名車図鑑
トヨタ プログレ|一世代限りの名車図鑑 室内には木目調パネルではなく、本物のウォールナットを採用するなど、とにかく豪華さにこだわった。平均価格が89万円台と100万円を割っており、かなり割安感が出ている。ちなみにブレビスという兄弟車があった
小さな高級車のコンセプトは良かった
乗った瞬間、自分が年を取ったように思いましたよ。5ナンバーサイズの小さな高級車というコンセプトは良かったのですけれど、その演出は、ちょっと間違っていたかも。だいたい、このプログレ、どこを見てもトヨタのエンブレムがないから、どこのクルマかわからないし…。メルセデスやBMWと正面から戦うのに、メーカーのエンブレムがなくてどうするよ…と思ったのが懐かしい。傑作とはちょっと言えませんな。

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Report/山崎元裕
※この記事は、カーセンサー関東版10号(5月8日発売)の特集をWEB用に再構成したものです