世界に1台の「歌舞伎ジューク」で歌舞伎座に突撃!そのデザインをまじまじと鑑賞した
2015/04/06
日産 ジュークが隈取りをまとって歌舞伎仕様に変身
歌舞伎とは――。「江戸時代に大成した日本の代表的演劇。慶長(1596~1615)頃の阿国(おくに)歌舞伎に始まり、若衆歌舞伎を経て元禄期(1688~1704)に劇的要素を主とする演劇に発展した。女優の代わりに女形を使い、また舞踊劇・音楽劇などの要素をも含む演劇。歌舞伎芝居。歌舞伎劇。」(三省堂 大辞林 第三版より)。
「かぶき、興味ありますか?」と唐突に話を振ってきたカーセンサーnet編集部のたけだ たけしくん。なにを言ってるんだい、私の人生における必修0単位の教科書は「花の慶次 雲のかなたに」だよ。まあ、自分で言うのもなんだけど、ある種、傾奇者だね。
「いや、傾奇、じゃなくて歌舞伎です。実は、日産 ジュークに歌舞伎をテーマにした、世界に1台の車があるんです」とたけだくん。何を言ってるんだい。私は歌舞伎座で生歌舞伎を3回も(お付き合いで)観劇したほどだよ。その車、見せてもらおうじゃないか。
ということで、たけだくんが早速準備してくれたのが、写真の車、いよっ~、日産屋。こんな車を出すなんて、なかなか“かぶいた”会社だ。
「いえいえ、これは市販車ではなく、ジュークのデザインコンテスト「JUKE by YOU」の最優秀作品なんです。“和”をイメージしたそうですよ」
なに、和をイメージ! って、見りゃわかるよ。生歌舞伎を観劇(3回だけ…)した私から解説させてもらえば、このモチーフは「隈取り」だな。演目によって使い分けられ、大きく分類しても50種類ぐらいあるそうだぞ。
赤色の隈取りはいわゆるヒーローの化粧だ。中でも、このジュークは歌舞伎十八番『暫』の主人公、鎌倉権五郎も行っている隈取り「筋隈」に近い気がする。ということは、市川團十郎の演目か。これで走っていたら、「なぁりぃたやぁ(成田屋)」なんて声をかけられたりして。
ボディ形状に合わせて、歌舞伎をモチーフにしたデカールを施す
「ボディの側面には白浪のデカールがされていますね。後部は市松模様だ」と冷静にチェックするたけだくん。
歌舞伎で白波といえば「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」か。「??」のたけだくんにも分かるように言うと、通称「白浪五人男」だよ。
「それでも??なんですけど…」
5人の泥棒の因果を描いた作品で、代々の尾上菊五郎の当たり役じゃないか。だから、サイドを見た隣の車からは、「うぉとわぁや(音羽屋)」のかけ声がかかるかもしれないな。ちなみに、後部の市松模様だが、江戸時代中期の歌舞伎役者、佐野川市松が「心中万年草」で。紺と白を交互に並べた模様の着物を用いたことから広まったという説もあるぞ。
90通りのカスタマイズが可能なジュークがより個性的に変身
「今回のコンテストは、日産のブランドステートメントである“今までにないワクワクを”に則って、自分だけのジュークをデザインする楽しみを最大限に感じてほしいという思いがあるそうです」
確かに、ジュークは90通りものカスタマイズが可能な車。それに合わせて、自分なりのデカールを施せば、究極のパーソナライゼーションになりそうだ。しかし、さっきから、この車、ちらちら見られてるな。
「この派手なデカール。ある意味、僕らも傾き者だと思われていますよ。もしくは、歌舞伎関係者と思われているかも」とたけだくん。そんなわけ、あるかい。
でも、正直、見られることがちょっとだけ気持ちよくなってきたかも。みなさんも、デカールを使って自分だけの1台を手がけてみてはいかがですか。
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