▲『男はつらいよ』は元々テレビドラマで放送されていた。最終回は、なんと寅さんがハブに噛まれて死んでしまうという衝撃的なもの。視聴者からの抗議が殺到し、映画化の一因になったといわれている。写真は、京成金町線柴又駅前に立つ寅さんの銅像 ▲『男はつらいよ』は元々テレビドラマで放送されていた。最終回は、なんと寅さんがハブに噛まれて死んでしまうという衝撃的なもの。視聴者からの抗議が殺到し、映画化の一因になったといわれている。写真は、京成金町線柴又駅前に立つ寅さんの銅像

寅さんの名字は「車」だった!

「ひとりの俳優が演じたもっとも長い映画シリーズ」としてギネスブック国際版にも認定された『男はつらいよ』。今年は、最後の作品となった『男はつらいよ 寅次郎紅の花』の公開から20年目の年となる。そこで、ふと気がついた。「なぜ今まで、主人公の寅さんにピッタリの1台をオススメしなかったのだろうか」。だって、あの有名な口上を思いだしてほしい。

「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します」

そう、寅さんの名字は「車」なのだ。いの一番に取り上げてるべきだったんじゃないか。そこであらためて、寅さんにピッタリの車を考えてみた。

男はつらいよの黄金パターン

日本人の心の原風景を描いたともいわれる『男はつらいよ』は一定のパターンに沿って展開される。そのパターンとは――

「寅さんの夢からスタート」→「テキヤの仕事で訪れた土地でマドンナに出会う」→「マドンナの身の上話に乗っているうちに親密になる」→「寅さん、マドンナに惚れる」→「自分はマドンナと上手くいっていると思い込む」→「寅さん、柴又に帰る」→「柴又で家族を交えたドタバタ劇」→「偶然または必然的にマドンナが柴又を訪れる」→「寅さん、振られる」→「再びテキヤの仕事で旅に出る」

といったもの。安心して見られるこのわかりやすさが、長寿作品として愛された理由のひとつなのかもしれない。

▲写真は寅さんの口上、「帝釈天で産湯をつかり」で有名な柴又帝釈天。正式名称は「経栄山 題経寺」。今にも御前様と源公が現れそうな雰囲気だ ▲写真は寅さんの口上、「帝釈天で産湯をつかり」で有名な柴又帝釈天。正式名称は「経栄山 題経寺」。今にも御前様と源公が現れそうな雰囲気だ
▲帝釈天の参道に店を構える「とらや」。この店舗は実際に撮影にも使われていた ▲帝釈天の参道に店を構える「とらや」。この店舗は実際に撮影にも使われていた

寅さんの職業には荷物が積める車が必要

さて、全国津々浦々を巡る寅さん。できればキャンピングカーでもオススメしたいもの。商品も積める広さと節約できるホテル代。テキヤ稼業にはぴったりだ。しかし、このご時世、どこにでも止めて車中泊というわけにはいかない。

そこでホテル代の節約は諦めて、商品を積めるという点に注目。普段はカバンひとつで地方を訪れ商売をしている寅さんだが、バンやワゴンなどを使えば、より多売が可能になり、お金持ちになれてしまうかもしれない。

中でもオススメしたいのが、日産のNV200 バネット バンだ。必要十分な装備に無駄すぎない装飾は、まさに寅さんの佇まいに通じるものがある。なにより、ボディカラーに「タイガーアイブラウン」が用意されているのも嬉しいポイント。

▲NV200 バネット バンだけでなくデイリーユースやレジャーなど、様々なシーンで幅広く使える小型商用車として登場。写真のカラーがタイガーアイブラウン。中古車掲載台数は96台。平均価格は約110万円(2015年7月12日現在) ▲NV200 バネット バンだけでなくデイリーユースやレジャーなど、様々なシーンで幅広く使える小型商用車として登場。写真のカラーがタイガーアイブラウン。中古車掲載台数は96台。平均価格は約110万円(2015年7月12日現在)

「タイガーってえのは、アメリカの言葉で寅って意味なんです。すると彼女はこう答えた。寅さんにぴったり。ステキな色だわ。いえいえ、あなたの方がステキですよなんて言いながら、2人は夜のドライブに出かけるわけだ。どうだ、さくら」

なんて、寅のアリアが聞こえてきそうだ。

実は車を持っていなかった寅さん役の渥美清

NV200を選んだ理由はもうひとつある。ここまで書いておいてなんだが、監督の山田洋次氏のエッセーによると、「寅さんを演じた渥美清氏は、私生活でも車を持たなかった」とのこと。確かに、寅さんが劇中で運転しているシーンが見られず、助手席や運転席に座っているシーンがほとんどだ。

そういった意味でもNV200は寅さんにオススメ。ご存じの方も多いだろうが、NV200にはワゴンモデルをベースにしたNV200タクシーがあり、これは ニューヨーク市のタクシーとして正式に採用されている。ちなみに、ニューヨーク市のタクシーは、いわずとしれた「イエローキャブ」。この黄色も、見方によっては寅の色だ。

▲写真はNV200タクシー。日本でも発売されている ▲写真はNV200タクシー。日本でも発売されている

ということで、寅さんにオススメするのはNV200 バネット(ワゴン/バン)に決定!。

text/コージー林田